家賃は家計の出費において大きな割合を占めます。「家賃補助があると助かる」とお考えの方も多いでしょう。

「家賃補助制度」としてよく知られているのは、会社の福利厚生制度の一つである「住宅手当」です。

他には自治体による家賃補助制度が存在します。

この記事では、家賃補助制度の仕組みや特徴、会社の住宅手当以外にどのような家賃補助制度があるのかを紹介します。

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家賃補助制度を受ける方法は3種類ある

家賃補助制度を受ける方法は3種類ある

賃貸住宅を借りるにあたっては、会社や自治体から家賃補助を受けられることがあります。

代表的な家賃補助制度は、下記の3つです。

  • 会社からの家賃補助(住宅手当)
  • 自治体からの家賃補助制度
  • 特定優良賃貸住宅の家賃補助制度

これらの制度は家賃を助成する主体がそれぞれ異なっており、受給条件や対象者も違います。

3つの制度それぞれについて、詳しく解説します。

会社からの家賃補助制度

会社からの家賃補助制度

少し古いデータではありますが、2015年に厚生労働省が実施した「就労条件総合調査」によると、住宅手当を支給している会社は全体の40.7%というデータがあります。

思いのほか多いことがわかりますが、会社が家賃補助に力を入れているのには様々な理由があるようです。

出典:厚生労働省「平成27年就労条件総合調査結果の概況」

福利厚生の一環

会社の家賃補助制度は「法定外福利厚生」にあたるため、導入するかどうかは会社の任意です。

しかし、住宅手当を導入することは会社のイメージアップや離職率の低下、従業員のモチベーションを保つことにつながるといった理由から導入している会社も多いです。

会社が実施する他の法定外福利厚生制度には、「通勤手当」や「家族手当」などがあります。

これらの制度も、従業員の経済的負担を緩和して会社に定着させるために設けられています。

少子高齢化に伴い労働人口が減少していくなかで、人材の確保は会社の急務です。

家賃補助制度に魅力を感じて興味を持ってもらったり、競合との待遇差別化に利用できるなど、会社側の目線でもメリットが大きい制度といえます。

受給条件は会社によって異なる

家賃補助制度を導入するかしないかはもちろん、支給額や受給条件についても各会社が自由に決められます。

基本的には賃貸住宅に住む正社員が世帯主であれば、支給されることが多いです。

しかし、会社によっては

  • 会社から◯km以内の物件
  • 会社の最寄り駅から◯駅以内の物件
  • 同棲の場合はNG
  • 上限支給額額が単身者は◯万円、2人以上世帯は◯万円まで

というように条件や規定が違うため、詳細については会社に確認することをおすすめします。

また、家賃補助の代わりに「社宅」を提供している会社もあります。

社宅にも家賃補助と同等のメリットがありますが、会社が定めた条件内からしか物件を選べないというデメリットもあります。

家賃補助の平均額(相場)は17,000円

2015年の厚生労働省の調査によると、住宅手当の平均額は17,000円です。

企業規模が大きい会社ほど、家賃補助額が高くなる傾向があります。

一律額で支給する場合もあれば、上限を設けつつ家賃に応じて一定の割合で支給する場合もあり、支給の基準は会社によってさまざまです。

注意点として、家賃補助はあくまでも福利厚生の一環であるため、業績悪化に伴って減額されたり廃止されたりする可能性があります。

近年はテレワーク普及の影響もあり、住宅手当を支給する会社は減少傾向にあるようです。

急に「来月から制度が廃止になります」ということは考えづらいですが、普段から家賃補助制度に頼りすぎない生活を心がけておくことも大切です。

出典:厚生労働省「平成27年就労条件総合調査結果の概況」

家賃補助にも税金がかかる

家賃補助は、従業員と家主である不動産業者が直接契約をすることになるため、会社から従業員に対して給与と一緒に「手当」として支給されるのが一般的です。

つまり、家賃補助も給与と同じく所得税の課税対象となります。

所得税は、年収と住宅手当を合算した所得金額に応じた税率で税額が徴収される仕組みです。

課税される所得金額が195万円から329万9,000円の間であれば、税率は10%です。330万円から694万9,000円までだと、税率は20%となります。

例えば所得控除を考慮しない場合、給与所得300万円の人が住宅手当を毎月3万円(年間36万円)受給していたとすると、課税所得金額は336万円になります。

課税率は10%から20%となるため、税額負担は大きく増えてしまいます。

補助を受けているので損をしてしまうということはありませんが、課税率が変わるボーダーに近い課税所得金額の方は、税金について留意しておいたほうがいいでしょう。

出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」

自治体からの家賃補助制度

自治体からの家賃補助制度

家賃補助制度を実施しているのは、企業だけではありません。

お住まいの自治体や引っ越しを検討している先の自治体にも家賃補助制度がある可能性があります。

家賃補助が受けられる場合は、家計の負担を大きく減らせる可能性が高いです。

自治体のホームページなどで、実施されている家賃助成制度があるか確認してみましょう。

受給条件は各自治体によって異なる

自治体からの家賃補助制度は、居住者の経済的負担を減らし、その地域(自治体)への定住化を促進することを目的として設けられています。

自治体ごとに内容や特徴が異なりますが、子育てファミリー世帯への支援や、新婚夫婦を対象とした支援が多くみられます。

中には、引っ越し費用や敷金、礼金まで含まれる場合もあります。

自治体の家賃補助事例

東京都で家賃補助制度を実施している区から4つの例を取り上げ、表にまとめました。

それぞれの自治体で以下のような制度があります。

自治体名 補助制度名 金額 期間 対象
千代田区 次世代育成住宅助成 0.6~8万円 最長8年 住み替える新婚世帯・ファミリー世帯
豊島区 子育てファミリー世帯家賃補助制度 2.5万円 児童が15歳に達する年度まで 民間賃貸住宅に住むファミリー世帯
新宿区 民間賃貸住宅家賃助成 3万円 最長5年 民間賃貸住宅に住むファミリー世帯
目黒区 ファミリー世帯家賃助成 2万円 最長3年 民間賃貸住宅に住むファミリー世帯

