賃貸と持家はどっちがお得なのか?人生で一番大きい買い物と言われる住宅購入で悩まれる方も多いと思います。賃貸で住み続けることと持家を購入することはそれぞれどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

また、どのような人が持家を購入したほうが良いのでしょうか、詳しく見てみましょう。

賃貸、持家はどっちがお得なのかは正解がない?

賃貸と持家はどちらがお得なのか。結論を言うと「正解は無い」が答えになります。賃貸と持家はそれぞれメリットとデメリットがあり、その方の考え方やお仕事の状況、家族構成や家計の状況によって受ける影響度が異なるからです。

全ての方にとって持ち家が良い、賃貸が良いなどの画一的な正解があるわけではなく、ご自身にとっての正解を選ばなければいけません。では、どのようなことを考慮して賃貸で住み続けるか、持ち家を購入するかを判断すれば良いのでしょうか。

持家を購入して将来どうなりたいのか

持家の購入を検討される方はまず、持家を購入してご自身やご家族が将来どうありたいか、どのような生活を望むかを考えましょう。持家を購入した場合、通常その家に10年、20年と住むことになります。今、最適な家が将来最適な家とは限りません。

持家を購入する場合は「今」と「将来」を両方考慮して、経済的な面、購入する場所、エリア、間取りなど総合的に判断しましょう。賃貸で住み続ける場合も同様です。将来賃貸で住み続けることに対して、金銭面など、将来の生活を考慮して最適な選択なのかを再度検討してみましょう。

持家と賃貸それぞれのリスクを回避できるかどうか

持家と賃貸にはそれぞれリスクがあります。持家を購入する場合は欠陥住宅を購入してしまうリスクや将来の資産価値が下がるリスク、また、選択する住宅ローンの金利タイプによっては金利上昇リスクが考えられます。

一方、賃貸の場合は将来不動産価格が上昇してしまい、持ち家を購入しようとしても難しくなってしまうリスクや、家賃が上昇して生活費が圧迫されてしまうリスクがあります。

それぞれのリスクを想定しながら、もしそのリスクが現実になった場合でもどういった対応ができるのか、問題なく生活ができるか否かをよく考えておく必要があります。

「賃貸」を選ぶメリット・デメリット

賃貸に住み続ける場合、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

「賃貸」のメリット

場所に縛られない

場所に縛られないことは賃貸で住み続けることの大きなメリットです。会社員であれば、転勤や異動に伴い職場が変わることもあります。また、場合によっては、転職などによって勤務地が変わる場合もあるでしょう。

そういった場合、持家の場合、家族はその場所を離れられず、夫が単身赴任となるケースもあり、状況によっては、売却することや賃貸に出すことを検討しなければなりません。

また、持家の場合、住宅は資産でもありますが、自然災害や土壌汚染などがあった場合、住宅の資産価値が下がり、結果的に価格自体が大きく値下がりしたり、住宅そのものを手離せなくなったりする(売却できなくなる)リスクもあります。

その点、賃貸の場合、自然災害などがあっても、引っ越すことで持家と比べると住環境も変えやすいと言えます。このように、場所に縛られることなく、そのときの最適な場所に住むことができることが賃貸の大きなメリットです。

トラブルは管理会社や大家さんが対処してくれる

賃貸の場合、設備の故障などトラブルが起こった場合、管理会社や大家さんが対処してくれる点もメリットの1つです。近隣の騒音などがあってもご近所の方に直接抗議することはなかなか難しいですが、賃貸であれば管理会社や大家さんが対処してくれます。

維持管理の費用や固定資産税がかからない

賃貸の場合、使用する設備も借りているものですので、経年劣化による故障等は大家さんの負担で修理してくれます。つまり、持家の場合と異なり、リフォームや設備の維持管理費がかかりません。ただし、通常の使用方法では起こりえないような故障や汚れが出た場合は、費用面も含めて借主が負担しなければならない場合もあります。

また、持家では必要となる固定資産税などは貸主の負担となるため、借主は払う必要はありません。固定資産税等のランニングコストがかからない点も賃貸のメリットです。

「賃貸」のデメリット

賃貸のメリットを見てきましたが賃貸のデメリットはどのような点があるのでしょうか。具体的に確認しましょう。

ペット飼育、リフォームなどの制約がある

賃貸の場合はペットの飼育やリフォームの内容などさまざまな制約があります。賃貸の場合、借主の好きな部屋にカスタマイズすることは出来ませんので、部屋の間取りや内装にこだわりたい方には不向きです。

