将来のお金に対する不安から、資産運用に興味がある方も多いのではないでしょうか?

リスクを抑えつつ、節税のメリットにも期待できる資産運用として現在人気を集めているのが「積立NISA」です。

しかし、「積立NISAの銘柄はたくさんありすぎて選べない」というお悩みをお持ちの方も多いと思います。

銘柄によっては投資先やリスク、リターン、コストなどが大きく異なるため、何も考えずに商品を選ぶのは危険です。

この記事では、積立NISAのおすすめ銘柄について紹介するとともに、銘柄選びのポイントについても解説します。

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目次

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積立NISAで投資銘柄を選ぶ際のポイント

積立NISAで投資銘柄を選ぶ際のポイント

積立NISAでは、投資銘柄の選び方が重要です。

投資する銘柄によっては手数料や投資先が大きく異なるため、運用のリターンやコストが変わってきます。

それでは、積立NISAで投資銘柄を選ぶ際のポイントについて解説します。

初心者はインデックスファンドがおすすめ

初心者が積立NISAの銘柄を選ぶ場合には、インデックスファンドがおすすめです。

インデックスファンドとアクティブファンドのメリット、デメリットは次の通りです。

種類 メリット デメリット
インデックスファンド 低コストで運用できる 指数以上のリターンは期待できない
アクティブファンド 大きなリターンが期待できる 運用のコストが高い

インデックスファンドでは、大きなリターンを得ることはできませんが、運用のコストが抑えられるため、初心者でも運用しやすいという特徴があります。

一方、アクティブファンドでは、運用にかかるコストが高いため、初心者にはおすすめしにくいです。

インデックスファンドとアクティブファンドの詳しい特徴について、確認していきましょう。

インデックスファンドとは

インデックスファンドとは、「市場の動きを表す指数」と同じ値動きになるように運用しているファンドをいいます。

日本やアメリカで用いられている代表的な指数には、以下のものが挙げられます。

日本の指数 ・日経平均株価
・TOPIX
・東証REIT指数
アメリカの指数 ・S&P500
・ダウ平均

インデックスファンドでは上記の指数と連動した値上がりとなるように運用していきます。

例えば、日経平均株価と連動したインデックスファンドであれば、日経平均株価が3%上昇した際にファンドで運用しているものも同様に3%の値上がりを狙うように運用します。

