株取引の代表的な売買方法に、「指値注文」と「逆指値注文」があります。

それぞれの特徴や仕組みについて理解し、適切に使いこなすことが利益を得たり思わぬ損失を防ぐためにも重要です。

この記事では、指値・逆指値注文とはどういうものか、使い方や成行注文との違いなどについて具体例を示しながら解説します。

指値と逆指値注文

指値と逆指値注文

指値注文と逆指値注文は、価格を指定して注文する方法としては同じですが、売買の種類が異なります。

まずはそれぞれの注文方法と、成行注文について解説します。

指値注文とは

指値注文とは、「この価格まで上がったら売り」または「この価格まで下がったら買い」という価格を指定した注文方法です。投資に詳しくない方がイメージする「一般的な売買方法」は、指値注文であることが多いでしょう。

指値注文を設定し、実際のレートが指定した価格に達すると、自動的に取引が成立します。指定した価格に達しなかった場合は、取引成立にはなりません。

指値注文を活用すれば取引の予約ができるので、投資対象の値動きを常に監視する必要はなくなります。現在の価格よりも有利な価格で取引を成立させたいときに便利な注文方法です。

指値取引の例

例えば、ある株が現在100円のとき、「90円で買い」の指値注文をすることにより、現在価格より10円安く買う予約ができます。

また、現在100円の株が110円になったら売りたいとき、「110円で売り」の指値注文をすることにより、現在価格より10円高く売る予約ができます。

指値注文はあくまで予約注文なため、株価が指値に達しなければ取引は行われません。

逆指値注文とは

逆指値注文とは、「この価格まで上がったら買い」または「この価格まで下がったら売り」という価格を指定した注文方法です。

指定した価格に到達したときの取引が、指値注文と「逆」の売買になります。指定の価格以上で買いたい場合や指定の価格以下で売りたい場合に便利な注文方法です。

上昇トレンドの株の買うタイミングを逃すことや、下降トレンドの株を売り損ねて損失拡大することを防ぐのに有効な注文方法となっています。

逆指値取引の例

例えば、100円で買った株価が下落していて、これ以上持ち続けているとさらに損失が拡大していくと考えたとします。この場合、「80円で売り」の逆指値注文をすることにより、80円より値下がりする前に売却、損失をマイナス20円に抑えられます。

また、100円で買った株が120円まで上昇しているとき、今後の値動きがわからないため最低でも110円以上で売りたい(利確しておきたい)と考えたとします。この場合「110円で売り」の逆指値注文をすることにより、最低でも差額10円分の利益を確保できます。

逆指値注文も指値注文と同様に、指定した価格まで株価が達しなければ、取引は行われません。

指値と成行注文の違い

指値と成行注文の違い

指値注文と成行注文の違いは、「取引価格を指定するかしないか」です。

このことにより、取引においての優先事項が変わります。指値注文は、指定した価格が優先される取引です。そのため、株価の動き方や注文の入り方によっては順番が後回しになり、取引が成立しないことがあります。

一方、成行注文では取引の成立が優先されます。

例えば、取引時間中に買い注文を出すと、その時に出ている最も低い価格の売り注文と即座に取引が成立します。反対に売り注文を出すと、その時に出ている最も高い価格の買い注文と即座に取引が成立します。

想定していたよりも高く、もしくは安く取引が成立するリスクがあるため注意が必要です。

逆指値注文の使い方

逆指値注文の使い方

逆指値注文は、株価の上昇トレンドと下降トレンドのそれぞれの場合に対応する手段として有効活用できます。

上昇トレンドを見逃さずに買える(逆指値買い)

上昇トレンドの銘柄を買い、さらなる値上がりを狙う投資方法を「モメンタム投資」といいます。逆指値買いは、モメンタム投資を行う際に有効です。「この価格以上になったら買い」といった注文をすることで、買うタイミングを逃してしまうのを防げます。

例えば、現在の株価が100円で、110円まで上がったら上昇トレンドにあると考えるとします。この場合、「110円で買い」の逆指値注文をすることにより、株価が110円になったときに自動的に発注され、取引が行われます。

なお、予想に反して上昇トレンドに乗らず、株価が110円まで上がらなければ、取引は行われません。ボックス相場を抜けたところに逆指値書いを入れておくといった注文が一般的です。

損失の拡大を防げる(逆指値売り)

保有している銘柄が下落して損失が発生している場合、さらなる下落による損失拡大を防ぐために株を売ってしまうことを「損切り」といいます。

逆指値売りは、損切りする際にも有効です。事前に「この価格(トリガー)以下になったらこの価格(指値)で売り」といった注文方法で、売り損ねて損失を大きくしてしまうことや、長期投資で相場を長らく確認していない間の損失を最小限に防げます。

例えば、保有している株が100円で、90円まで値下がりしたらさらに下落する場合に備えて85円で損切りしたいとします。この場合、「トリガー90円で85円の売り」を逆指値注文することにより、90円になったら自動的に発注され、85円まで下落したときに自動的に取引が成立します。

