株式を購入する方法の一つに「立会外分売」というものがあります。

大株主が保有する株を、取引時間外に割安価格で個人投資家に売り出すときに使われる仕組みです。

立会外分売には、通常の株式投資やIPOなどと異なる点がいくつか存在します。

この記事では、立会外分売の仕組みや特徴、投資家にとってのメリット・デメリットを解説していきます。

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立会外分売とは

立会外分売とは

「立会外分売」は、株式を購入する方法の一つです。

具体的にどんな手法なのかを確認していきましょう。

取引時間外に行われる売買手法

「立会外分売(たちあいがいぶんばい)」は、証券取引所の取引時間外(立会外)に、大量の売り注文を小口に分けて投資家に売却する手法です。

通常の取引時間外(立会外)に売り出されることから、立会外分売と呼ばれます。

個人の新規株主の拡大や、市場に出回る株式を増やすことによる流動性の向上を目的として実施されるケースが多いです。

通常の株式取引では、取引所を通じて株式が売買されるため、取引するタイミングによって取引価格が異なります。

一方、立会外分売の場合は、あらかじめ決められたタイミングに決まった価格で売り出されます。

分売される価格は、分売実施日の前営業日の終値からディスカウントされた価格となるのが一般的です。

取引時間(立会時間)について

証券取引所での取引時間は、平日の以下の時間です。

  • 9時00分〜11時30分
  • 12時30分〜15時00分

午前中の立ち会い時間である9時00分〜11時30分を「前場(ぜんば)」、午後の立ち会い時間である12時30分〜15時00分を「後場(ごば)」と呼びます。

土・日・祝日および、12月31日〜1月3日は休業日となり、取引は行われません。

立会外分売は、上記の取引時間外に行われます。

出典:株式会社日本取引所グループ「内国株の売買制度」

実施スケジュールは告知されることが多い

分売をする際は、株式の売り主が金融商品取引所に立会外分売を行う旨を届け出ます。

分売を委託された証券会社は、どの企業がいつ立会外分売を行うかをアナウンスするのが一般的です。

通常は、分売実施の1〜2週間前に実施企業より分売予定が発表されます。

ただし、分売予定を告知せずに、分売実施日の前営業日に分売条件の発表をする場合もあります。

証券会社のホームページで、立会外分売の申し込み受付中の銘柄や、今後分売を実施する予定の銘柄を確認できるため、チェックしてみてください。

立会外分売が実施される理由

立会外分売が実施される理由

株価の急落リスクを抑えるため

立会外分売を利用して株式を売却する理由の一つは、株価が急落するのを防ぐためです。

取引時間内に大量の売り注文を出すと売りが売りを呼び、短時間に株価が大きく下がる恐れがあります。

また、それほど売買高が大きくない銘柄であれば、売りたいタイミングで売り切れない可能性も生じます。

これらのリスクを避けるために、取引時間外にあらかじめ決まった価格で売買するという仕組みです。

株式の流動性を高めるため

立会外分売を利用する理由の二つ目は、市場で取引される株式の数を増やし、流動性を高めることです。

発行されている株式数が多くても、その大部分を特定の企業や個人が保有し続けていたのでは、株式の流動性が高いとはいえません。

立会外分売を利用すれば、値崩れのリスクを避けつつ多数の株式を市場に流通させられるため、投資家は対象の株式を自由に売買しやすくなります。

加えて、上場市場の指定変更を狙って立会外分売を実施するケースもあります。

例えば、東証プライム市場への上場の条件は「株主数800人以上」です。

東証プライムに上場すると、TOPIXなどの指数への採用等が株式の買い材料となり、株価の上昇も期待できるでしょう。

過去には「サカイ引越センター」や「ヱスビー食品」など、わたしたちに馴染みのある企業も立会外分売を実施しています。

出典:株式会社日本取引所グループ「上場審査基準」
出典:楽天証券株式会社「過去の取扱実績:2022年度」

立会外分売とIPOの違い

立会外分売とIPOの違い

