厚生労働省の調査によると、一世帯あたりの平均収入は552.3万円でした。

年収900万円もある方は、平均よりもかなり多い収入といえるでしょう。

平均よりも年収が多いため、年収をベースとした家賃相場も高くなります。

この記事では、年収900万円の方の家賃相場の目安を、家族構成や手取り金額などの要素と絡めて解説します。

現在年収900万円の方、年収900万円の世界を垣間見たい方は参考にしてください。

出典:厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況 Ⅱ 各種世帯の所得等の状況 」

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年収900万円の家賃相場

年収900万円の家賃相場

家賃15万円〜20万円前後が相場

年収900万円の家賃相場は、大体15万〜20万円前後とされています。

独身の方であれば、家賃に15万〜20万円前後のお金を使った上で趣味や娯楽に贅沢できる余裕があるでしょう。

夫婦二人暮らしの場合でも、年収900万円ならある程度は贅沢できます。

ただし子育て世帯の場合、生活費の増加や学費・習い事の費用、将来の教育費準備などを踏まえると、家賃15万円〜20万円前後で生活する場合、あまり贅沢はできないかもしれません。

教育費やマイホーム、老後生活などの資金を準備しつつ贅沢もしたいという場合は、家賃を抑えることを検討した方がいいでしょう。

家賃は年収ではなく月収をベースに決める

勤め先にもよりますが、ボーナスは支給義務が無いケースが多く、支払われる金額も会社の業績やその時々の状況によって異なるため月収ほどの安定性はありません。

最近では新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響が原因で、ボーナスの支給額が減少した、あるいは支給されなかったという事例もあります。

勤め先の業績だけではなく、ボーナスには個人の成績も反映されるため、平時であっても支給額にバラつきが生じる可能性があるでしょう。

仮にボーナスを含む年収で家賃を考える場合、何らかの原因でボーナスの支給額が減ると家賃の支払いが重くのしかかるケースが想定されます。

そのため、ボーナスの減額があった際でも家賃の支払いが家計を圧迫しないように、家賃は月収をベースに決めた方がいいといえます。

年収900万円の手取り金額

年収900万円の手取り金額

年収とは「額面給与」と呼ばれるもので、私たちが1年間に実際に受け取る金額の総額ではありません。

私たちが実際に受け取れる金額は「手取り」と呼ばれるものです。

手取りとは、額面給与から控除を引いた金額のことをいいます。

ここでは、年収900万円の手取り金額について解説します。

手取り年収は約650万円程度

年収900万円の手取り年収は、およそ620万〜680万円ほどです。

平均すると、約650万円になります。

手取り年収は扶養家族の人数や各種税金、社会保険料などによって異なってくるため、同じ年収900万円の人でも手取り金額は異なるという場合は往々にあります。

例えば「ふるさと納税」を行った場合、寄付金の一部が所得税・住民税から控除されます。

そのため、ふるさと納税を行っていない方と比較すると、手取り年収は多くなります(実態は、ふるさと納税分を前年度に前払いしている形になります)。

他にも「住宅ローン控除」や「医療費控除」などを活用していると、手取り年収は多くなります。

手取り月収は約46万円程度

年収900万円の実際の手取り月収は、ボーナスの回数や支給額によって異なります。

例として手取り年収が650万円、ボーナスの支給回数は年2回(それぞれ給与1ヶ月分)の場合を考えます。

650万円 ÷ (12ヶ月 + 2ヶ月) = 約46.4万円

一人暮らしはもちろん、二人暮らしの場合であっても家賃20万円のお部屋に住んだとして26万円が残るため、余裕があり贅沢な暮らしができます。

家賃を含む固定費を抑えれば、毎月10万円を超える金額を貯蓄に回すこともできるでしょう。

子育て世代の場合でも、大きな贅沢をしなければゆとりのある暮らしが可能です。

しかし、お子さまの成長に伴い養育費や教育費など必要なお金は増えるため、早いうちから貯蓄や資産運用を始めることをおすすめします。

ボーナス支給回数と金額に応じた手取り月収

手取り年収650万円として、ボーナスの回数、支給額ごとの手取り月収の目安を簡単にまとめてみました。

年収900万円の仕事を目指す際の参考にしてください。

回数/支給額 手取り月収
1回/1ヶ月 50万円
1回/1.5ヶ月 約48万円
1回/2ヶ月 約46万円
1回/2.5ヶ月 約45万円
2回/1ヶ月 約46万円
2回/1.5ヶ月 約43万円
2回/2ヶ月 約41万円
2回/2.5ヶ月 約38万円

