賃貸物件の種類や違いを解説!メゾネットやテラスハウスなどの用語も紹介
賃貸には、マンションやアパート、メゾネット、テラスハウスなどさまざまな種類の物件があります。
賃貸物件を調べたときに、これらの種類にどのような違いがあるのか疑問に思う方もいるでしょう。
この記事では、賃貸物件の種類と特徴をはじめ、単身用や2人用など賃貸の入居タイプごとの違いについても紹介します。
これから賃貸物件を探す方は参考にしてください。
この記事の目次
賃貸物件の意味とは
賃貸物件とは、物件の所有者が他人に部屋を貸し出して賃料をもらうことを目的とした物件のことです。
契約者は、契約時に初期費用として敷金・礼金などの入居一時金を支払い、入居後は一定の家賃を支払います。
賃貸物件には物件や入居タイプ、契約条件の違いなど種類があり、それぞれに特徴があります。
賃貸物件の種類と特徴
賃貸物件には、主に以下の3種類があります。
- マンション
- アパート
- 一戸建て
それぞれの特徴について説明します。
マンション
マンションは一般的には「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」「鉄骨鉄筋コンクリート造」の集合住宅をさし、主に3つに分類されます。
- 賃貸用に建設された「賃貸マンション」
- 部屋ごとの分譲(販売)を前提に建設された「分譲マンション」
- 分譲した後に貸し出しを行う「分譲賃貸マンション」
エレベーターがついていたりエントランスのある物件が多く、中には24時間体制で管理人・コンシェルジュがいる物件も存在します。
賃貸用マンション
賃貸用マンションは、住宅や店舗として賃貸に出すことを前提に設計、建設されたマンションです。
基本的には1棟を一人のオーナーが管理していますが、管理業務を不動産会社や管理会社に委託しているケースも存在します。
賃貸用マンションの多くは、「不動産投資」を目的として建設されているため、設備や建具にこだわった物件は少ない傾向にあります。
分譲賃貸マンション
分譲マンションは、1部屋ごとの分譲(販売)を前提に建築されたマンションをいいます。
部屋ごとに購入者(オーナー)が違うため、同じマンションでも部屋ごとにオーナーが異なるケースがほとんどです
基本的には人に貸すためではなく、購入者が住まいにする前提で作られているため、部屋の内装や設備のグレードは賃貸用マンションよりも高い傾向にあります。
その分、賃料も賃貸用マンションより高めに設定されていることが多いです。
タワーマンション
従来のマンションに比べて高層のマンションを「タワーマンション」と呼びます。
一般的には20階以上の超高層マンションのことを呼ぶことが多いですが、法的に「◯◯だからタワーマンション」という決まりはありません。
タワーマンションは建物の内装や設備が豪華な事が多く、高層階に住むことができれば高い満足感やステータスを手に入れることができます。
しかし、ベランダに洗濯物を干せなかったり、出勤・帰宅時間帯はエレベータが混雑したりなど、デメリットも多くあります。
「タワーマンションだから無条件で良い賃貸」ということではないため、しっかり自分の希望とあっているか確認してから選びましょう。
アパート
「アパート」と「マンション」に明確な違いはありませんが、一般的には木造や軽量鉄骨造で3階建て以下の共同住宅を「アパート」と呼ぶことが多いです。
マンションとの大きな違いは、構造上防音性が低い点にあります。
普段から隣人の生活音に敏感な方は、内見時によく確認しておきましょう。
アパートは「ハイツ」「コーポ」「メゾン」など様々な呼ばれ方がありますが、それぞれの呼び方と建物の構造に明確な関係性はありません。
名称は気にせず、建物や部屋の情報に着目して物件を探しましょう。
一戸建て(貸家・借家)
一戸建ては、ひとつの敷地に建築されている独立した住居のことです。
一戸建ての賃貸住宅は、貸家(かしや)、もしくは借家(しゃくや)とも呼ばれています。
集合住宅のように他の住民と壁を隔てて隣り合わせにはならないので、騒音に悩まされることは比較的少ない傾向にあります。
エアコンや給湯器などの修理費も管理しているオーナーが負担するため、持ち家よりもかかるコストが低いのがメリットです。
建物の形態や間取りの種類
物件の種類の他に、建物の形態や間取りの種類によって呼称が異なる物件があります。
- テラスハウス(長屋)
- メゾネット
- ロフト
- デザイナーズマンション
各建物の形態や間取りについて特徴を解説します。
テラスハウス(長屋)
テラスハウスは、隣の家同士が壁を共有して横に連なる形の住宅を指します。
日本では「長屋」とも呼ばれ、古くから存在する集合住宅のひとつです。
不動産情報サイトでは「一戸建て」に分類されることが多く、家の作りは近いといえるでしょう。