基本的には指数を構成している銘柄と同じものを運用するため、銘柄の調査の必要がなく、低コストで運用できます。

アクティブファンドとは

一方、アクティブファンドとは「市場の動きを表す指数」以上の値上がりとなるように運用するファンドです。

運用にはファンドマネージャーと呼ばれる投資のプロフェッショナルを通じて様々な銘柄を調査、分析し運用します。

市場調査や銘柄の選定に時間をかけていることや、ファンドマネージャーが直々に銘柄を選んでいるため、運用にかかるコストがインデックスファンドと比べて大きくなります。

積立NISAの場合は長期的な運用が基本になるため、投資のコストが高くなることは1つのデメリットともいえます。

そのため、投資を始めたばかりの方はコストの安いインデックスファンドがおすすめです。

株式の商品を選ぶ 

投資信託の商品の中には、株式以外にも債券や不動産(REIT)などの投資先があります。

積立NISAを運用するのであれば、最もリターンを期待できる株式の商品がおすすめです。

積立NISAでは、運用益は全て非課税となります。一方、通常の投資信託では、運用益に対して20.315%の運用益がかかります。

たとえ運用益が少ない場合でも、多い場合でも非課税になることは変わりません。つまり運用益がたくさん出た方が、非課税のメリットを受けやすいのです。

例えば、10,000円の運用益が出た場合に得られる節税効果は2,031円ですが、20,000円の運用益が出た場合の節税効果は4,063円になります。

このように、運用益が大きいと節税効果が大きくなるため、つみたてNISAを運用するのであれば、株式の商品を選ぶことがおすすめです。

投資先の分散を意識する

投資信託の運用で重要なのが「分散投資をしているか」です。分散投資をするメリットはリスクを抑えられるという点です。

集中投資の場合は、その銘柄や投資先が暴落した時に、大きな損失となります。

一方で、分散投資をすることで、損失を最小限にすることが可能で、他の投資先のリターンで損失を相殺できる場合があります。

特に、積立NISAのみを保有している場合は、他の投資対象がないため、分散投資をすることが望ましいです。

例えば、株式に投資する積立NISAの商品の場合でも、日本株、先進国、新興国など主に3種類の投資先に分けられます。

それぞれリスクやリターンの大きさが異なりますが、株式運用をする国を分散するだけでもリスクが抑えられるのでおすすめです。

また、銘柄の中には、株式だけでなく、債券や不動産などにバランスよく投資するバランス型の銘柄もあります。

分散投資を考えたい場合にはバランス型も検討すると良いでしょう。

信託報酬の低い銘柄がおすすめ

積立NISAで運用する場合は、長期的な運用がメインになるため、信託報酬の低い銘柄を選ぶのが望ましいです。

例えば、毎月1万円を積み立てた場合の信託報酬は次のようになります。

比率 1年間の信託報酬 10年間の信託報酬 20年間の信託報酬
1.00% 1,200円 66,000円 252,000円
1.20% 1,440円 79,200円 302,400円
1.40% 1,680円 92,400円 352,800円

※運用益、分配金、その他手数料については考慮せず

このように、最初は数百円の違いでも、20年間運用することで数万円の手数料の差が発生します。

信託報酬や運用額が大きくなればなるほど、最終的なコストの差はより大きくなります。

したがって長期間運用する商品であれば、信託報酬を低くすることは非常に重要なポイントとなります。

SBI証券や楽天証券の積立NISAでおすすめの銘柄10選

SBI証券や楽天証券の積立NISAでおすすめの銘柄10選

今回ご紹介するのは、SBI証券や楽天証券で購入することができるものです。

10個の銘柄のうち、ほとんどは株式中心のインデックスファンドを採用していますが、一部バランス型の商品やアクティブファンドの銘柄も紹介します。

自分のリスクの許容度や狙いたいリターンに合わせて銘柄を選んでみましょう。

SBI・全世界株式インデックス・ファンド

SBI・全世界インデックス・ファンドは株式投資のみで、幅広く分散投資を行うファンドです。

運用資金の100%を株式に運用し、日本株式、先進国株式、新興国株式など全世界の株式に分散投資を行います。

全世界に投資する他のファンドに比べても比較的信託報酬が低水準であるため、初心者におすすめで、長期投資向きのファンドです。

名称 SBI・全世界インデックス・ファンド
投資対象 株式100%
日本、先進国、新興国含む
買付手数料 なし
信託報酬 0.1102%
解約手数料 なし
分配金実績 0円

出典:株式会社SBI証券「SBI-SBI・全世界株式インデックス・ファンド」

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)

楽天証券で購入することのできる株式100%のファンドです。

「日本」「先進国」「新興国」の株式にバランスよく分散投資を行います。

楽天証券の積立NISAの中でも2番目に人気のある商品で、株式のみの運用をしたい場合におすすめの商品です。

信託報酬も0.1144%とかなり低い水準で、長期投資向きの初心者におすすめなファンドです。

名称 eMAXIS Slim全世界株式
(オール・カントリー)
投資対象 株式:100%
日本、先進国、新興国含む
買付手数料 なし
信託報酬 0.1144%
解約手数料 なし
分配金実績 0円

出典:楽天銀行株式会社「ファンド詳細」

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

米国株式市場のS&P500の対象銘柄に投資するインデックスファンドです。

もちろん米国株式に100%投資しています。

S&P500のインデックスファンドの中でも信託報酬が安いのが特徴で、長期投資に向いています。

また、先進国株式の中でも米国株式は比較的安定した成長が見込めるので、初心者にもおすすめのファンドです。

名称 eMAXIS Slim米国株式
(S&P500)
投資対象 米国株式:100%
買付手数料 なし
信託報酬 0.0968%
解約手数料 なし
分配金実績 0円

