「オリックス」といえば、プロ野球球団の「オリックスバッファローズ」が有名です。

しかし、元々はリース会社として誕生した企業で、現在は不動産や銀行など多角的に事業を行っています。

「オリックスレンタカー」や「オリックス銀行」などは、私たちの生活にも身近な存在です。

資産運用という面でのオリックスは、株主優待が充実しているという特徴があり、投資対象として人気があります。

この記事では、オリックスの事業内容や株主優待・配当などについて詳しく解説します。

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オリックスは何の会社?

オリックスは何の会社?

※画像出典:オリックス株式会社「オリックスを知る5つのポイント」

オリックスは国内最大の総合リース会社として知られており、リース以外にもさまざまな金融関連事業を手掛けています。

具体的にはどのような会社なのでしょうか。

大手総合金融サービスの企業

オリックスは、オリックスレンタカーをはじめ、不動産や銀行、クレジットカード、プロ野球球団のオリックス・バファローズなど、さまざまな事業を展開している総合金融サービスの会社です。

1964年にリース事業を営む企業として創業し、どんどんと事業の幅を広げていきました。

移りゆく時代の流れに合わせ、常に新しいビジネスを追求し続ける金融サービスグループといえます。

株主優待や配当が人気

オリックスは投資家の間で人気の銘柄です。

株主優待が豪華で、配当も高いことから長期保有したい銘柄として長年注目を集めています。

2022年から2023年にかけては株価が伸び悩んでいますが、これから投資をしたいと考えている方にとっては、比較的買いやすい水準とも言えそうです。

2024年3月で株主優待が廃止される

株主優待の内容が豪華なことで人気があったオリックス株ですが、2024年3月をもって株主優待制度の廃止が発表されています。

2023年3月期と2024年3月期の株主は現在の株主優待を受ける権利が得られますが、2025年3月期以降の株主優待は実施されません。

昨今、日本企業の「株主還元」に関する考え方が変わりつつあり、株主優待を取りやめて配当のみとする企業が増えています。

オリックスもこの流れに乗る形で、今回の株主優待廃止の決定をしたと考えられます。

出典:オリックス株式会社「株主優待制度の廃止に関するお知らせ」

オリックスの株主優待はいつもらえる

オリックスは株主優待人気で個人投資家数が増加

オリックスの株主優待はいつもらえるのでしょうか。

株主優待の詳細について確認していきます。

ふるさと優待と株主優待カードの2つの特典がある

ふるさと優待は、オリックスグループの取引先が扱う商品をカタログギフトにまとめ、その中から好きな商品を1点選べる優待制度です。

ふるさと優待のカタログは7月上旬に届き、商品(優待品)は申し込み後7月中旬〜10月下旬にかけて順次発送されます。

3月末時点での株主に対して年1回提供される株主優待なので、9月末の株主優待では受け取れない点に注意しましょう。

オリックスの株100株以上を3年以上保有し続けると、ワンランク上のカタログギフトを受け取れます。

2022年度のふるさと優待には以下のような商品が用意されていました。

出典:オリックス株式会社「株主優待について」

ふるさと優待(カタログギフト)は7月頃

ふるさと優待は、オリックスグループの取引先が扱う商品をカタログギフトにまとめ、その中から好きな商品を1点選べる優待制度です。

ふるさと優待カタログ自体は7月上旬に届き、申し込み後7月中旬〜10月下旬にかけて順次発送されます。

3月末時点での株主に対して年1回提供される株主優待なので、9月末の株主優待では受け取れない点に注意しましょう。

オリックスの株100株以上を3年以上保有し続けると、ワンランク上のカタログギフトを受け取れます。

2021年のふるさと優待には以下のような商品が用意されていました。

Aコース(100株以上を3年以上継続保有)

  • 山形牛すき焼用
  • オホーツク海産 帆立貝柱10kg
  • 西川 肩口フィット枕2個セット
  • 新米 北海道産ゆめぴりか10kg
  • オリックス・バファローズ野球観戦利用券(1,000円券×10)

など98種類の中から1点を選択

出典:オリックス株式会社「2022年株主優待制度 ふるさと優待(Aコース)」

Bコース(100株以上を3年未満保有)