物件によっては専用の庭や駐車場が設けられていたりもします。
比較的安い賃料で、一戸建てのような庭付きの家に住みたい方におすすめです。
メゾネット
メゾネットは、集合住宅でありながらひとつの住宅内部に内階段があり、2階以上の階層で構成された住宅です。
2層にバルコニーがある物件も多く、風の通りや採光を確保しやすい点も特徴のひとつです。
階段の上り下りが発生するデメリットはありますが、広々とした空間に住みたいという方はメゾネットタイプの物件を候補に入れても良いかもしれません。
ロフト
ロフトは元々「屋根裏部屋」を指す言葉です。
日本では「部屋の一部を二層式にした上の部分」という意味で使用されています。
メゾネットとは異なり、固定式の階段ではなくハシゴを使用して上り下りします。
天井が高く設けられているため、部屋自体が開放的に感じられます。
天井部分に広いスペースを確保できるため、収納スペースや居住空間にゆとりを持ちたい単身者の方におすすめです。
デザイナーズマンション
デザイナーズマンションは、建築家やデザイナーがコンセプトを決め設計・デザインをしたマンションです。
普通のマンションよりもデザイン性に優れており、おしゃれで天井が高く開放感があるという特徴があります。
一方で独特な間取りや設計になっている部屋も多く、実際に住んでみると住みづらいということもありえます。
内見するときはおしゃれなポイントだけではなく、実際に暮らしやすい間取り・設備かを入念にチェックをしましょう。
賃貸の入居タイプの種類
賃貸には「2人入居可」「女性限定」などの入居タイプが存在します。
ここでは住宅を検索している際によく見かける入居タイプについて解説します。
単身用の物件
「単身用の物件」は、基本的に一人暮らしを前提として貸している部屋が多く、「2人入居不可」や「同居(2人暮らし以上)不可」といった条件が明記されている場合が多いです。
こういった条件がある場合は「単身者限定物件」という扱いになり、基本的に同棲や同居は認められません。
どの部屋にも単身者しかいないため、隣人の生活音が気になる方にとっては比較的暮らしやすい物件となっています。
部屋に友達を招いたり、家族が宿泊することも禁止されている場合があるため、人を家に呼びたいような方は避けた方がよいでしょう。
2人入居可の物件
「2人入居可の物件」は、新婚や同棲中のカップル、兄弟姉妹などが2人で住むことをオーナーが認めている物件です。
通常、賃貸に暮らす人は申し込みの際に申し出る必要があるため、一人で契約した部屋で同棲(2人暮らし)することは契約違反になります。
一時的な滞在であれば問題ありませんが、本格的に2人で住む場合は2人入居可物件を探すか、オーナーさんに必ず相談しましょう。
ちなみに多くの賃貸物件では「2人入居可」と、友達や仲間と一緒に暮らす「ルームシェア」は別物だとされています。
友達同士で住みたい場合は「ルームシェア可」の物件を探すか、事前にオーナーに相談してみましょう。
ファミリー用の物件
「ファミリー用の物件」とは、子どもがいる家族が住むことを想定した物件です。
明確な定義はありませんが、「2DK以上の物件」や「平米数が広めの物件」のことを指します。
単身者や2人向けの物件と比べて家の作りが広く、発生しがちな生活音に理解がある住人が多いため、子どもがいる家庭でも住みやすいといった特徴があります。
家族向けの施設がある物件は住民同士の交流が活発になりやすく、情報共有や困ったときの助け合いが発生しやすいというメリットも大きいです。
女性限定の物件
「女性限定の物件」は、その名の通り入居者を女性に限定している物件です。
オートロックや防犯カメラがついた物件が多く、1階に防犯窓が設置されていたり、玄関のドアは二重施錠になっていたりと、セキュリティが整っている場合が多いです。
共用部分で男性に出くわす心配がないため、男性がいるマンションに抵抗のある女性に人気の物件となっています。
ただし、家賃は通常の物件と比べて高い傾向にあり、男性の立ち入りについては大家さんの判断になるため、物件ごとに条件が違う可能性がある点には注意が必要です。
楽器可・楽器相談可の物件
「楽器可」は通常の賃貸物件でありながらも、オーナーから楽器演奏が許可されている物件のことです。
物件によっては、ヘッドホンの使用が条件であったり、楽器を演奏しても良い時間帯が定められていたりすることがあります。
住人も音に関して寛大な方が多いため、楽器演奏を趣味にしている方には最適な物件といえます。
ペット可の物件
「ペット可の物件」は、室内でペットの飼育が認められている物件です。
物件ごとに飼育できるペットの種類や大きさ・飼育頭数が決められており、条件を満たしたうえで管理組合の審査に合格すれば入居できます。
「ペット可」と表示されていても、すべての物件がペットの飼育に適したつくりとなっているわけではありません。