出典:楽天銀行株式会社「ファンド詳細」

SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

米国株式指数のS&P500に連動したインデックスファンドで、米国株式に100%投資する銘柄です。

S&P500に連動したインデックスファンドの中では、最も信託報酬が安いです。

そのため、手数料を最大限抑えたい方や長期的な保有を検討している方にはおすすめのインデックスファンドとなります。

名称 SBI・V・S&P500
インデックス・ファンド
投資対象 米国株式:100%
S&P500に連動
買付手数料 なし
信託報酬 0.0938%
解約手数料 なし
分配金実績 0円

出典:株式会社SBI証券「SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」

楽天・全世界株式インデックスファンド

全世界の株価動向を表すFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動するインデックスファンドです。

日本を含む先進国、新興国まで投資対象に含んでいますが、米国株式が全体の50%程度含んでいるため、値動きが安定しているのが特徴です。

また、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスは約8,000もの銘柄を対象にしているため、分散効果が高いです。

信託報酬は他のインデックスファンドに比べて高めではありますが、値動きの安定性、分散効果、成長性ともに申し分のないファンドとなっています。

名称 楽天・全世界株式インデックスファンド
投資対象 全世界株式:100%
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動
買付手数料 なし
信託報酬 0.132%
解約手数料 なし
分配金実績 0円

出典:楽天銀行株式会社「ファンド詳細」

<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経225インデックスファンド

国内株式に100%投資するインデックスファンドです。日経平均株価に連動しています。

名前にもある通り、購入時手数料や換金手数料がかからず、日経平均株価に連動したインデックスファンドの中でもコストを抑えることが可能です。

日本株式中心の運用をしたい場合にはおすすめのファンドになります。

名称 ニッセイ日経225
インデックスファンド
投資対象 国内株式:100%
日経平均株価に連動
買付手数料 なし
信託報酬 0.154%
解約手数料 なし
分配金実績 0円

出典:株式会社SBI証券「ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド」

eMAXIS Slim新興国株式インデックス

新興国株式に特化したファンドです。

投資対象となる銘柄はMSCIエマージング・マーケット・インデックスに採用されているものになります。

他のインデックスファンドに比べて信託報酬が若干高めですが、新興国への投資により大きなリターンを期待することができるファンドです。

名称 eMAXIS Slim新興国株式インデックス
投資対象 新興国株式:100%
MSCIエマージング・マーケット・インデックスに連動
買付手数料 なし
信託報酬 0.187%
解約手数料 なし
分配金実績 0円

出典:楽天銀行株式会社「ファンド詳細」

ひふみプラス

ひふみプラスは、国内外の上場株式中心に投資をするファンドです。

国内外の株式とありますが、運用資産の約8割が国内株式で構成されているため比較的リスクを抑えています。

長期的な成長性のある株式を選定して投資しているため、リターンも期待できます。

基準価格の推移から見ると、長期的には右肩上がりを続けていますが、短期的には上昇と下落を繰り返しているファンドです。

そのため、長期的な運用である程度のリターンを狙いたい方におすすめのファンドといえます。

名称 ひふみプラス
投資対象 国内、国外株式:100%
買付手数料 なし
信託報酬 0.187%
解約手数料 なし
分配金実績 0円

出典:楽天銀行株式会社「ファンド詳細」

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)

積立NISAの中でも人気の高い、完全バランス型の商品になります。

国内、国外の株式、債券、不動産に満遍なく投資することで、最も分散投資をしているファンドになります。

そのため、リスクを最小限まで抑えた運用が可能です。

大きなリターンを得ることは難しいですが、コスト、リスク共に低く初心者におすすめのファンドです。

名称 eMAXIS Slimバランス
(8資産均等型)
投資対象 国内株式:12.5%
先進国株式:12.5%
新興国株式:12.5%
国内債券:12.5%
先進国債券:12.5%
新興国債券:12.5%
国内REIT:12.5%
先進国REIT:12.5%
買付手数料 なし
信託報酬 0.154%
解約手数料 なし
分配金実績 0円