年収900万円にかかる税金

年収900万円にかかる税金

お給料から差し引かれる税金や社会保険料の総額は、さまざまな条件によって変動します。

そのため同じ年収900万円の方であっても、人によって税金や社会保険料の金額は異なります。

ご自身が負担している税金・社会保険料の金額を知りたい方は、給与明細を確認してください。

ここでは「扶養家族なし・特別な控除なし(ふるさと納税など)」の場合で、年収900万円にかかる税金を試算します。

社会保険料は、厚生年金保険・健康保険料・介護保険料(40歳以上)・雇用保険料の4種類の合計額です。

各種税 税金
所得税 64万円
住民税 54万円
社会保険料 130万円
控除額合計 248万円

上記の例では、年収900万円のうち約1/4が税金・社会保険料として天引きされていることがわかります。

天引きされる金額が大きいため、ふるさと納税やiDeCoを活用して節税を意識してみるのもおすすめです。

年収900万円ならどんな家に住めるか

年収900万円ならどんな家に住めるか

ワンルームや1Kならタワマンも視野に

お部屋があるエリアや間取りにもよりますが、一人暮らしで家賃に15万〜20万円使えるのであればタワマンも視野に入ってきます。

タワマンのメリットとして周辺環境の良さや共用施設の充実、セキュリティの高さなどが挙げられます。

年収900万円の方であれば、相当贅沢な条件でない限り無理なくタワマンにも住めるでしょう。

郊外ならファミリー向け物件も

夫婦共働きでお子さんがいるご家庭では、子育て環境に充実した広い家を希望する方もいらっしゃるでしょう。

そのようなご家族には、郊外のファミリー物件がおすすめです。

年収900万円で家賃に毎月15万〜20万円ほど使えるのであれば、多摩市や八王子市など東京郊外にある3DK・3LDKのファミリー向け物件に住めます。

東京近郊の他県では、神奈川県の藤沢市や埼玉県の三郷市、千葉県の船橋市など、都心への通勤も可能なエリアのファミリー向け物件も選択肢に入ります。

一戸建てやマンションの購入も視野に入れたい

年収900万円の方であれば、住宅ローンを利用して一戸建てやマンションの購入も現実的です。

金融機関にもよりますが、一般的な住宅ローンの借入可能額の目安は年収の5〜6倍といわれています。

年収900万円であれば、4,500万〜5,400万円です。

住宅金融支援機構の「2020年度 フラット35利用者調査」によると、マイホームの所要資金の全国平均は土地付注文住宅で4,397万円、建売住宅で3,495万円、マンションで4,545万円でした。

