ジュニアNISAは廃止後どうなる?今からでもやるべき理由を解説
少額からの投資を支援するための制度「NISA」のなかでも、未成年者を対象としている「ジュニアNISA」は、2023年12月で廃止されることが決まっています。
しかし、ジュニアNISAは廃止されるにあたって制度が改正され、その内容がお得であり今からでもやるべきだと注目を集めています。
この記事では、ジュニアNISAの基本的な内容や今からでもやるべき理由、その際のデメリットを解説しています。
子供名義でジュニアNISAをやるべきか、お悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
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この記事の目次
ジュニアNISAとは
ジュニアNISAは、2016年1月から未成年者を対象にスタートした少額投資非課税制度で、「一般NISA」や「積立NISA」と並ぶNISAの1つです。
「廃止前にやるべきか」を考える前に、ジュニアNISAの基本的な内容を確認していきましょう。
80万円まで非課税運用できるNISAの子供版
ジュニアNISAは、少額から非課税運用できるNISA制度の子供版といえる制度です。
未成年者を対象にしており、ジュニアNISA口座内で投資した株式や投資信託の売却益・配当金・分配金などが非課税になります。
ジュニアNISAの非課税期間や投資対象商品は、以下の通りです。
対象者 | 日本に住む未成年者 ※口座開設をする年の1月1日時点で19歳以下の方 |
非課税対象の商品 | 株式、投資信託、ETF、REITなど |
口座開設可能数 | 1人1口座 |
非課税投資枠 | 毎年80万円が上限 |
非課税期間 | 最長5年間 |
投資できる期間 | 2016年〜2023年 |
年間80万円まで新規投資の運用利益が非課税となるので、未成年の子供がいる場合には利用しておきたい制度です。
2023年12月で廃止されることが決定している
2016年からスタートしたジュニアNISAですが、2023年12月に廃止されることが決まっています。
「一般NISA」や「積立NISA」と比べて利用者が少なかったことが原因です。
そのため、2024年以降にジュニアNISAで新たに投資することはできません。
子供名義で非課税運用をしたい場合は、2022年時点であと2年分(最大160万円分)しかないことを把握しておきましょう。
ジュニアNISA廃止後はどうなる?
廃止することが決定しているジュニアNISAですが、廃止後にどうなるかを知っておくことが大切です。
制度終了後の所有銘柄や運用益はどのような取り扱いとなるのか、確認していきましょう。
2023年12月までは投資できる
ジュニアNISAは廃止されることが決定していますが、制度が終了する2023年12月末までは新規で投資することができます。
2022年時点では、あと2年間投資することができるので、1人につき年間80万円×2年で最大160万円まで新規買い付けが可能です。
もし新規で投資したい場合は、2022年中に口座を開設して投資を始めるのがお得です。
可能な限り銘柄を購入して、非課税投資枠を活用しましょう。
子供が18歳まで非課税保有が可能
ジュニアNISAの廃止後は新規で投資することはできませんが、2023年の制度終了時に子供が18歳になっていない場合は、保有していた金融商品を継続管理勘定に移管することができます。(ロールオーバー)
継続管理勘定では、18歳になるまで非課税で保有し続けることが可能です。
例えば、2023年の1年間しか投資をしなかったとしても、子供が18歳になるまで金融商品を保有し続けていれば、投資期間が長くなることで資産が増えている可能性があります。
運用利益が非課税の状態で保有でき、ジュニアNISA終了時すぐに売却する必要はないことを認識しておきましょう。
払い出し制限がなくなる
ジュニアNISAは、もともと18歳になるまで払い出しに制限がありました。
災害・やむを得ない場合を除き、18歳になるまで非課税で払い出すことができず、18歳になるより前に払い出した場合は利益に課税されてしまう仕組みでした。
しかし、制度の廃止に伴って払い出しの制限が撤廃され、2024年1月以降は子供の年齢に関わらず非課税での払い出しが可能になります。
制限がなくなったことで、お金が必要となったタイミングで任意に払い出しできるようになりました。
ただし、払い出しの際は全額処理する必要があるので、一部の金融商品だけを売却するといったことができない点に注意しておきましょう。
ジュニアNISAは今からでもやるべきか
制度の廃止が決定しているジュニアNISAですが、まだ利用していない人はこれからやるべきでしょうか。
制度の廃止後を踏まえて、これからやるべきかを考えておきましょう。
今からでもやるべき