  • 伊達の牛たん本舗 牛たん詰め合わせ
  • 越前かにめし
  • コイズミ マイナスイオンヘアドライヤー
  • 新米 新潟県産コシヒカリ5kg
  • オリックス・バファローズ野球観戦利用券(1,000円券×5)

など250種類の中から1点を選択

出典:オリックス株式会社「2022年株主優待制度 ふるさと優待(Bコース)」

株主優待カードは7月、12月頃

3月末、または9月末時点でオリックスの株を100株以上保有している株主には、株主カードも送付されます。

株主カードを提示することで、オリックスグループが提供するさまざまなサービスを割引価格で利用可能です。

3月31日時点の株主には株主カードが7月上旬に送付され、9月30日時点の新規株主には12月上旬に送付されます。

株主カードの有効期限は翌年7月31日までとなっていますが、期間中は何度でも利用できます。

2022年度の株主カードで受けられる優待には以下のようなものがありました。

カテゴリ 優待内容
旅館・ホテル オリックスグループが運営する全国27の旅館・ホテルを優待割引にて利用可能
食事 「ふく料理 春帆楼」4店舗でドリンク1杯無料
野球観戦 2023年シーズンのオリックス・バファローズ主催試合を優待価格にて利用可能
水族館 京都水族館・すみだ水族館・新江ノ島水族館を入場料金10%OFFにて利用可能
カーライフ 個人向けカーリース・レンタカー・カーシェアリング・中古車販売の利用料金などの割引を利用可能
ヘルスケア 医療法人DIC宇都宮セントラルクリニックで人間ドック各種コースを優待価格にて利用可能

出典:オリックス株式会社「株主優待について」

オリックスの配当金はいつもらえる?

オリックスの配当金はいつもらえる?

株主優待と合わせて気になるのが配当金です。

オリックスの配当金スケジュールや今後の配当予想について確認していきましょう。

12月(中間)と6月(期末)の2回

オリックスの配当は、基本的に年2回実施されています。

9月末(中間配当)・3月末(期末配当)の権利確定日時点で株式を保有している方に、それぞれ約3ヶ月後の12月・6月に配当金が支払われます。

2022年度の年間配当は85.6円、2023年度の年間配当も同水準の配当を予定しており、安定して配当が支払われている企業ということがわかるでしょう。

  2022年度 2023年度
中間配当(9月) 39円 42.8円(予想)
期末配当(3月) 46.6円 42.8円(予想)
年間配当 85.6円 85.6円(予想)

2023年3月期のオリックスの配当方針は、「配当性向33%もしくは1株あたり通期配当金85.6円のいずれか高い方」となっています。

上記の予想配当は下限の数字となっており、純利益が大きく拡大すれば、予想よりも配当が上がる可能性もあります。

出典:オリックス株式会社「配当方針・配当状況」

2023年の予想配当利回りは約3.74%

2023年の配当については、中間配当42.8円、期末配当42.8円の合計85.6円が会社予想の配当金額とされています。

2023年5月8日の終値2,286円で計算すると、配当利回りは約3.74%です。

2023年4月末時点で東証プライム市場の加重平均利回りは2.33%なので、オリックスは一般的に高配当株式だと言えるでしょう。

出典:株式会社日本取引所グループ「その他統計資料」
出典:Yahoo!ファイナンス「オリックス(株)【8591】:株価時系列」

配当・株主優待の権利確定日は3月末と9月末

オリックスの配当金は、基本的に3月末と9月末の年2回を基準として支払われます。

2023年の権利確定日は、3月31日と9月29日です。

配当金・株主優待券の権利を得たい場合は、権利確定日時点で株を保有している必要がありますが、株は購入してから受け渡しされるまでに2営業日かかります。

つまり、3月31日時点で株を保有するためには、2日前の3月29日までに株式を購入している必要があります。

この株式を購入する期限を「権利付き最終日」といいます。

オリックスの場合、2023年の権利付き最終日はそれぞれ3月29日、9月278日となっており、この日までに株を購入しなければ配当金を受け取ることはできません。

なお、権利付き最終日は配当狙いの投資家からの買い注文が多く、株価が上がりやすい傾向にあるので、直前の購入を検討している方は気にしておきましょう。

オリックスの主な事業内容

オリックスの主な事業内容

オリックスの主な事業内容を確認していきましょう。

  • オリックス自動車
  • オリックス・バファローズ(オリックス野球クラブ)
  • オリックス不動産
  • オリックス生命
  • オリックス銀行

オリックス自動車

オリックス自動車は、「オリックスレンタカー」をはじめとする自動車関連事業を手掛けています。

オリックスのレンタカー部門には、かつては「オリックスレンタカー」「レンタカージャパレン」「エックスレンタカー」の3つのブランドが存在しましたが、2013年にオリックスレンタカーに統合しました。