また、マイホームではなく投資用不動産を購入し、不動産投資を行う選択肢もあります。

不動産投資では、購入した不動産を貸し出して家賃収入を得られます。

家賃収入は安定した収入源になりやすいため、本業以外の収入源として老後の資産形成としてもおすすめです。

出典:住宅金融支援機構「2020年度 フラット35利用者調査」

年収900万円の生活レベル

年収900万円の生活レベル

一人暮らしなら十分な貯蓄ができる

一人暮らしの方で年収900万円の方であれば、毎月の家賃に15万〜20万円ほど使ったとしても十分な貯蓄ができるでしょう。

毎月の手取りを46万円と仮定しても、自由に使えるお金は26万〜31万円あります。

総務省統計局の2020年の「家計調査報告(家計収支編)」によると、住居費を除いた一人暮らしの方の消費支出の平均は約13万円です。

毎月の支出が平均程度と仮定しても、毎月13万〜18万円ほど貯蓄できます。

仮に家賃相場よりも高いお部屋に住んだり、趣味に多くお金を使ったりしても、一人暮らしの方であれば毎月10万以上の貯蓄も実現可能です

出典:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要」

子育て世代は資産運用で将来に備えたい

子育て世代の場合、将来的に子どもにかかるお金を考えると資産運用を検討してみてもいいかもしれません。

お子さんの進路にもよりますが、私立の学校に通う場合、公立の学校に通う場合と比較して多くの資金が必要になります。

教育費はお子さんが成長するにつれてより多くの費用がかかるため、お子さんが小さい頃から計画的に準備することをおすすめします。

幼稚園〜高校までの学費の平均額

学年 国公立 私立
幼稚園(3年間) 約65万円 約158万円
小学校(6年間) 約193万円 約959万円
中学校(3年間) 約146万円 約422万円
高校(3年間) 約137万円 約290万円
大学
(入学金 + 授業料)
約243万円 約387万円
合計 約784万円 約2,216万円

参考:文部科学省「平成30年度子供の学費調査の結果について」
参考:文部科学省「国公私立大学の授業料の推移」

資産運用で資産を増やそう

一人暮らしの方であれば家賃を含む固定費を削減したり、趣味などの変動費を抑えて資産運用に回す資金を増やすと、将来的に「FIRE」や」サイドFIRE」の達成も現実的です。

先ほども解説しましたが、子育て世代の場合は将来の教育費のために資産運用が有効です。

また、お子さまのための資金に加えて老後の資金も準備する必要があります。

ここでは、資産運用を始めるにあたっておすすめの制度である「積立NISA」と「iDeCo」について簡単に解説します。

積立NISA

積立NISAとは、少額・積立・分散投資を支援するための制度です。

対象商品は手数料が低水準で、分配金が頻繁に支払われないなど、国が認めた長期・積立・分散投資に適している投資信託に限定されています。

本来であれば利益の20.315%に税金がかかるところ、積立NISAであれば非課税になるのも特徴です。

年間の投資上限枠は40万円なので、毎月投資できる金額は約33,333円までとなっており、年収900万円の方なら上限まで投資しても大きな負担にはならないでしょう。

投資経験がある方はもちろん、投資初心者の方にも利用しやすい制度となっていますので、まずは積立NISAから検討するのがおすすめです。

iDeCo(イデコ)

iDeCoとは、公的年金だけでは不足する老後資金を補うために、個人で運用する「私的年金制度」です。

積立金額は毎月5,000円から1,000円単位で上乗せ可能で、上限額は職業などによって異なります。会社員の方は最高で23,000円です。

iDeCoのメリットは積立金額が全額所得控除の対象となる点で、投資をしながら毎年の所得税と住民税を節税できます。

ただし、iDeCoで運用している資金は原則60歳になるまで引き出しできない点に注意が必要です。

「老後資金以外には利用できない」と考えた方がいいでしょう。

老後資金を積み立てながら節税にもなるメリットと、60歳途中引き出しができないデメリットを考慮に入れつつ運用を検討してみてください。

まとめ:年収900万円の家賃相場は15万円〜20万円前後

年収900万円の家賃相場は15万円〜20万円前後

年収900万円の方の場合、家賃相場は15万円〜20万円前後です。

手取り月収で約46万円ほど見込めるため、一人暮らしや夫婦二人暮らしの方なら15万円〜20万円前後を家賃に使ってもゆとりのある生活を送れるでしょう。

ただし、子育て世代の場合は生活費としてかかる費用が多い点、将来の教育費の準備が必要な点などを踏まえると、あまり贅沢な暮らしはできないかもしれません。

一人暮らしの方から子育て世代のご家庭まで、年収900万円の方には資産運用をおすすめします。

支出をコントロールし、貯蓄・資産運用に回せる資金を増やすと理想のライフプランを実現できるでしょう。

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各年収帯の家賃相場と生活レベル
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