廃止される制度とはいえ、資産に余裕がある方は今からでもジュニアNISAをやるべきであるといえます。
子供が成長した際に運用益が出ていれば教育費用に用いることができるため、お子さんが小さい方ほどうまく活用すべき制度といえるでしょう。
子供のジュニアNISAと両親のNISA口座を合わせて利用することで、お得に資産運用することができます。
少しでも早くジュニアNISAに口座を開設して、資産運用を始めることをおすすめします。
非課税運用の魅力が大きい
ジュニアNISAを今から始めるべき理由として、非課税運用のメリットが大きい点が挙げられます。
すでにご紹介した通り、ジュニアNISAでは制度終了後も子供が18歳になるまで非課税で金融商品を保有し続けることができます。
投資は、運用している期間が長くなるほど利益を得られる可能性が高まります。
今からジュニアNISAで投資を始めても子供が18歳になるまで非課税で運用できるため、できる限り18歳まで金融商品を保有し続けるのがおすすめです。
払い出し制限がなくなりいつでも引き出せる
元々ジュニアNISAのデメリットであった払い出し制限がなくなり、いつでも引き出せるようになった点は大きなメリットです。
福利のことを考えると可能な限り18歳になるまで非課税運用を続けたいところですが、最悪いつでも引き出せるという安心感は資産運用において大きな利点といえるでしょう。
例えば、子供の教育費用が想定よりもかかってしまうケースにおいて、子供のジュニアNISAで運用した金融商品を売却して賄うことができます。
何歳でも払い出しができるので、運用資金の使い道が広がったことを有効に活用しましょう。
ジュニアNISAを始めるデメリット
ここまでジュニアNISAを始めるべき理由を解説してきましたが、デメリットも事前に把握しておく必要があります。
ジュニアNISAを始める際のデメリットをそれぞれ解説していきます。
元本割れのリスクがある
投資をする以上把握しておくべきなのが、元本割れのリスクがある点です。
例えば、ジュニアNISA口座で買い付けた金融資産が値下がりをしてしまい、購入時よりも価格が安くなることは十分に考えられます。
売却しなければ損失は確定しませんが、それでも口座内の評価価格上は損失を抱えた状態になってしまいます。
非課税期間が長いとはいえ、投資した金融資産が値下がりして損を抱えてしまう可能性がある(絶対にプラスになるとは言い切れない)ことは認識しておきましょう。
投資可能期間が短い
ジュニアNISAは、2023年12月で終了してしまいます。
仮に2022年から投資を始めても2年間しか投資することができず、80万円×2年で160万円までしか投資することができません。
もちろん160万円であっても投資するのがおすすめですが、今からジュニアNISAだけで資産運用するのは心もとありません。
両親もNISAやiDeCoなどを活用して、資産形成を進めていくことをおすすめします。
損益通算ができない
ジュニアNISAでは、ほかの特定口座や一般口座で発生した利益との損益通算ができません。
損益通算とは、一定期間の利益と損失を相殺することです。
投資の利益には税金がかかりますが、利益から損失を差し引くことで税金の負担を軽減できます。
また、損益通算してもマイナスとなる場合は、最長3年間損失を繰り越して控除することも可能です。
- 1年目:トータルで50万円のマイナス(税金0円)
- 2年目:トータルで10万円のマイナス(税金0円)
- 3年目:トータルで55万円のプラス(税金0円)
※1、2年目で合計60万円のマイナスが出ているため、3年目の55万円のプラスを相殺して税金が発生しない(3年間合計でマイナス5万円と判定される)
しかし、ジュニアNISA口座で発生した損失は、ほかの口座の利益と損益通算することができず、繰越控除もできません。
ジュニアNISAで払い出しする場合は注意しておきましょう。
まとめ:ジュニアNISAは今からでも遅くない
廃止が決定したジュニアNISAですが、今からでも始めるべき理由は多くあります。
非課税で運用できる上、払い出しの年齢制限がなくなったことでいつでも引き出せるので、子供が成長した際の教育費用に充てるのもおすすめです。
ただし、2022年から始めても2023年12月までしか投資できないため、ジュニアNISAだけでなく両親のNISAやiDeCoなどと合わせて着実に資産運用を進めていきましょう。
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記事監修者
マネカツ編集部
"将来への漠然としたお⾦への不安はあるけど、何から始めていいのかわからない…"
そんな方に向けて「資産運用」や「税金対策」など、お金に関する情報を発信しています。
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