持株会って良いの?従業員持株会で投資をするメリット・デメリット【FPコラム】

こんにちは。
東京都内でワンルームマンション投資をしている、
個人投資家兼ファイナンシャルプランナーの川井えりかです。
上場企業、またはグループ会社にお勤めの方には身近な投資である【従業員持株会】、
「入社した時に貯金代わりになんとなく積み立てている」
「上司や先輩からすすめられて積み立てをはじめた」
という方も多いのではないでしょうか。
従業員持株会には、メリットとデメリットがあります。
持株会に加入している、またはこれから加入を検討している方は必ずメリットとデメリットを確認しておきましょう。
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目次
従業員持株会とは?
「入社した時からずっと、財形と持株会で積立をしています。」
大企業に勤めている方の資産運用相談で、よく聞くのが財形貯蓄と従業員持株会です。
従業員持株会とは、勤務先(または親会社)の株式を、給与とボーナスから天引きで購入できる制度です。
通常、株式投資をするためには証券口座を開設し、100株などのまとまった単元で購入します。
しかし、従業員持株会の場合は証券口座がなくても購入でき、単元ごとの購入も必要なく、毎月1万円などの金額指定で購入することが可能です。
※売却の際には証券口座が必要になり、単元以上の株数が必要です。
一方、一般の株主と同じように配当を受け取ることもできますが、株主優待はありません。
周りがやっているからなんとなく積み立てているという方が多い持株会ですが、持株会でお金をふやすことに成功する方もいれば、大失敗してしまう方も中にはいます。
「なんとなくやっているけれど、仕組みがよくわからないので放置している。」
という方は要注意です。
従業員持株会には、通常の株式投資にはないメリットと、通常の株式投資と同様のデメリット(リスク)が存在します。
従業員持株会のメリット
持株会のメリットは大きく3つあります。
①積立ができる
②少額投資が可能
③奨励金
順番に確認しましょう。
積立ができる
既に持株会に加入している方にとっては当たり前のことですが、従業員持株会は毎月給与天引きで株式の購入をします。
上場株式の個別銘柄を積立で購入できるというのは、非常に優遇されています。積立ができると、株式投資のリスクが大幅に下がります。
例えば同じ毎月1万円の積立でも、株価が高い時には少ない数量(株数)を株価が安い時には多くの数量(株数)を購入できます。
安い時に沢山購入できるので購入単価が下がり、利益を出しやすくなります。
また持株会でなくても株式の積立ができる証券会社もありますが、手数料がかかります。
少額投資が可能
上場株式は、100株単位の売買が基本です。
例えば一部上場企業のファーストリテイリング(=ユニクロ)の株価は5万円超で、仮にユニクロに投資したいと思っても最小単位の100株を購入するためには、500万円以上の予算が必要です。
このように株価の高い銘柄は、私たち個人投資家は手が出しにくいのですが、持株会の場合は積立なので、毎月1万円と指定している場合は、
積立額10,000円÷株価50,000円=0.2株
このように、0.2株のみ購入することが可能です。
証券会社にも「ミニ株」や「S株」などの名称で100株未満の株式を購入できるサービスもありますが、手数料が割高なケースも多くあります。
奨励金
奨励金は、持株会にしかないメリットです。奨励金とは、自分が積立した金額に上乗せで会社が出してくれるお金です。
積立した額の5%や10%(中には30%という企業も)を、会社が上乗せしてくれます。
奨励金があることで、他の投資家よりもリターンが確実に高くなります。仮に10%の奨励金が出る持株会であれば、株価がマイナス10%までなら損失を許容できることになります。
積立や少額投資は証券会社を選べば一般の投資家でも可能ですが、奨励金は持株会特有のメリットです。
奨励金が決め手となり、従業員持株会を始めている方も多いです。
リスクが低く、しかもお得に投資ができる従業員持株会ですが、デメリットやリスクもあります。
デメリットをよく理解して、リスクを回避しましょう。
従業員持株会のデメリット
従業員持株会のデメリットは、持株会ならではのデメリットと、株式投資全般のデメリットがあります。
①売却時は単元以上
②売却できない期間がある
③倒産のリスク
順番に確認しましょう。
売却時は単元以上
積立で、少額から購入できる持株会ですが、売却するときは一般の投資家と同じです。
持株会で積み立てた株式は、その銘柄の売買単位(多くの場合100株)以上で、勤務先指定の証券口座へ移した上で、一般の投資家と同じように売却するのが通常です。
売却には証券口座へ株式を移管する手続きが必要なので、例えば今日値上がりしたから今すぐ売却する、ということができません。
こまめな売却を考えている方は、100株たまるごとに証券会社へ移しておいた方がスムーズに売却できます。
売却できない期間がある
一般の投資家が自由に売買できるときに、持株会の加入者が売却できないことがあります。
多くの場合が決算期など、発表前の内部情報を社員が先に知っている可能性があるような時期です。
通常、決算発表のタイミングで株価は大きく変動するため、この時期に売却ができない可能性があることも覚えておきましょう。
倒産のリスク
持株会に限らず、株式の個別銘柄に投資をする場合、投資先の倒産は最大のリスクになります。
倒産すると、株式は価値がなくなります。これが持株会の場合は、さらにリスクが高くなります。
倒産した会社から今まで給与やボーナスをもらっていたわけですから、今まで貯めた資産がなくなったのと同時に、これからの収入の心配もしなくてはなりません。
投資はリスクを下げるために【分散】が基本ですが、持株会は、収入を得ている会社に投資をするので【集中投資】になります。
私は新卒で入社したのが、JALのグループ会社でした。在職中にJALは会社更生法が適用され実質倒産し、株の価値はなくなりました。
その後給与は支払われましたが、ボーナスはなくなり、早期退職をした上司もいました。
私は持株会に加入していなかったのですが、加入していた上司・先輩が「今まで10年以上貯めてきたお金がゼロになって、ボーナスも出ないなんて」と嘆いていたのをよく覚えています。
この実体験があるため、持株会の相談を受けても積極的におすすめできないのですが、コツを抑えておくとリスクは最小限に抑えられます。
従業員持株会加入のコツ
【集中投資】という大きなリスクを回避するためにも、持株会は少額の積立がおすすめです。
奨励金が魅力的なので、株式投資は持株会だけという方もいますが、株式投資は分散が基本です。
持株会とは別に、
・他業種の株式も購入する。
・分散投資が可能な投資信託を購入する。
・株式と対照的な値動きをする債券や保険で運用する。
など、資産を分散する工夫をしましょう。
定額積立にならないボーナスからの天引きは、あまりおすすめできません。株式は、定額積立がリスクを下げるコツです。
また、持株会に限らず、株式は売り時の見極めが難しいと言われています。
「定年退職まで一度も売却せず、退職金より持株会の資産の方が多かった」というOB、OGの方もいるでしょう。
長期投資で成功したパターンですが、株式投資は投資信託と異なり、ゼロになる(=倒産)リスクがあります。
そのため長期投資は、メリットばかりではありません。
「20%増えたら売却する」など、ルールを決めて最低でも年に1~2回は運用成績を確認するのがおすすめです。
記事・監修 川井えりか(ファイナンシャルプランナー)
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