結婚や出産、住宅の購入、老後の生活など、ライフイベントを迎えるタイミングには大きな出費が伴います。

「人生100年時代」といわれる現代では、老後の資産設計も早い段階から考えて準備していく必要があります。

今後のライフプランに合わせた資産設計を計画的に行うためにも、生涯でどれくらいの収入を得られるのか把握しておくことが大切です。

この記事では、会社員の平均的な生涯年収のデータや男女別・学歴別・企業規模別の生涯年収の違いなどを解説します。

ライフイベントに備えた資金準備のポイントについても紹介していますので、本記事を参考にして計画的に資産を準備していきましょう。

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生涯年収とは

生涯年収とは

生涯年収とは、一生涯のうちに得られる収入の総額のことです。

毎月の給与やボーナス、退職金などを含めた総収入のことを指し、「生涯賃金」という呼び方をすることもあります。

「働き始めてから退職するまでにどれくらいの収入が得られるか」が分かれば、ライフプランを計画する際に役立ちます。

生涯年収は会社員や公務員、自営業、非正規雇用などの働き方によって変動します。

また、同じ会社員でも学歴や性別、企業規模による違いがあったり、結婚・出産を機に退職・休職したりするケースもあるため、正確な数字を把握することは容易ではありません。

しかし、生涯年収の平均と比べて自分がどれくらいの収入を得られるのかイメージしておくと、今後のライフプランを計画する上で参考になります。

会社員の平均的な生涯年収や、男女別・学歴別・企業規模別の生涯年収の違いを確認し、自分に合ったライフプランを検討していきましょう。

男性会社員(サラリーマン)の生涯年収

男性会社員(サラリーマン)の生涯年収

まずは、男性会社員(サラリーマン)の生涯年収の平均値や学歴別・企業規模別のデータを紹介します。

なお、ここでは独立行政法人労働政策研究・研修機構による「ユースフル労働統計 労働統計加工指標集 2022」を参照しています。

平均的な生涯年収は2億円程度・中央値はもう少し低くなる

男性会社員の平均的な生涯年収は、2億円程度です。

ただし、この「2億円程度」という金額はあくまでも「給与の総額」であり、「手取り」ではありません。

一般的に、給与の総額から社会保険料や所得税・住民税などで2〜3割程度差し引かれたものが「手取り」となります。

そのため、実際に受け取る生涯年収の平均値は「2億円程度」よりも少なくなるでしょう。

また、平均値と中央値の違いについても考えなくてはなりません。

「平均値」とは全体の数値を平均化したもの、「中央値」とは数値を上位から並べてちょうど中間の値のことです。

生涯年収の平均値はおよそ2億円ですが、中央値ではもう少し低い金額となります。

そのため実際には、半数以上の人が生涯年収の平均値2億円よりも少ない金額になっていると考えられます。

現在ではさまざまな働き方・生き方があり、昔のように一つの会社で定年まで働くという概念は薄れていっているため、ここでの数値はあくまでも参考値としてご覧ください。

学歴別の生涯年収

男性の学歴別の平均生涯年収(60歳まで、退職金を含まない)は、以下の表の通りです。

学歴平均生涯年収
中学卒1億9,400万円
高校卒2億500万円
高専・短大卒2億960万円
大学・大学院卒2億6,190万円

この表からも分かる通り、平均生涯年収は学歴に比例しており、高学歴になるほど生涯年収が高くなる傾向にあります。

企業規模別の生涯年収

男性の企業規模別の平均生涯年収(60歳まで、退職金を含まない)は、以下の表の通りです。

学歴企業規模
1,000人以上
企業規模
100〜999人
企業規模
10〜99人
中学卒2億2,720万円1億9,710万円1億8,420万円
高校卒2億4,430万円2億80万円1億7,930万円
高専・短大卒2億4,290万円2億570万円1億8,420万円
大学・大学院卒2億9,670万円2億5,140万円2億530万円

同じ学歴であっても、規模が大きい企業に勤めている人の方が平均年収が高い傾向にあるようです。

女性会社員の生涯年収

女性会社員の生涯年収

次に、女性会社員の平均生涯年収や学歴別・企業規模別のデータを紹介します。

平均的な生涯年収は2億円弱

女性会社員の平均的な生涯年収は、2億円弱といわれています。

男性と比べると生涯年収の平均値は低い傾向があります。

女性の場合、出産や育児によって職場を離れるケースが少なくありません。

職場復帰をしてもしばらくは時短勤務を選択することもあるため、男性よりも生涯年収が低くなりやすいことが特徴です。

学歴別の生涯年収

女性の学歴別の平均生涯年収(60歳まで、退職金を含まない)は、以下の表の通りです。

学歴平均生涯年収
中学卒1億4,610万円
高校卒1億4,960万円
高専・短大卒1億7,250万円
大学・大学院卒2億1,240万円

男性と同様に女性も生涯平均年収が学歴に比例しており、学歴が高くなるほど生涯年収も高くなる傾向にあります。

企業規模別の生涯年収

女性の企業規模別の平均生涯年収(60歳まで、退職金を含まない)は、以下の表の通りです。

学歴企業規模
1,000人以上
企業規模
100〜999人
企業規模
10〜99人
中学卒1億5,910万円1億4,930万円1億3,610万円
高校卒1億7,100万円1億5,140万円1億3,380万円
高専・短大卒1億9,690万円1億7,290万円1億5,310万円
大学・大学院卒2億4,830万円2億640万円1億7,140万円