これ以外にもカーリースやカーシェアリング、中古車販売などの事業も行っています。

リース・レンタカー・カーシェアリングの3つの事業を1社で運営している企業は少なく、自動車に関するあらゆるニーズに応えられるのはオリックス自動車の強みといえるでしょう。

出典:オリックス自動車株式会社「オリックス自動車の歴史」

オリックス・バファローズ(オリックス野球クラブ株式会社)

プロ野球チームであるオリックス・バファローズを運営しているのは、実は「オリックス野球クラブ株式会社」という会社です。

もちろんオリックスのグループ会社で、1988年10月に設立されました。

当初の球団名は「オリックスブレーブス」でしたが、その後「オリックスブルーウェーブ」に変更され、2005年に大阪近鉄バファローズと統合して現在の「オリックス・バファローズ」になりました。

出典:バファローズってなんなん?「Bの歴史」

オリックス不動産

オリックス不動産は、不動産投資・開発事業や住宅関連事業、施設運営事業などを手掛ける不動産会社です。

不動産投資・開発事業としては、JR大阪駅北側の大型複合施設である「グランフロント大阪」や約4.5haの都市公園を含む大規模な街づくりプロジェクトである「うめきたプロジェクト」などが挙げられます。

住宅関連事業としては、ライオンズマンションなどのシリーズをはじめとする分譲住宅事業や、環境に配慮した物件開発などに注力しています。

このほかにも、京都水族館やすみだ水族館、箱根・強羅佳ら久といったレジャー・宿泊施設も、オリックス不動産が運営する施設です。

出典:オリックス不動産株式会社「不動産投資・開発事業」

オリックス生命

オリックス生命は、生命保険や医療保険のほか、貯蓄性の高い外貨建保険なども幅広く取り扱う保険会社です。

個人保険の保有契約件数は2021年3月末で470万件を突破するなど、多くの人に選ばれていることがわかります。

インターネットなどで手軽に申し込むことが可能なので、普段忙しくなかなか時間が取れないという人も簡単に保険に申し込める点はメリットでしょう。

どんな保険を選べば良いかわからないという場合は、保険のプロに来店や訪問などで相談しながら選ぶことも可能です。

出典:オリックス生命保険株式会社「業績・健全性」

オリックス銀行

オリックス銀行は、オリックスグループの傘下にあるネット銀行です。

店舗やATMなどを設置しないことによって運営コストを削減し、高水準の金利を提供しているところに強みを持っています。

例えば、インターネット取引専用預金であるeダイレクト定期預金の場合、2023年5月8日時点の預金金利は以下のとおりです。

1年もの 3年もの 7年もの
年0.15%
(税引き後年0.119%)
年0.22%
(税引き後0.175%)
年0.35%
(税引き後年0.278%)

これに対し、メガバンクである三菱UFJ銀行のスーパー定期の金利は、預ける期間にかかわらず年0.0020%となっています。

なるべく高い金利の銀行にお金を預けたいという方には、オリックス銀行は選択肢の一つとなるかもしれません。

出典:オリックス銀行株式会社「eダイレクト預金」
出典:株式会社三菱UFJ銀行「円預金金利」

まとめ:オリックスは総合金融サービスを担う会社!長期投資におすすめ

オリックスは総合金融サービスを担う会社!長期投資におすすめ

オリックスは、世の中のニーズに合わせて常に新しい事業やサービスを模索している企業です。

自社グループで幅広く事業を行なっているからこそ、充実した株主優待や高水準の配当が実施できるのかもしれません。

特にオリックスの株主優待は、3年以上の長期株主が優遇を受けられる仕組みとなっています。

長期保有目的で株式投資を始めたいと考えている方には、おすすめの投資対象といえるでしょう。

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