出典:株式会社SBI証券「三菱UFJ国際-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」

三井住友TAM-世界経済インデックスファンド

全世界の株式、債券に50%ずつ投資を行うファンドです。

各地域のGDPに合わせて投資する割合を変えているため、世界経済の成長性と連動しています。

今後も世界全体の経済は成長していくと見込まれるため、長期的なビジョンに置いてリターンが期待できる銘柄です。

アクティブファンドのため信託報酬が高いですが、ここ1年間でもおよそ20%の値上がりを見せており、ファンドとしての期待度は高いです。

名称 三井住友TAM-世界経済
インデックスファンド
投資対象 国内、国外株式:50%
国内、国外債券:50%
買付手数料 なし
信託報酬 0.55%
解約手数料 なし
分配金実績 0円

出典:株式会社SBI証券「三井住友TAM-世界経済インデックスファンド」

積立NISAの複数銘柄の組み合わせについて

積立NISAの複数銘柄の組み合わせについて

投資信託は、銘柄ごとに様々な特徴を持っており、1つの銘柄で複数の投資対象・銘柄がセットになっているのが一般的です。

投資信託を1銘柄保有しているだけでも一定の分散投資になるため、分散投資という意味で積極的に複数の投資信託を購入する必要はありません。

しかし、よりリスクをとってリターンを求めたい、あるいはリスクをより小さくして堅実な運用がしたいなどの理由から、複数の投資信託に関心を持つこともあるかもしれません。

そのような場合は、複数の投資信託を保有するのも1つの方法です。

複数銘柄を保有すれば投資先が増え、保有資産の多様化に繋がります。

リスクをとって攻める組み合わせ例

  • SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(S&P500連動型):70%
  • eMAXIS Slim新興国株式インデックス:30%

アメリカのS&P500を70%、新興国を30%の割合とし、2つのインデックスファンドを組み合わせたポートフォリオです。

勢いのある米国株をメインとしながら、今後大きな成長が期待できる新興国株式もカバーしています。

米国株の安定したリターンを受けながら、新興国株式の大きなリターンに期待できる点が強みです。

一方で、新興国株式は価格変動(ボラティリティ)が大きい傾向にあるため、値下がりリスクも大きくなります。

自身のリスク許容度に応じて、保有割合をコントロールすると良いでしょう。

株式と債券をバランス良く組み合わせた例

  • eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー):60%
  • 楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視型):40%

ややリスクを抑えた運用をしたい方は、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」と、債券比率の高いバランスファンド「楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視型)の組み合わせがおすすめです。

構成比率は全世界株式が約60%、債券が約40%で始めてみるのがいいでしょう。

投資対象が株式だけでは不安という方に適しており、債券を組み入れることでリスクを抑えた堅実な運用利回りを期待できます。

20、30代は株式比率を高めにし、40代以降は徐々に債券比率を高めていくなど、自身の年齢や資産額に応じた柔軟な運用が可能です。

リスクを抑えた運用を目指す組み合わせ例

  • 三井住友TAM-世界経済インデックスファンド(株式・債券均等型):20%
  • 楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視型):80%