一生必要なコストになる

ずっと賃貸に住み続ける場合は家賃を払い続けることになりますので、そのためのコストが必要になります。家賃は将来の不動産価格の上昇などにより上がる可能性もあります。一概には言えませんが、一般的には、同じ土地に住み続けるのであれば、持家を購入するほうが賃貸で住み続けるよりも安くなると言われています。

持家の場合、住宅ローンを完済した後は、固定資産税やリフォームなどの維持費だけになりますが、賃貸の場合、家賃をずっと払い続ける必要があります。
持家の購入は大きな買い物ですが、一生賃貸で住み続けるためのコスト負担も大きいことを認識しておきましょう。

老後に備えた住居費の資金が必要になる

また、賃貸の場合、老後の住居費用を準備しておく必要があります。平均余命が年々長くなっているなか、リタイア後に年金だけで家賃と生活費を払うことは難しいので、それまでの貯蓄を取り崩していくことになります。

持家を持たない選択をした場合はサービス付き高齢者住宅などへの入居も検討して、老後の住居費用はしっかりと確保しておく必要があるでしょう。

「持家」を選ぶメリット・デメリット

ここまで、賃貸のメリット・デメリットを見てきました。では、持家の場合のメリット・デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。確認してみましょう。

「持家」のメリット

持家を購入する場合のメリットについて、具体的に確認してみましょう。

精神的な満足感が得られる

持家を持つことは精神的な満足感を得ることができます。仕事が終わって自分の家に帰るということはやはり良いものです。持家に対して払う住宅ローンと借家に対して払う家賃では同じ経済的負担でも精神的な満足感が違うと感じる方も多いようです。いずれかは自分のものになるか否かは、同じ住居費の負担でも違う意味合いを持ちます。

制約がなく、自由に暮らせる

持家は自分の所有になるので、賃貸のような制約はありません。リフォームやリノベーション、建替えなども自分の思い通りにできるので、個性的な間取りや、こだわりのある部屋にしたい方は持家でないと難しいでしょう。

他人に貸すことで収益も得られる

万が一転勤などで暮らすことが出来なくなった場合も、人に賃貸することで収益を得ることができます。人気のエリアであれば借りては見つかりやすいでしょう。ただし、住宅ローンは、本人が居住することを前提としています。住宅ローン返済中に人に貸す場合は、金融機関によって対応は異なりますが、人に貸すことが可能かどうか、適用金利が変わるなどの条件変更がないかなど確認が必要です。

住宅ローンの返済額より高い家賃で貸すことができれば収益が生まれる可能性もあります。

資産としても考えられる

持家を持つことは不動産という資産を持つことでもあります。建物の価値は、年々経年劣化により価値は下がっていきますが、土地の資産価値は、地域によって上がることもあります。

近所に新駅が建設されることによる交通利便性の向上や、周辺に大型ショッピング施設などが出来て生活利便性が上がり、購入時より資産価値が上昇することもあり得ます。

ただ、資産価値が上昇しなくても、将来売却したり、人に貸したり、もしくは担保としてお金を借りたりすることができれば、経済的な意味でもさまざまなリスクヘッジにもなりうります。

「持家」のデメリット

次に、持家を購入する場合のデメリットを具体的に見ていきましょう。

その場所に縛られる

持家を持つことにより容易にその場所からは離れられなくなります。転勤などで勤務地が遠くなった場合や地震などの自然災害やご近所トラブルなどがあった場合も、住宅ローンの返済などあるとすぐに売却して引越しというわけにはいきません。

特に自然災害や凶悪事件がその土地で起きた場合は、住宅の価格も大きく値下がりする可能性もあるため、売却することも難しくなってしまいます。持家を購入する場合、ハザードマップ(国土交通省)などと使ってその場所の自然災害などのリスクや、将来にわたって住み続けることができる土地かという点をよく考えてから購入する必要があります。

住宅ローンが支払えなくなる可能性がある

住宅ローンは長期間の返済を前提とする大きな借入ですので、途中返済が厳しくなったり、返済ができなくなったりするリスクがあります。現在の日本は超低金利ですが、変動金利タイプなどの住宅ローン商品だと金利上昇により支払い額が大幅に増える可能性があります。

また、住宅ローンは借入時点の収入を前提に借入金額を決めることがほとんどですが、将来会社の経営状態や自分自身の病気やけがなどの理由で収入が減る、または0になってしまう可能性もあります。そのような場合に備える住宅ローン団体信用生命保険の特約もありますが、住宅ローンの支払いが厳しくなる可能性があります。

住宅ローンを組む場合はそういったリスクも考慮しつつ、将来必要な資金を考え、購入後も無理なく生活できる。借入金額や返済計画を考えるべきです。

家族構成が変わる可能性がある

持家を購入後、時間の経過とともに購入時の間取りが合わなくなる可能性があります。子どもが独立して家を出たり、離れて暮らす親と同居したりするなど、その家の家族構成が変わる可能性があります。

