TTS・TTBとは?TTMとの違いや覚え方、使用する場面を解説
外貨預金にお金を預けるときや、海外旅行のために外貨に両替する際は、「円から外貨」への交換が必要です。
一方、外貨預金からお金を引き出すときや、海外旅行から帰ってきて外貨が余っている場合、「外貨から円」に戻す手続きをします。
このような、円と外貨の交換時に使われる為替レートが「TTS」や「TTB」です。
このの記事では、TTSやTTBといった言葉がどのような意味を持つのか、それぞれどのように覚えればいいのか解説します。
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この記事の目次
TTS・TTB・TTMとは
TTSは円を外貨に換える際のレート
円から外貨に交換するときの為替レートを「TTS」といいます。
Telegraphic Transfer Selling rateの略で、金融機関が顧客に外貨を「売る」ときのレートを指します。
「外貨を売る」というのはイメージしにくいかもしれませんが、金融機関も一般的なお店のように外貨を商品として売っていると考えるとよいでしょう。
例えば、TTSが1ドル=130円の場合、1ドルを130円の価格で売っているということです。
ここで注意したいのが、外貨を売っているのはあくまでも金融機関目線の話で、外貨を交換する顧客から見ると「外貨を買う」となります。
TTSは、基準となる為替レート(TTM)に手数料を上乗せして決定されます。
仮にTTMが132円で手数料が1円のとき、TTSは133円です。
TTBは外貨を円に戻す際のレート
「TTB」は、外貨を円に交換するときのレートを指します。
Telegraphic Transfer Buying Rateの略で、金融機関が外貨を「買う」ときのレートです。
考え方はTTSの逆で、私たちが外貨を円に交換するときは、交換先の金融機関から見ると「外貨を買う」となります。
TTBの場合は、基準の為替レートであるTTMから手数料を差し引いて計算されます。
仮にTTMが132円で手数料が1円のとき、TTBは131円です。
TTS・TTBのいずれも、銀行などのホームページや窓口で毎日提示されています。
TTMは売買レートの基準値(仲値)
TTSとTTBはそれぞれ金融機関が外貨を売買する為替レートですが、この基準となるのが「TTM」です。
Telegraphic Transfer Middle rateの略で、「仲値(なかね)」とも呼ばれます。
金融機関は、インターバンク市場と呼ばれる銀行間の取引市場で提示される為替レートを参考にして、その日の顧客用の為替レートを決定しています。
この顧客用の為替レートが「TTM」で、TTSとTTBのちょうど間の価格です。
例えば、TTSが132.8でTTBが131.8の場合、TTMは間の132.3となり、為替手数料は0.5円です。
TTMは各金融機関が自由に決定するため、同じ通貨を同じタイミングで交換しようと思っても、どこで交換するかによって価格が異なります。
TTMからの差である為替手数料も金融機関によって異なるため、両替時はしっかりとチェックしましょう。
TTSとTTBの覚え方
TTSとTTB、さらにTTMという似ている3つの言葉それぞれの覚え方を紹介します。
大事な考え方は、自分側の目線ではなく、金融機関側の目線に立つことです。
改めて、それぞれのポイントを押さえておきましょう。
言葉 | 意味 | 覚え方 |
TTS | 金融機関が顧客に外貨を「売る」ときのレート | Sell(売る)のSで覚える |
TTB | 金融機関が顧客から外貨を「買う」ときのレート | Buy(買う)のBで覚える |
TTM | TTS・TTBの基準となるレート(仲値) | Middle(真ん中)のMで覚える |
金融機関から見て外貨を「売る」のか「買う」のかに注目すると判断しやすいです。
これらはよく似た言葉で混乱しやすいですが、違いをしっかりと確認しておきましょう。
TTS・TTBの計算例
「TTS」・「TTB」が実際どのように計算されるかを確認していきましょう。
金融機関の窓口では、円とドルを交換するときの為替手数料は1円に設定されている場合が多いです。
ドル円の基準レートであるTTMが132円とすると、以下のように計算します。
【円からドルに換えるときのTTS】
- TTM + 為替手数料
- 132円 + 1円 = 133円
【ドルから円に換えるときのTTB】
- TTM – 為替手数料
- 132円 – 1円 = 131円
仮に、このレートで10万円をドルに交換すると、手に入るドルは10万円 / 133円 = 約751.9ドルです。
続いて、ドルを再び円に戻すと、751.9ドル × 131円 = 約98,499円になります。
このように、頻繁に外貨の交換を繰り返す場合、為替手数料は大きな負担となる可能性があります。
TTSとTTBの差をスプレッドと呼び、スプレッドは銀行にとっての収益です。
スプレッドが大きいと顧客のコスト負担が増えるため、注意しましょう。
窓口ではなくインターネット経由で外貨と交換すると、スプレッドが小さくなる傾向があります。
一方、為替相場が大きく動いているタイミングや、新興国通貨との交換ではスプレッドが大きくなりやすいです。
TTS・TTBが使われる場面
私たちの身の回りでTTS・TTBが用いられるのは、主に円と外貨を交換する必要があるときです。
例えば海外旅行の際、空港や両替所で円を旅行先の外貨に交換するという方は多いでしょう。
円から外貨に換えるときはTTS、外貨から円に戻すときはTTBが用いられます。
外貨建て保険に加入している場合も、TTSやTTBが使われます。
外貨建て保険は、保険料の払い込みや保険金の支払いが本来外貨で行われる保険です。
そのため、円で保険料を支払ったり保険金を受け取ったりする場合は、TTS・TTBで計算された金額をやりとりします。
米国株や米国債券など、外貨建ての金融商品に投資する場合も同様です。
円から外貨の資産を購入するため、証券会社などの金融機関が定めたTTSやTTBを使って日本円換算した金額を計算します。
外貨建て資産に投資する場合はスプレッドにも注意
TTSやTTBが用いられる場面では、スプレッドに注目するのが大事です。
為替レートが有利に動いていた場合も、スプレッドが大きすぎると損失を被る場合があります。
例えば、TTSが1ドル = 133円、TTBが1ドル = 131円に設定されていたとしましょう。
このときスプレッドは133円 – 131円 = 2円なので、少なくとも為替が2円以上円安にならないと、為替手数料でマイナスが発生してしまいます。
外貨建て資産への投資を行う場合は、為替の動きや高い金利に目が行きがちですが、直接のコストとなるスプレッドも確認しておきましょう。
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まとめ:TTSとTTBの差に注意しよう
TTSやTTBは、外貨との両替をするときのみならず、外貨預金や外貨建て保険、外国株式などの取引をする場合にも用いられる言葉です。
TTSやTTBが使われる場面では、特に2つの金額差がどれくらいあるかに注目しましょう。
TTSとTTBの差が大きい場合、為替手数料(コスト)の負担が大きくなりやすいということを示しています。
特に、投資目的で外貨を保有する場合は、資産そのものの値動きや為替の動きだけでなく、TTS・TTBもしっかりとチェックすることをおすすめします。
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