壁や床が傷つかないための対策がされている物件もあれば、普通の物件でペット可としているケースもあります。
敷金が高いという懸念点はありますが、ペットと一緒に暮らしたい方にとっては優先して検討したい物件といえるでしょう。
ルームシェア可の物件
「ルームシェア可」の物件とは、複数人(2人以上)で住むことが許可された物件です。
物件の中には、「2人以上の入居可」とあっても、家族や恋人以外と住むことをを禁止している物件が多くあります。
友達や知人とルームシェアを希望するなら「ルームシェア可」の物件を探しましょう。
特殊な契約形態の種類
賃貸物件には、特殊な契約形態がいくつかあります。
- 敷金償却の賃貸物件
- フリーレント付き賃貸物件
- 定期借家物件
- マンスリーマンション
賃貸物件を借りる際に上記のような特殊な契約形態が条件に含まれている場合は、内容をよく確認してから契約しましょう。
敷金償却の賃貸物件
「敷金償却の賃貸物件」は、入居時に支払った敷金のうち。指定された金額が退去時に返金されなくなる特約です。
例えば「敷金の50%は補修箇所がなかったとしても必ず徴収される」といったようなことになります。
名前に「敷金」とついていますが、退去時に返却されない「礼金」に近いと考えるとわかりやすいでしょう。
特にペット可の物件には、敷金償却の特約がついているケースが多いです。
ペットを飼わなければ敷金償却は無くなるのかというと、そうとは限らない場合もあるので契約前に確認しましょう。
フリーレント付き賃貸物件
「フリーレント付き物件」とは、一定期間(2週間、1ヶ月など期間は様々)家賃が無料になる条件がついている賃貸物件です。
引っ越し月は、現在の住まいと新居の両方の家賃が二重に発生することがほとんどですが、フリーレント付きの賃貸物件であれば、新居の家賃が契約後すぐに発生しません。
入居・退去の費用を気にして急ぐ必要がなく、ゆとりを持って引っ越し作業ができるでしょう。
なお、フリーレント契約に伴い「短期違約金」を設定している物件もあります。
この場合、半年や1年などの短期間で物件を解約して転居しようとすると、違約金の支払いを求められるので注意が必要です。
定期借家物件
「定期借家物件」は、契約で定めた期間が満了すると賃貸契約が更新されず、そのまま賃貸借契約が終了する制度です。
通常の普通賃貸借契約と定期賃貸借契約の違いは以下のとおりです。
普通賃貸借契約 | 定期賃貸借契約 | |
賃貸借期間 | 通常は2年間 | 貸主が自由に設定できる |
更新 | 更新が前提 | 更新はない(借主との合意があれば、再契約が可能) |
貸主からの解約 | ・6ヶ月前までに解約の申入れが必要 ・正当な理由が必要となるため、借主の同意が得られない場合、貸主からの解約は基本的にはできない | ・貸主からの契約期間内解約はできない ・期間満了により契約は終了する ・終了時期の1年から6ヶ月前までに借主へ書面による通知が必要となる(契約期間1年以上の場合) |
借主からの解約 | 1ヶ月前の通知で解約の申入れが可能 |
賃貸借期間は普通賃貸であれば通常2年ですが、定期賃貸は期間を自由に設定ができる代わりに更新がない、期間前に貸主(オーナー)から解約の申し入れができないなどの特徴があります。
マンスリーマンション
数週間、1ヶ月程度の短期間から入居できるマンションです。
家具・家電などが最初から設置されていることが多く、身一つで生活が可能な物件となっています。
敷金・礼金など初期費用はかかりませんが、基本的に入居前の内見はできません。
家電の準備やライフラインの手続きも不要のため、期間が決まった出張や転勤などで一時的に住む場所を探している方にはおすすめです。
なお、物件によっても異なりますが、1ヶ月の家賃を比較するとマンスリーマンションは同条件の賃貸マンション比べて1.5倍 〜 2倍近い金額に設定されています。
まとめ:賃貸の種類を理解して物件選びに活かしましょう
賃貸物件は、マンションやアパート、一戸建てなど種類によってそれぞれ特徴があります。
単身向けや2人入居可といった入居タイプ、敷金償却の賃貸物件やフリーレント付き賃貸物件など様々な契約形態があり、賃貸の種類は多岐に渡ります。
それぞれの特徴を理解して物件を探すことで、自分に合った物件を見つけやすくなるでしょう。
また、賃貸には物件ごとにオーナーや不動産会社が定めた特別な決まりがある場合もあります。
賃貸を借りるときは、事前に契約内容をしっかり確認しましょう。
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記事監修者
マネカツ編集部
"将来への漠然としたお⾦への不安はあるけど、何から始めていいのかわからない…"
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