【2024】テンバガーとは?特徴や探す際の注意点、過去に達成した銘柄
株式投資の目的は人によってさまざまですが、株の売買によって得られる利益を期待して投資する人も多いでしょう。
例えば、10万円で購入した株が大化けして100万円に値上がりすると嬉しいですよね。
このように株価が10倍以上に成長する銘柄のことを、株式用語で「テンバガー」といいます。
この記事では、テンバガー銘柄の特徴や、テンバガー候補を探す際の注意点を解説します。
過去にテンバガーを達成した銘柄も紹介していますので参考にしてください。
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この記事の目次
テンバガーとは
株価が10倍以上に成長する銘柄
テンバガーとは、株価が10倍以上に上昇する銘柄のことです。
「テン」は英語で数字の「10(ten)」、「バガー」は野球のスラングで「塁打(ヒット)」を表しています。
野球の試合で10塁打を挙げるほど急激な成長を遂げた銘柄、という意味でテンバガーという言葉が使われるようになりました。
なお、厳密には株価が10倍に到達していない銘柄でも、短期間で急成長を遂げた銘柄をテンバガーと呼ぶ場合もあります。
中小型銘柄が達成することが多い
テンバガーを達成するのは、時価総額が比較的小さい中小型株や東証グロース市場などの新興市場に属する銘柄に多いといわれています。
これらの銘柄の中には投資家があまり注目していない銘柄も存在し、株価が割安で放置されやすい特徴があります。
こうした低位株(株価水準が低い銘柄)は、ポジティブ材料が出ると一気に投資家の資金が集まり、株価が高騰しやすいのです。
テンバガー候補銘柄の特徴
急成長している新興・ベンチャー企業
テンバガー銘柄となるためには、まずは業績がしっかりと伸びていることが重要です。
決算が市場予想に対して上回っていたり、売上や利益の上方修正が続いたりする銘柄は、今後の成長にも期待できるでしょう。
上場して間もないベンチャー企業であっても、あっという間に業績を拡大して急成長を遂げる場合もあります。
普段から企業の決算発表やプレスリリースに注目する癖をつけておくことで、テンバガー銘柄を見つけやすくなるかもしれません。
時代の波に乗った事業をしている
株価が急成長を遂げるためには、時代の流れに乗ったビジネスを展開しているかも重要となります。
例えば以下のように、その時代の最先端を走る企業がテンバガー候補になりやすいです。
- スマートフォンといえばiPhone
- パーソナルトレーニングジムといえばライザップ
- ワクチンといえばモデルナ
大きなブームを巻き起こした企業や、ニュースに取り上げられて話題になっている企業は、テンバガーを達成する可能性が高まります。
現在の流行りやトレンドを敏感に察知しつつ、次世代の流行りを予測することも大事です。
配当金を出さないグロース銘柄が多い
テンバガーを達成する銘柄は、配当金が少ない、もしくはまったく出さない傾向があります。
テンバガーになりやすい中小型株は、利益を設備投資や商品開発などに使うことが多いです。
配当などの株主還元よりも自社の成長のために積極的にお金を使う企業は、業績が向上した場合に株価も伸びやすいといえるでしょう。
一方、配当をしっかりと出している企業の場合は、すでに業績が安定した成熟企業であることが多く、テンバガーにはなりにくいです。
テンバガー狙いで投資をする際は、配当はあまり期待できないという点を認識しておきましょう。
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過去にテンバガーを達成した日本株
続いて、過去にテンバガーを達成した銘柄を確認していきましょう。
米国と比べると株価の値動きがそれほど大きくなりにくい日本株ですが、テンバガーを達成した銘柄は多数存在します。
レーザーテック(6920)
レーザーテックは、シリコンウエハーに回路を焼き付ける際に使用されるマスクやその原板となるマスクブランクスの欠陥検査装置において、世界で圧倒的なトップシェアを誇る日本企業です。
同社の主力製品は、世の中の人々に広く利用されるものではないですが、半導体の生産過程において不可欠なものです。
特定分野において高い競争力を持つことから、2020年には経済産業省が発表する「グローバルニッチトップ100選」にも選定されました。
2022年3月2日時点の株価は20,370円ですが、これは3年前と比べて約10倍、5年前と比べて約30倍、10年前と比べて約100倍もの水準です。
昨今、自動車から家電、ゲーム機まであらゆる製品に半導体が利用されるようになったことを追い風に、ここ数年で大きな成長を遂げました。
出典:経済産業省「2020年版「グローバルニッチトップ企業100選」 選定企業⼀覧」
ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)
スマホゲームの「パズドラ」や、MMORPGの「ラグナロクオンライン」でおなじみのガンホーも、テンバガー銘柄の一つです。
2012年の株価は180円程度でしたが、パズドラのヒットとともに株価は急騰し、一時は16,000円強(約88倍)にまで達しました。
アベノミクスとスマホゲームブームの相乗効果によって業績拡大期待が膨らんだことが、この急騰の背景です。