こちらも男性と同様で、同じ学歴でも企業規模が大きい方が生涯年収が高くなる傾向にあります。

最新の会社員(サラリーマン)平均年収

最新の平均年収

国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告」によると、令和4年(2022年)の給与所得者の平均給与は458万円となっています。

前年比で2.7%の増加となっており、約12万円増えています。

男女別に見ると、男性の平均給与が563万円(前年比2.5%増加)、女性の平均給与が314万円(前年比3.9%増加)でした。

男女ともに前年よりも増加しており、全体的に収入が上がっていることが分かります。

平均年収を確認した上で「もっと年収を上げたい」と感じた方は、新たなスキルを身に付けて給与アップを目指したり、勢いよく成長している業界や会社に転職したり、副業に挑戦してみるといった方法も検討してみましょう。

出典:国税庁「標本調査結果」

ライフイベントに備えた準備をしよう

ライフイベントに備えた準備をしよう

結婚や出産、住宅購入や子どもの教育、親の介護や老後の生活など、生きていく上ではさまざまなライフイベントが発生します。

いずれも大きな金額が必要になるケースが多いため、事前に準備を進めておくことが大切です。

ここでは、ライフイベントに備えた準備のポイントを解説していきます。

先取り貯金で確実に貯蓄を増やす

先取り貯金とは、給与などの収入が手元に入ったらすぐに一定額を貯金に回す方法のことです。

貯金するお金を先に確保しておくことで、毎月確実にお金を貯められます。

「先に生活費を使って残った金額を貯金する」」という貯金方法の場合、ついつい使い過ぎてしまったり、貯蓄額にばらつきが出てしまったりする可能性があります。

先取り貯金を活用すれば「使い過ぎて貯金する分が残らない」という事態を避けることができます。

また、一定額を先に貯めるため、使い過ぎを防げるだけでなく、貯金期間から逆算して目標金額を確実に貯蓄していくことができます。

給料日に一定額を貯蓄用口座に自動送金するように設定しておくなどの工夫をし、確実に貯金をしていきましょう。

昇進や転職、副業で収入を増やす

ライフイベントに備えるお金を増やしたい場合、生涯年収を高めるための取り組みに力を入れるのもひとつです。

収入が増えるとその分お金も貯めやすくなり、ライフイベントの支出に備えることができます。

例えば仕事で実績を積んだり、資格を取得したりといった取り組みが評価されれば、昇進・昇給といったチャンスがあります。

また、同じ会社にいても昇進や昇給が見込めないのであれば、思い切って高収入が期待できる業界・企業に転職するのも良いでしょう。

さらに近年は、働き方改革の影響もあって副業を解禁する企業が増えてきています。

自宅にいる時間を有効活用し、副業で収入を増やすこともおすすめです。

ただし収入を増やしても、同時に生活レベルを上げて支出が増えてしまっては元も子もありません。

収支のバランスをしっかりと意識しておくことが大切です。

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資産運用を始める

収入を貯金に回していくことは大切ですが、近年の低金利を考えると銀行に預けているだけではなかなかお金が増えません。

投資を取り入れながら効率的に資産を運用し、時間をかけてお金を増やしていくことを目指しましょう。

資産運用のスタートには、「NISA」がおすすめです。

投資で得た利益が非課税となるだけでなく、お金が必要になったときに途中で引き出せる自由度の高さも魅力です。

家計に無理がない範囲の少額からでも良いので、少しずつ投資を取り入れてみましょう。

まとめ:会社員の生涯年収を意識してライフプランを練ろう

会社員の生涯年収を意識してライフプランを練ろう

会社員の生涯年収のデータを男女別・学歴別・企業規模別に紹介しました。

ライフプランを練る際、生涯で得られる収入や支出のバランスを踏まえた上で資金計画を立てることが大切です。

会社員の生涯年収のデータを参考に、自身の状況に応じたライフプランを作成していきましょう。

また、ライフイベントに備えるためには、先取り貯金や収入増加に向けた取り組み、資産運用なども重要になってきます。

本記事で紹介したポイントを意識して、しっかりとお金を準備していきましょう。

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