逆指値売りの注意点

トリガーと売却の指値を同じ価格にすると取引が成立しない可能性があるため注意が必要です。株価が下降トレンドになると、多くの投資家が早く手放そうとするため、安い価格での売り注文が一気に増えます。

トリガーと同じ価格の指値は、比較的高い価格の売り注文となるため、取引が成立する順番が後回しになり、希望の価格での取引が成立しない恐れがあります。

確実に損切りしたい場合は、トリガーを決めたうえで売ることを優先して成行注文することが推奨されてます。

指値注文のメリット・デメリット

値注文のメリット・デメリット

指値注文は価格を指定して注文しますが、「価格を指定する」ことにはメリットとデメリットの両方が存在します。

指定した価格で売買できる

指値注文のメリットは、注文後の値動きを監視する必要がないということです。指値注文では、価格を指定した注文を事前に予約できます。そのため、仕事中や外出中など、値動きを頻繁に確認することができない場合でもチャンスを逃さず取引を成立できます。

例えば、ある株を100円で買う指値注文であれば、必ず100円以下でしか取引が成立しません。

反対に、100円で売る指値注文であれば、必ず100円以上でしか取引が成立しません。意図せずに割高な水準で買いが成立してしまうことや、割安な水準で売りが成立してしまうという心配がありません。

現在価格から離れすぎた金額は約定しにくい

指値注文のデメリットは、指定した金額でしか取引が成立しないということです。

現在の価格から離れすぎた価格を指値とすると、予想した通りに相場が動かなかった場合、取引が成立しません。

いつまで経っても注文が約定しないことになるため、金額設定には注意が必要です。このことは、逆指値注文についても同様に当てはまります。

逆指値注文のメリット・デメリット

逆指値注文のメリット・デメリット

逆指値注文にもメリット・デメリットがあるため、それぞれ解説します。

株価の急な上昇・下落時の対策になる

逆指値注文のメリットは、株価の上昇トレンドや暴落に対応できることです。

相場が上がっているときには、上昇トレンドに乗ることができ、上昇の分だけ利益の拡大を狙えます。反対に、株価の暴落時には指定した金額で損切りが行われるため、常に値動きを監視することなく損失を抑えることが可能です。

仮に株価の上昇や暴落が起きず、指定した株価まで変動しなければ、取引は行われないだけです。

ボラティリティが高い銘柄には向かない

逆指値注文のデメリットは、値動き(ボラティリティ)が激しい銘柄に対応しにくいところです。

値動きが激しい銘柄は、上昇トレンドや下降トレンドでなくてもボラティリティが大きいため、逆指値に当たりやすくなります。その結果、指定した価格で取引が成立したとしても、その後の値動きは想定とは反してしまうことも考えられます。

ボラティリティが激しい銘柄に対して、逆指値を活用してトレンドを掴むというのは難しいでしょう。一般的に、逆指値注文は値動きの小さい銘柄に対して、少し広めの価格に設定する使い方が多いです。

成行注文のメリット・デメリット

成行注文のメリット・デメリット

基本的に指値注文のメリット・デメリットの反対が、成行注文のメリットとデメリットに当てはまります。

約定しやすい

成行注文のメリットは、取引成立までの時間が早いことです。「とにかく今すぐに買いたい」「一刻も早く売りたい」ときに有効な手段です。

例えば、株価の暴落時に素早く損切りしたい場合に成行注文を使います。株価が暴落しているときは、多くの株保有者が売り注文を出します。その中で指値注文を行っても、成行注文が優先されて約定の順番が後回しになる可能性があります。その結果、指値した金額で取引が成立しない場合もあるでしょう。

成行注文は、一刻も早く取引の成立を優先させたいときに有効な手段です。

約定する金額がわからない

成行注文のデメリットは、注文時に買付、または売却金額が未確定であることです。

相場が大きく変動しているときには、予想以上に高い価格で買いが成立したり、低い価格で売りが成立することがあります。

日々の取引数(出来高)が少ない銘柄では、注文数が少ないため想定外の価格で取引が成立してしまう可能性があるため注意が必要です。

まとめ:相場の状況や取引の目的に応じて注文方法を使い分けよう

代表的なスマートベータの種類とETF・投資信託

指値注文と逆指値注文、成行注文についてのそれぞれの特徴と使い方を解説しました。

最後に、それぞれの注文方法の活用場面を以下にまとめます。

【指値注文の活用場面】

  • 指定した金額で売買を行いたいとき
  • 値動きを常に監視することができないとき
  • 取引の成立を急がないとき

【逆指値注文の活用場面】

  • 指定した金額で指値注文とは逆の売買を行いたいとき
  • 値動きを常に監視することができないとき
  • 株価の上昇トレンドに乗りたいとき
  • 株価の暴落に備えて、損切りを設定しておきたいとき

【成行注文の活用場面】

  • 早く取引を成立させたいとき

これらの注文方法を理解して取引できるようになると、思わぬ損失リスクを防げたり、買い逃しの防止に繋がります。

自分の取引スタイルに応じてそれぞれの注文を活用しましょう。

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