ガンホー株の急騰に伴い、「第二のガンホー株を探せ」とばかりにスマホアプリ銘柄が次々と個人投資家に物色されました。
しかし、業績への過剰な先行期待が落ち着いたあとは株価も下落し、2022年3月時点の株価は2,500円程度となっています。
ワークマン(7564)
ここ数年で話題になったテンバガー銘柄がワークマンです。
もともとは労働者向けの制服や作業着などを専門に取り扱う会社としてのイメージが強い会社でしたが、現在は安くて質の良いカジュアルウェアを取り扱う店として、若者や女性にも注目されています。
日常生活でも着やすい「ワークマンプラス」が大当たりしたことをきっかけに株価も急上昇し、1,000円未満だった株価は約10年で10倍強まで成長しました。
2019年に10,000円を超えた株価も現在は落ち着き、2022年3月時点では5,000円前後で推移しています。
過去にテンバガーを達成した米国株
続いて、米国のテンバガー銘柄を確認していきましょう。
テスラ(TSLA)
電気自動車(EV)で有名なテスラは、テンバガーを達成した銘柄です。
もともと50ドル前後で推移していた株価は、2020年頃から一気に上昇し、2022年3月時点は800ドル付近に達しています。一時は1,200ドル付近に値を付けた時期もありました。
テスラの自動車販売台数は、まだトヨタやフォルクスワーゲンなどに遠く及ばないにもかかわらず、高い利益率も相まって時価総額ではこれらをはるかに上回る規模に成長しています。
テスラの場合、業績が10倍以上に膨れ上がったというわけではなく、投資家の期待感が先行して株価を押し上げています。
2021年以降は株価の動きが少し落ち着いたものの、しっかりと底堅く推移している銘柄です。
モデルナ(MRNA)
新型コロナウイルスワクチンの開発・製造を手掛けるモデルナは、コロナ禍において急激に株価が上昇した銘柄です。
コロナショック前の株価は20ドル前後で推移していましたが、ワクチン需要の高まりを背景に一時は500ドルに迫るところまでに上昇しました。
しかし、感染拡大が一巡したことで、コロナワクチンの需要も一服し、モデルナ株は売り先行の展開が続いています。
これに伴い株価は下落し、2022年3月時点の株価は140ドル程度と、高値の3分の1程度にまで落ち込みました。
時代の流れに沿ったテンバガー銘柄は、下落時のスピードも早い点に注意しましょう。
ネットフリックス(NFLX)
有名な動画配信サービスのネットフリックスも、10年前はマイナーメディアであったため、株価は100ドル未満で推移していました。
2010年台に大きく成長を遂げ、コロナ禍では日本でもステイホームのお供として登録者数を急激に増やしました。
コロナ禍においては「勝ち組企業」とも呼ばれ、2021年11月には700ドル近くまで株価が上昇しました。
直近では巣ごもりブームが落ち着き、今後の成長率に陰りが見え始めたこともあり、株価は350ドル近辺まで下落しています。
テンバガー候補を探す際の注意点
達成する銘柄は一握り
大きなリターンが期待できるテンバガーへの投資は株式投資の醍醐味ともいえます。
しかし、実際にテンバガーを達成する銘柄はごくわずかです。
順調に業績を上げても株価の伸びはそれほど大きくなかったり、テンバガーを達成しかけたところで株価が下落してしまったりと、実際の相場では思うように株価が上がらないことも多々あります。
投資のプロであっても株価の動きを正確に予想することは難しいため、「テンバガー銘柄に投資できたらラッキー」くらいの軽い気持ちで楽しむことがおすすめです。
テンバガー達成には時間がかかる
テンバガーを達成する銘柄であっても、株価が10倍になるまでには相応の時間を必要とします。
数ヶ月程度の短期間で株価が10倍になるケースはほとんどなく、多くの場合は長い時間をかけて徐々に株価が上昇します。
銘柄によっては大きなニュースの発表で株価が急上昇する場合もありますが、買ってすぐにうまい具合に株価が高騰するというのは非常に稀でしょう。
加えて、長期的にテンバガーを達成する銘柄であっても、短期的には株価が大きく値下がりすることもあります。
テンバガー候補の銘柄へ投資をする場合は、数年かけて同じ銘柄を持ち続ける覚悟が必要でしょう。
保有銘柄に執着しない
テンバガー銘柄になると思って購入した銘柄でも、その後必ず株価が上昇するとは限りません。
株価が上昇トレンドを継続しているなら保有を続けてもいいですが、長期的に下落傾向を続けている場合は注意しましょう。
企業業績の悪化やブームの終了によって株価が下落している場合は、再度株価が上昇することは期待しにくいです。
「まだ上がるかもしれない」と銘柄に執着すると、他の優良銘柄に出会う機会を逃してしまうかもしれません。
上がる見込みのなくなった銘柄には見切りをつけて、今勢いのある銘柄に切り替えるのも一つの投資手法です。
そのためには、株価の下落が一時的なものなのか、長期間にわたるものなのかを見極めることも必要でしょう。
まとめ:テンバガーとは株価が10倍以上に上昇する銘柄
テンバガーとは株価が10倍以上に成長する銘柄のことです。
投資家の夢ともいえる魅力的な銘柄ですが、テンバガー銘柄はそう簡単に見つけられるものではありません。
大きなリターンを狙える一方、値下がりするリスクもあることをしっかり理解した上で株式投資を行いましょう。
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