その時リフォームやリノベーション、増減築あるいは建替えということも可能ですが、当然そのための費用は必要となります。また、マンションの場合は、間取りを変更するといっても、管理規約や構造上制約がでてきます。

持家を購入する前に!こんな人は持家を購入してはいけない

どうせ住居費を払うのであれば持家を購入したいと考える方も多いと思います。ただ、あまり持家の購入を考えないほうが良いという方もいます。注意点を確認しておきましょう。

①将来、転職や転勤が考えられる人

将来転職や転勤などにより勤務地が変わる可能性がある方はあまり家を購入しないほうが良いでしょう。勤務地から極端に遠くなると、時間的にも体力的にも大きな負担となります。家族がいる方は単身赴任となってしまい、家族とは離れて暮らすことになる可能性もあります。

また、そういったことも考慮して、勤務地にアクセスしやすいターミナル駅で住宅を購入するとなると物件価格も高くなります。

②支払い、頭金など金銭面に余裕がある人

毎月の住宅ローンの支払いや頭金などの自己資金に不安がある方も持家を購入することはおすすめできません。持家を購入後も住宅ローン返済以外に子どもの教育費やリフォーム費用など必要なお金はあります。

また、自己資金が少なく借入金額が大きくなると、金利上昇の影響や収入が減ってしまった場合の影響が大きく、支払いができなくなってしまいます。余裕を持った資金計画、返済計画を立てることが難しい方は持家を購入しないほうが良いでしょう。

賃貸、持家どっちにするか誰に相談すればいい?

賃貸にするか持家にするか悩んときに、誰に相談すれば良いのでしょうか。

不動産屋さん

まずは住宅を扱うプロである不動産屋さんに相談することが考えられます。
ただ、住宅を購入するにしても借りるにしても、不動産屋さんは売手の立場で相談するしかありません。

これまで挙げたように、持家を買うにしても賃貸で住み続けるにしても、メリット・デメリットがあります。売買の仲介をする担当者は、売買のメリットを説明されますし、賃貸を仲介する担当者は賃貸のメリットもしくは売買のデメリットを説明されるかもしれません。

ですので、賃貸物件と売買の両方を取り扱っている不動産屋さんに賃貸と売りに出している物件を両方紹介してもらい、条件が希望とあっている方を選ぶのも良いでしょう。

持家を購入した知り合い(返済が困難な人)

実際にマイホームを購入した方に相談するのも1つの方法です。そして、可能であれば、持家を購入したが住宅ローンの返済が難しくなっている方などに相談できれば参考になります。子どもの成長による教育費の増加や収入の減少など、どのような理由で支払いが困難になっているか、リアルな話を聞けると思います。

持家を購入した知り合い(支払いが順調な人)

逆に、問題なく住宅ローン返済ができている知り合いにも聞いてみましょう。住宅ローンを借りた金融機関や契約した住宅ローン商品、購入時に重視したポイントなどを聞くと参考になります。成功の秘訣を聞くことでご自身の判断のヒントになります。

FP

住宅のような大きな買いのものをする場合、ファイナンシャルプランナーに相談してみるのも1つの手です。ひとりひとり家族構成や経済状況が異なるために、一律に持家・賃貸どちらが良いとは言えません。その点、ファイナンシャルプランナーは、ひとりひとりの収入や支出、貯蓄、家族構成を考慮しながら、購入後のライフプラン含め相談することができます。

あなたの状況を踏まえて持家を購入するべきか否かの相談にのってくれるので、力強い相談相手となります。ただし、ファイナンシャルプランナーの中でも、住宅に強い方とそうではない方もいるので、可能であれば住宅に強い専門家に相談することができればより良いです。

相談する相手によって答えは異なる

誰かに相談するにしても、相談する相手によって答えは異なってきます。その方の立場や考え方、価値観によって答えが変わってくるからです。ただ、複数の方と相談をしてみることで、さまざまな視点や選択肢を得られるので、それらを総合的に判断して決めるということも良いでしょう。ただし、最後に決めるのは自分自身です。

最後に

持家を購入するか、賃貸に住み続けるかは人生を左右する大きな決断です。全ての方にあてはまる正解はありませんが、それぞれのメリット、デメリットを整理することで自分にとって正しい選択ができる可能性が高まります。

ご自身の家族構成や経済状況、将来設計などを総合的に考えて判断しましょう。

監修者:あなたの住宅購入相談室:吉満 博(不動産コンサルタント)