バランスファンド2銘柄を組み合わせ、特に債券を重視した資産構成です。

上記の例では、株式が約34%、債券が約66%の構成比率となっています。

積立NISAでリターンを期待するには、株式を少なくても20%~30%程度ポートフォリオに組み入れておきたいところです。

株式への投資を行いながらも、資産全体における債券の比率を高くすることで低リスクな運用を目指すことができます。

どちらの銘柄にも債券が含まれているため、ポートフォリオ全体の債券割合を見直しやすい点もメリットです。

年齢に応じてリスクの低い商品に入れ替えていく

積立NISAを利用して投資信託を購入する際は、中長期の視点に立って考えることが重要です。

とはいえ、一度買い始めた投資信託は、その後も買い続けなければいけない訳ではありません。

運用状況や景気、自身の状況変化に応じて購入銘柄を変更することも可能です。

一般的に20、30代は、リスクを多めに取った「株式」メインで運用する方が多く、40代の方はリスクとリターンのバランスが取れた銘柄を選ばれる方が多いでしょう。

50代以上の方は債券を中心としたリスクを抑えた銘柄にシフトしていくなど、ライフステージに合わせてリスク調整していくことも資産運用の大事な要素です。

積立NISAを成功させるためのコツ

積立NISAを成功させるためのコツ

積立NISAでの運用を成功させるためのコツとして、以下の3つが挙げられます。

  • 長期的に運用する
  • ドルコスト平均法で購入し続ける
  • ネット証券を利用する

それぞれのコツをしっかりと押さえ、運用を成功させましょう。

長期的に運用する

S&P500のチャート

出典::TradingView

積立NISAで資産運用をする際は、長期的に運用することが重要です。

長期運用することで、元本割れのリスクを抑えることができるためです。

短期的な運用を行うと、リーマン・ショックのような金融危機で株価が暴落した際に大きな損失を抱えるリスクがあります。

リーマン・ショックの場合、暴落から約5年で株価が当初の水準まで戻っています。

暴落時でもそのまま運用を継続していれば、数年後には利益が出る状態まで株価が回復したということが分かります。

もちろんこれは過去データからの話であるため、今後も同様に「暴落しても数年後には株価が回復して利益になる」とは限りませんが、長期運用の方が短期運用よりもリスクを抑えられる可能性が高いです。

積立NISAで運用する際には短期的な損失にとらわれすぎず、長期目線で運用を続けていきましょう。

参考:日本経済新聞「相場急落→回復で笑う投資家 リーマン5年の教訓」

ドルコスト平均法で購入し続ける

積立NISAで運用する場合、「ドルコスト平均法」で購入することが重要となります。

ドルコスト平均法とは、価格が変動する株や投資信託などを「定期的に一定額」買い続ける方法です。

同じ投資商品を定期的に一定額ずつ買い続けるため、価格が下がった時は購入する量が多くなり、価格が上がった時は購入量が少なくなります。

購入するタイミングを分散することで、平均購入単価も下がりやすい点がドルコスト平均法のメリットです。

平均購入単価が下がれば損失を抱えるリスクも小さくなるため、積立NISAをする際はドルコスト平均法を用いた運用がおすすめです。

ドルコスト平均法の運用例

例えば、購入する金融商品の価格(10,000口分)が1月に10,000円、2月に12,000円、3月に8,000円になった場合を考えます。

ドルコスト平均法で毎月5万円を買い続ける場合と、毎月50,000口買い続ける場合では以下の表のようになります。

  ドルコスト平均法で購入(毎月5万円ずつ購入) 毎月50,000口ずつ購入
1月 金額:50,000円
口数:50,000口
金額:50,000円
口数:50,000口
2月 金額:50,000円
口数:41,666口
金額:60,000円
口数:50,000口
3月 金額:50,000円
口数:62,500口
金額:40,000円
口数:50,000口
合計 金額:150,000円
口数:154,166口
金額:150,000円
口数:150,000口