立会外分売とよく似た株式の売出方法に「IPO」があります。

IPOは「Initial Public Offering」の略で、企業が新しく上場する際に株式を売り出す仕組みのことです。

どちらも証券会社に申し込み、配分があれば購入できますが、大きく異なる点は株式の売出規模と申込期間の長さです。

立会外分売の場合は、もともと大株主が持っていた株式を売り出すのみで、新しく株式を発行するわけではないため、IPOに比べると規模が小さい特徴があります。

また、IPOでは申込から購入までは数日〜数週間程度かかることもありますが、立会外分売の場合は数時間で手続きが完結します。

立会外分売のメリット

立会外分売のメリット

投資家側から見た立会外分売のメリットについて紹介していきます。

購入時の手数料が不要

立会外分売では、購入時に証券会社に支払う取引手数料が無料です。

「分売価格 × 株数分」の資金があれば購入できるため、証券会社に支払う手数料負担を抑えたい方にとってはメリットとなるでしょう。

ただし、立会外分売で購入した株式を売却する場合は、通常の株式取引と同様に市場で売買することとなります。

この際は、証券会社所定の取引手数料が必要となるため注意しましょう。

割引価格で株式を購入できる

立会外分売では、分売が実施される前営業日の終値から数%割引ディスカウントされた価格で購入申し込みを行えます。

一般的に、前営業日終値より2〜3%程度割安な価格が設定されるため、株式相場が変わらなければ、市場で購入するよりも投資家にとっては有利となるでしょう。

分売実施日分売実施銘柄前営業日終値分売価格割引率
2022/5/30はごろもフーズ3,085円2,993円2.98%
2022/8/4GameWith398円387円2.76%
2022/8/29エプコ654円631円3.51%
2022/9/1サカイ引越センター4,605円4,467円2.99%

出典:楽天証券「立会外分売の過去の取り扱い実績:2022年度」

申し込みから購入までがスムーズ

IPOの場合は、購入するまでに抽選申し込みや抽選結果の確認、購入申し込み手続きというような複数のステップを踏む必要があります。

購入したいと思っても実際に購入できるまでには日数がかかり、その都度証券会社のホームページをチェックしなくてはいけないため手間がかかります。

一方、立会外分売では、分売実施日の前営業日の夕方頃から当日の朝までが申込期間として設定されており、IPOに比べると購入までの流れがスムーズです。

申し込んだ後すぐに当選したかどうかがわかるため、資金を長く確保しておきたくないという人にとってはメリットとなるでしょう。

分売実施日の当日に株式の購入申し込みを行い、その日の取引時間開始後すぐに売却することもできるため、短期間で利益を狙う取引も可能です。

立会外分売のデメリット

立会外分売のデメリット

一方、立会外分売にはデメリットもあります。

希望者多数の場合は抽選になる

IPOと同様、立会外分売で売り出される株式数は限られています。

希望者が多数の場合は抽選となるため、購入申し込みをしたからといって必ずしも購入できるわけではありません。

人気のある銘柄は倍率が高くなるため、なかなか購入できないということもあるでしょう。

必ず儲かるわけではない

立会外分売では、分売実施日の前営業日終値から2〜3%程度割引された価格で購入申し込みを行えます。

市場で購入するより有利な価格で購入できたとしても、取引開始後に株価が下がるリスクがあります。

特に、取引開始後は購入してすぐに利益確定を行おうとする人も多いため、売り注文が増えやすい点に注意が必要です。

開催告知から実施までの期間が短い

立会外分売の購入申し込み期間は、分売が実施される前営業日の夕方頃から分売実施日当日の朝までと限られているのが一般的です。

分売予定は、分売実施日の1〜2週間前に発表されることが多いため、こまめに証券会社やJPX(日本取引所グループ)のサイトをチェックする必要があります。

立会外分売は常に実施されているわけではなく、申し込みの受付時間も短いため、忙しい人には申し込みのハードルが高いかもしれません。

立会外分売は儲かる?

立会外分売は儲かる?