家賃補助の金額や期間には、自治体によってかなりの差があることがわかります。

また、それぞれの自治体ごとに、「ファミリー世帯」の条件となるお子様の年齢や、所得制限の金額なども詳細に決まっています。

お住まいの自治体にも家賃補助制度があるかもしれませんので、一度調べてみるとよいでしょう。

自分で申請する必要がある

自治体の家賃補助制度の募集時期や期間、内容は各自治体によって異なります。

随時募集している自治体もあれば、毎年春や秋に期間を決めて募集し、抽選を行っているところもあります。

こういった家賃補助制度については自治体から個別にお知らせが届くわけでなく、自身で調べて申請しなければいけません。

お住まいの自治体のホームページや、助成金をまとめたサイトなどで確認しましょう。

特定優良賃貸住宅(特優賃)の家賃補助制度

特定優良賃貸住宅(特優賃)の家賃補助制度

中所得者向けの良質な賃貸物件を増やすため、1993年に「特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律」が作られました。

特定優良賃貸住宅は、この法律に基づいて建てられた住宅のことです。

「特優賃(とくゆうちん)」と呼ばれることもあります。

良質な物件を少ない負担で借りられる

良質な物件を少ない負担で借りられる

特定優良賃貸住宅には家賃補助制度があり、国や自治体からの家賃補助を受けられます。

国や自治体が民間の土地所有者に対して補助金を提供し、良質な賃貸住宅を建て、その賃貸住宅の入居者に対して国や自治体が家賃補助を行うという仕組みです。

家賃補助の条件は世帯収入、入居年数、世帯人数によって変わります。

補助の内容は自治体によって差がありますが、礼金や敷金、更新料、仲介手数料が不要な場合もあり、初期費用を安く抑えられます。

特定優良賃貸住宅は各地方自治体のウェブサイトでも閲覧できますますが、物件検索サイトで「特定優良賃貸住宅」と検索して探すことも可能です。

参考:株式会社LIFULL ホームズ「「家賃補助のある物件(特定優良賃貸住宅)」を賃貸で探す」

基準を満たした優良な賃貸住宅に住める

特定優良賃貸住宅と認められるには、一定の建築基準を満たす必要があります。

市区町村などの自治体や住宅供給公社が建設するケースと、補助を受けた民間建築会社が建設するケースがありますが、どちらのケースでも一定の基準が適用されるため物件の品質は保たれています。

自治体によって基準は異なりますが、一般的には下記の条件にあてはまる物件が多いようです。

  • 2LDKや3LDKなど子育てファミリー向けの間取り
  • 専有面積が50平米以上~125平米
  • 天井高2.3m以上
  • 耐火もしくは準耐火構造
  • 駐車場やバリアフリー、オートロックなどの充実した設備

最長20年間の家賃補助が受けられる

家賃補助の金額は入居後から毎年一定率で減少し、入居者負担額が本来の家賃に追いつくまで最長で20年間にわたり実施されます。

20年間も補助が受けられるのは大きなメリットですが、注意も必要です。

家賃補助の金額は世帯年収に応じて変わり、年収の上限は自治体や物件、世帯の人数によって異なります。

入居者は家賃補助を受ける代わりに、毎年の所得調査に応じて所得を開示しなければいけません。

また、20年間の期限終了後の対応は、オーナーや管理会社によって異なります。

条件次第では、実質的に家賃がアップする可能性もあります。

入居には条件がある

特定優良賃貸住宅の入居には、世帯所得をはじめとした様々な条件があります。

条件は自治体によって変わりますが、たとえば日本国籍又は外国人登録をしている、入居は2人以上で夫婦または親子である、収入基準を満たしている、などです。

基本的には中堅所得者ファミリー世帯向けの制度となっているため、単身者で入居条件を満たすものはほとんどありません。

ルームシェアや結婚予定が未定の男女の同棲での利用も難しくなっています。

また、特定優良賃貸住宅は人気があるので空室が少なく、仮に入居条件を満たしていても抽選になることが多いです。特に都市圏では10倍以上の倍率になってしまうこともあるようです。

自治体によって条件が異なるため、気になる方はお住まいの各自治体に問い合わせてみましょう。

まとめ:家賃補助制度を活用しよう

家賃補助制度を活用しよう

家賃補助制度は会社の福利厚生によるものだけでなく、自治体から受けられるもの、特定優良賃貸住宅で受けられるものがあります。

家賃補助が活用できれば家計の節約に大きな影響を与えるため、使える条件を満たしているのであれば活用することをおすすめします。

ただし、制度の内容や条件は会社や自治体などによってさまざまですので、事前にしっかり確認しておきましょう。

特に自治体からの家賃補助制度については積極的にお知らせがあるものではないため、利用するためには自分で調べなければいけません。

まずは自身が利用できそうな制度がないか、また、将来的に引っ越しを検討した際にも利用できるかを調べてみましょう。

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