投資金額はどちらも同じ「150,000円」ですが、口数はドルコスト平均法の方が多くなっています。

総購入価格が高くなるリスクを回避するためにも、ドルコスト平均法での運用がおすすめです。

ネット証券を利用する

積立NISAを運用する証券会社を探す場合は、ネット証券をおすすめします。

積立NISAだけでなく個別株投資にも興味がある方は、ネット証券を利用するメリットが多いです。

ネット証券は取扱銘柄数が豊富で、少額からの投資に対応しているケースが多くあります。

手数料も安く設定されているため、繰り返し取引を行っても手数料負担を小さく抑えることができます。

積立NISAをきっかけに個別株の取引を始めるケースも少なくありません。

将来的に個別株取引をする可能性がある場合は、利便性が高く手数料も安いネット証券の利用がおすすめです。

積立NISA口座を開設する証券会社の選び方

積立NISA口座を開設する証券会社の選び方

積立NISAを始める際の重要なポイントとして、「口座を開設する証券会社をどこにするか」という点が挙げられます。

運用を成功させるための証券会社選びのポイントは以下の4つです。

  • 手数料が安いだけで選ばない
  • 取扱商品数が多いかどうか確かめる
  • アプリやツールの使いやすさで選ぶ
  • ポイントが貯められるかどうかで選ぶ

それぞれのポイントを確認しましょう。

手数料が安いだけで選ぶのはおすすめしない

証券会社を選ぶ際に「手数料の安さ」を確認することは大切ですが、単純に手数料が安いという理由だけで選ぶことはおすすめしません。

なぜなら、取引金額や年齢に応じて手数料が変動するケースが多く、人によって手数料が異なるためです。

例えば株の現物取引を行う場合の手数料について、楽天証券の「いちにち定額コース」なら1日の約定代金合計100万円までは手数料がかかりません。

一方、松井証券では1日の約定代金が50万円を超えると手数料が税込1,100円かかりますが、25歳以下の方はどれだけ取引をしても手数料無料です。

各証券会社で手数料の設定内容が異なるため、予定している取引の頻度や年齢に合わせて手数料を比較しましょう。

参考:楽天証券「手数料」
参考:松井証券「現物取引 手数料」

取扱商品数が多いかどうか

証券会社によって取扱商品数には違いがあり、特に投資信託の本数(銘柄数)には差があります。

豊富な選択肢から選ぶためにも、取扱商品数が多い証券会社を選ぶとよいでしょう。

投資信託の本数以外にも、海外株式や単元未満株サービス、国内や海外のETF・REIT、IPOの取り扱いなど、各証券会社で商品ラインナップは大きく異なります。

積立NISA以外にも投資したい商品がある場合は、事前に取り扱う商品のラインナップを確認しておきましょう。

アプリやツールの使いやすさで選ぶ

取引を行うアプリやツールの使いやすさも比較しましょう。

情報収集のしやすさや取引画面の使いやすさなど、実際に使いながら比較してみることをおすすめします。

例えば、以下の表はSBI証券と楽天証券のアプリ、取引ツールを比較したものです。

  SBI証券 楽天証券
PCツール HYPER SBI
HYPER SBI2
MARKET SPEED II
MARKET SPEED FX
アプリ ・SBI証券株アプリ
・かんたん積立アプリ
・SBI証券米国株アプリ
・SBI証券FXアプリ
・SBI証券先物・オプションアプリ
・HYPER先物・オプションアプリ
・取引所CFDアプリ -くりっく株365

・iSPEED
・iSPEED FX
・iSPEED 先物OP
・iSPEED for iPad

実際の使いやすさや見やすさなどはアプリやツールを操作してみないと分からない部分もあります。

証券会社が提供しているアプリや取引ツールを比較し、自分に合ったサービスを活用しましょう。

ポイントが貯められるかどうか

証券会社によっては投資商品の保有や、クレジットカードを利用した投信積立に設定することで、取引に応じてポイントが貯まるサービスがあります。

貯められるポイントや、貯まったポイントを使ってポイント投資ができるかなど、ポイントの使い道を比較して選びましょう。

以下の表はSBI証券と楽天証券のポイントサービスについてまとめたものです。

  SBI証券 楽天証券
対応クレジットカード 三井住友カード 楽天カード
貯められるポイント ・Vポイント(投資信託購入で貯まる)
・Tポイント、Pontaポイント、dポイント、JALマイル(取引に応じて貯まる)
・楽天ポイント
クレカ積立のポイント付与率 0.5%〜5.0% 0.2%または1%
ポイント投資 投資信託の購入
(スポット買付のみ。TポイントとPontaポイントが対象)
投資信託、国内株式、米国株式、バイナリーオプション

貯められるポイントや付与率などを比較し、自分に合ったサービスを選びましょう。

出典:SBI証券「SBI証券のえらべるポイント!複数のポイントからえらべるのはSBI証券だけ!」
出典:楽天証券「ポイント投資」

まとめ:積立NISAのおすすめ銘柄をチェックしよう 

積立NISAのおすすめ銘柄をチェックしよう 

今回は、積立NISAのおすすめの銘柄とその選び方について解説しました。

まずは自分の投資スタイルやリスクの許容度を考えながら、選ぶ銘柄を決めると良いでしょう。

分散投資が基本にはなりますが、その中でも大きなリターンを狙うのか、リスクを最小限に抑えるのかで銘柄は異なります。

もし「どの銘柄を選べば良いかわからない」という方は、今回ご紹介した10選から検討してみてください。

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