積立NISA(つみたてNISA)は、投資経験の浅い方でも実践しやすい資産形成方法として注目されています。

しかし、実際に始めるとなるとデメリットが気になるという方もいるでしょう。

どのような投資にもデメリットやリスクはつきものですが、これらを正しく理解することで、自分にあった資産形成が可能になります。

この記事では積立NISAのデメリットを中心に、おすすめできない人や注意点を解説します。

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積立NISAのデメリット

積立NISAのデメリット

一般的に語られる積立NISAのデメリットを確認していきましょう。

元本割れのリスクがある

積立NISAに限らずどのような投資にも共通していることですが、絶対に損をしない投資方法はありません。

相場はさまざまな要因によって変動するため、投資のプロであっても完全に相場を読み切るのは不可能です。

積立NISAで投資を行う場合も、元本割れのリスクがあることを理解しておきましょう。

投資商品が少ない

積立NISAを利用して購入できるのは、金融庁が定めた一部の「投資信託・ETF」のみとなっており、長期の積立・分散投資に適していると判断された商品に限られています。

そのため、販売手数料が無料だったり信託報酬が一定水準以下だったりと、コストを抑えられるという点はメリットといえます。

ただ、金融庁が厳選した銘柄であるため、幅広い商品群から自分で選んで投資したいという人にとってはデメリットとなるでしょう。

また、国内外の個別株式やREITへの投資を考えたい場合は、積立NISAで購入することはできません。

対象商品以外に投資したい場合は、一般NISAやNISA以外の口座で投資する必要があります。

参考:金融庁「つみたてNISAの対象商品 」

投資できる非課税枠の上限が少ない

積立NISAの非課税投資枠は、年間40万円が上限となっています。

非課税期間は最長20年間なので、20年間ずっと投資をしたとしても最大で800万円が非課税で投資できる上限金額です。

毎年40万円の非課税投資枠は、1年間で使いきれずに余らせたとしても翌年以降に繰り越すことはできません。

毎月決まった金額を積み立てていく場合は、40万円 ÷ 12ヶ月 ≒ 33,333円が毎月の買付金額の上限となります。

投資資金が潤沢にある場合も、非課税で投資できる金額には上限がある点に注意しましょう。

損益通算や繰越控除ができない

積立NISAは、他の口座との損益通算や繰越控除ができない点に注意が必要です。

そもそも、損益通算や繰越控除とはどういったものなのか確認していきましょう。

損益通算について

通常の株式投資では、投資用口座を複数保有している場合に利益と損失を合算して相殺する「損益通算」が可能です。

株式や投資信託への投資で利益が出た場合は所定の税金がかかりますが、他の口座で損失が出た場合はその分を利益から差し引くことができるという仕組みです。

例えばA証券会社で50万円の利益が出て、B証券会社で30万円の損失が出た場合、プラス分とマイナス分を合算することで、20万円の利益としてみなされます。

この損益通算をうまく利用することで税金を減らすことができますが、NISAや積立NISAではこの制度が使えません。

NISA口座で損失が生じた場合も、特定口座や一般口座との損益通算はできず、他の口座で生じた利益は全額が課税対象となります。

繰越控除について

繰越控除は投資で発生した損失を3年間繰り越し、その間に出た利益と相殺できる制度です。

例えば株式投資で前年に100万円の損失があり翌年に200万円の利益が出た場合、利益と損失を相殺して100万円の利益として税金の計算ができます。

しかし、積立NISAは前述の通り損益通算ができないため、損失の繰越控除もできません。

スポットでの買い増しは原則できない

スポット購入とは、自分が買いたいタイミングで好きな金融商品を購入する投資方法です。

資金に余裕があるタイミングや、相場が大きく下がったタイミングで購入できるというメリットがあります。

積立NISAの場合は、投資信託の購入方法が「積立投資のみ」となっているため、原則としてスポット購入ができません。

積立NISAは、長期・積立・分散投資で資産運用を支援するための非課税制度であり、短期的な集中投資は想定していないためです。

ただし、ボーナス設定ができる証券会社では、特定の月に購入金額を増額できます。

うまく活用すれば、手元資金に余裕があるタイミングで多めに投資を行えるでしょう。

口座変更時に資産の移し替えができない

積立NISA口座を別の金融機関に変更する場合、元の口座で積み立てていた資産を新しい口座に移すことはできません。

金融機関を変更する場合も、変更前のつみたてNISA口座内で保有している金融商品は、そのまま最長20年間非課税制度が適用されます。

変更後の口座で一元管理ができない点は、デメリットといえます。

出典:日本証券業協会「つみたてNISAに関するQ&A Q35〜36」

積立NISAのメリット

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積立NISAのデメリットに触れてきましたが、人気があるだけのメリットも存在します。

最長20年間は運用益が非課税になる

積立NISAの最大のメリットは、投資で発生した運用益が最長20年間非課税となる点です。

毎年40万円までの非課税枠が設けられているため、20年間の総額元本は800万円となります。

通常、投資で得た利益に対しては20.315%の税金がかかりますが、積立NISA口座内での利益に対しては税金がかかりません。

積立NISAでは長期投資による複利効果が期待でき、これによって得られた利益をすべて非課税で受け取れる点が大きなメリットとなります。

出典:金融庁「つみたてNISAの概要」

少額から始めることができる

積立NISAは、一括投資ではなく中長期的に少額投資を行うことで資産運用をしていくという考え方が基本です。

年間の投資額上限が40万円と定められているため、毎月数千円〜数万円程度で無理なく投資を行えるというメリットがあります。

「まとまった資金がなく投資なんかできない」と思っているような方でも、気軽に資産運用を始めることができます。

投資初心者でも商品選びがしやすい

積立NISAの対象商品は、金融庁が厳選した「投資信託」と「ETF」に限られています。

そのため、自分で投資商品を選ぶのが不安な人でも商品選びがしやすい点はメリットです。

金融庁が「長期・積立・分散」投資に適していると判断した銘柄の中から選択できるので、初めて投資を行う人がどのような銘柄を選んだとしても、ある程度リスクを抑えて投資を始められます。

金融商品に投資を行う以上、価格の変動リスクは避けられませんが、金融庁のお墨付き銘柄に投資できるという点は安心感につながるでしょう。

積立NISAはどんな人に向いている?