立会外分売は、通常の株式投資と比較するとローリスク・ローリターンな投資方法と言われることがあります。

立会外分売の対象となる株式は、前営業日の終値よりも2〜3%程度割り引いた価格で売り出されるのが一般的です。

そのため、株式市場に大きな動きがなければ、分売が実施された当日に株式を売却してしまえば、割引された分を利益として受け取りやすくなります。

立会外分売を実施した銘柄が、その後株価上昇を続ける可能性もあるため、長期保有目的で購入した場合も、その後ホールドし続ければ大きなリターンにつながることもあります。

ただし、いつも分売実施銘柄があるわけではなく、購入を申し込んだとしても必ず買えるとは限らないため、自分の好きなタイミングで自由に売買できるわけではない点に注意しましょう。

いずれにせよ、短期的に大きな利益を出すものでない投資手法といえます。

立会外分売で購入できる証券会社

立会外分売で購入できる証券会社

立会外分売を申し込むためには、証券会社の口座が必要です。

株式投資ができる証券会社であれば、基本的にどの証券会社でも申し込めます。

こだわりがなければ、スマホやパソコンから気軽に申し込みや取引ができるネット証券がおすすめです。

複数の証券会社から申し込めばその分当選確率がアップするため、立会外分売の他に利用したいサービスの充実度や手数料を考慮しながら、自分に合う証券会社の口座を開設しましょう。

楽天証券

申込受付方法インターネット
申込受付時間分売実施前営業日の夕刻(概ね17時15分頃)〜分売実施当日の8時20分
立会外分売手数料0円

楽天証券は、楽天経済圏の強みを生かしてユーザー数を拡大しているネット証券です。

スマートフォンと運転免許証または個人番号カードが手元にあれば、オンラインで口座開設申し込みを完結できます。

立会外分売の情報については、公式サイトの「立会外分売」ページに掲載されます。

過去の取り扱い実績も載っているため、確認しておくと良いでしょう。

楽天証券では、ポイントを貯めながら取引できる「超割コース」や、日の取引金額100万円までは手数料無料で取引できる「いちにち定額コース」など、取引スタイルに合わせた手数料コースが用意されています。

自分の取引スタイルやニーズに合わせてコースを選べるのは大きなメリットです。

出典:楽天証券「立会外分売」

SBI証券

申込受付方法インターネット
申込受付時間分売実施前営業日18時00分〜分売実施当日の8時20分
立会外分売手数料0円

SBI証券は、国内株式個人取引シェアNo.1を誇る大手ネット証券です。

SBI証券の公式サイトからも、立会外分売の取扱対象銘柄や過去の取扱実績を確認できます。

手数料プランは「アクティブプラン(1日定額制)」と「スタンダードプラン」の2種類があり、他のネット証券の手数料率と比較しても、トップクラスに安い手数料水準です。

25歳以下であれば、国内株式現物手数料が0円となっているため、若い世代の株式投資にも適しているでしょう。

出典:株式会社SBI証券「立会外分売のサービス概要」
出典:株式会社SBI証券「25歳以下現物手数料0円プログラム」

マネックス証券

申込受付方法インターネット
申込受付時間分売実施前営業日の夕方〜分売実施当日の8時20分
立会外分売手数料0円

マネックス証券は、手頃な手数料と豊富な取扱商品に強みを持ち、幅広い投資家に利用されているネット証券です。

立会外分売アラートメールというサービスを提供しており、登録しておけば立会外分売の予定発表時と条件決定時にメールで知らせてくれます。

都度自分で分売予定をチェックするのが面倒だと感じる方にとっては、使いやすいサービスでしょう

出典:マネックス証券株式会社「立会外分売」

まとめ:立会外分売とはローリスクローリターンな投資方法

立会外分売とはローリスクローリターンな投資方法

立会外分売は、市場で取引されている価格から数%割引された価格で株式を購入できる投資方法です。

購入時の手数料がかからない、立会外分売によって株式流動性の向上が期待できる、といったメリットもあります。

ただし、大きなリターンは狙いにくい点や、売却時には証券会社所定の手数料が必要な点は、しっかりと理解しておきましょう。

手堅く数%の利益を狙いたいという方は、立会外分売にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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