積立NISAはどんな人に向いている?

将来の支出に備えたい人

積立NISAで投資できる商品には、長期投資に適したものが選ばれています。

そのため、短期的な大きなリターンではなく、将来に向けて資産を増やしていくことが期待できます。

長い目で人生をみたときに「住宅購入」や「教育費」、「老後資金」など、まとまったお金が必要なタイミングはいくつかあるでしょう。

将来のライフイベントに備え、長い期間かけてお金を増やしていきたいという人に積立NISAはおすすめです。

投資にあまり時間を使いたくない人

積立NISAの投資方法は、「長期・積立」が基本となっています。

そのため、最初に積立タイミング・積立金額・投資商品を設定しておけば、あとは基本的にほったらかしで大丈夫です。

値動きをこまめにチェックしたり、投資銘柄を研究する必要がないため、投資にあまり時間を割けないという方にも適しています。

仕事や家事で忙しい方も、無理なく自分のペースで資産形成を進めていけるでしょう。

機械的に投資を続けたい人

一定のタイミングで機械的に金融商品を購入するのが、積立NISAの投資方法です。

相場の値動きに一喜一憂するのではなく、決められたタイミングで淡々と一定金額を投資することで、長期的にみたときに投資効果が得やすくなります。

どうしても相場の変動が気になって冷静な判断ができなくなるような人には、積立NISAの利用がおすすめです。

積立NISAがおすすめできない人

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短期間で大きなリターンを求める人

積立NISAは長期投資を前提とした制度です。

短期間で資産を2倍、3倍に増やしたい方にはおすすめできません。

短期間で資産を増やしたい場合は、値動きの激しいFXや暗号資産(仮想通貨)、個別株投資などを検討する必要があります。

ただし、こうした価格変動の大きい金融商品に投資する場合は、想定と逆の動きをしたときの損失も大きくなる点に注意しましょう。

元本割れリスクを許容できない人

積立NISAは価格変動リスクのある金融商品への投資であるため、元本割れのリスクは避けられません。

どのような投資にも絶対に損をしないものはないため、金融ショックが起こった場合は元本より少なくなってしまうリスクがあります。

コツコツと20年間投資をしたとしても、20年後のタイミングで相場が大暴落する、という可能性もゼロではありません。

積立NISAは中長期的に安定した資産形成を目指すための制度ですが、元本割れリスクをまったく許容できない方にはおすすめできません。

積立NISAの注意点

NISA口座で米国株を保有している場合

積立NISAで投資を始める際の注意点を確認しておきましょう。

残った非課税枠は翌年に繰り越せない

積立NISAの非課税枠は年間40万円となっていますが、使用できずに余った分を翌年に繰り越すことはできません。

また、すでに保有している商品を売却しても、その年の非課税投資枠は復活しません。

※既に20万円を投資している状態(残り投資可能金額は20万円)で8万円分の売却を行っても、その年の投資可能金額は+8万円されず20万円のままになります。

資金に余裕のある方が年の途中から積立NISAを始めた場合は、「割り増し設定」や「ボーナス払い」を活用して無駄なく非課税枠を使い切れるようにすると良いでしょう。

途中で引き出すと長期運用の恩恵を受けにくい

積立NISAは資金(現金)が必要になったタイミングでいつでも解約して出金することができます。

ただし、あまりにも短期で解約すると長期投資のメリットが活かせなくなる点に注意しましょう。

長期間運用を続けることで、利益を再投資する「複利効果」や、投資タイミングを分けることによる「リスク分散効果」が期待できます。

しかし、途中で資金を取り崩すと元本が減少してしまうため、長期運用のメリットが薄れてしまいます。

20年の非課税期間を設け、将来に向けた長期的な資産形成を助けてくれるのが積立NISAの特徴です。

長期運用の効果を活かすためにも、緊急事態を除いてなるべく長く運用することを心がけましょう。

積立NISAと一般NISAは併用できない

積立NISAは、一般NISAと併用できません。

NISA口座の開設は、すべての金融機関を通じて「1人1口座のみ」と決められています。

投資対象や非課税期間などさまざまな違いがあるため、NISA口座の開設を検討する際は、自分に合ったものはどちらかをよく検討するようにしましょう。

NISA口座は1年単位で変更することができますが、その年の非課税投資枠の利用がない場合に限られます。

例えば、積立NISAですでに投資信託を購入している場合は、その年の間は他の金融機関や一般NISAに変更することはできません。

出典:金融庁「つみたてNISAの概要」

まとめ:積立NISAはデメリットもあるがメリットも多い

積立NISAはデメリットもあるがメリットも多い

積立NISAはいくつかのデメリットがありますが、長期的な資産形成を検討する人にとっては、それを上回るメリットがあるといえるでしょう。

豊かな老後に向けて早くからコツコツ資金を増やしたいという方は、積立NISAの利用を検討することをおすすめします。

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