資産全体のリスク軽減と安定的なリターンを目指す投資手法として、「コア・サテライト運用」があります。資産運用の基本戦略として、機関投資家を中心に広く知られている手法ですが、個人投資家にはあまり浸透していません。

この記事ではコア・サテライト運用のポイントと、メリット・デメリットについて解説します。

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コア・サテライト運用とは

コア・サテライト運用とは、コア(中核部分)サテライト(衛生)に分けてポートフォリオを組むことです。ポートフォリオとは、預金・株式・債券・不動産など、投資家が保有している金融資産の組み合わせのことです。

コア・サテライト運用では、ポートフォリオ全体のリスク軽減とリターンの安定化を目指しながら、収益の底上げを図ります。コア部分で安定的な収益を確保しながらサテライト部分でリスクの高い資産を組み入れ、市場平均よりも高いリターンを目指して運用を行うのです。

リスクとリターンの関係

投資におけるリスクとリターンの関係を確認しておきましょう。リターンとは、投資で得られる成果のことです。収益が得られることもあれば、損失になることもあります。

リスクは、一般的には「危険」という意味で使われていますが、資産運用の世界では「結果が不確実」であることを意味し、具体的には「リターンの振れ幅」のことです。

下の図をご覧ください。

証券Aに比べると、証券Bの方が価格の振れ幅が大きくなっています。この場合、「有価証券Bが有価証券Aよりリスクが高い」と判断します。

コア(安定運用)とは

対象資産

◯国内債券

◯海外債券

◯インデックスファンド

など

コア・サテライト運用の「コア」とは、ポートフォリオの中核として、中長期で安定的に資産運用する部分です。一般的にリスクが比較的小さい債券などを「コア」にします。

また投資信託では、低コストで幅広い銘柄に分散投資できる「インデックスファンド」もコア部分として適しています。インデックスファンドは幅広く分散投資しているので、リスクを軽減させる効果があるからです。インデックスファンドとは、日経平均株価や NYダウなど指数に連動した運用成果を目指す投資信託

たとえば、日経平均株価に連動したインデックスファンドなら、日経平均株価に採用されている225銘柄を買っているのと同じ効果があります。
インデックスファンドはアクティブファンドと違って、個別銘柄のリサーチや分析を必要としないため、コストを大幅に削減すること可能です。また個別銘柄の入れ替えに伴う売買コストもかからないので、低コストで長期保有に向いています

積極運用(サテライト)とは

対象資産

◯国内株式

◯海外株式

◯アクティブファンド

など

比較的値動きの大きい金融資産を「攻め」として、サテライト運用で保有します。国内外の株式などが、サテライト部分にあたります。また投資信託では、比較的リスクを取ってリターンを狙う「アクティブファンド」が適しています。

アクティブファンドとは、ファンドマネージャーが自らの知識と市場分析能力を用いて、市場平均を上回るリターンを目指す投資信託です。市場平均を上回ることを目的としているので、銘柄をある程度絞り、積極的にリスクを取りながらリターンを目指します。

サテライトの部分は、リスクを取ってリターンを狙う攻めの役割があります。攻めと守りのバランスが大切になるので、初心者の方はまず守りとなる「コア」の部分をしっかりと固め、安定した資産づくりを目指すことから始めるのがオススメです。

コア部分とサテライト部分のリスクとリターンの関係は、以下の通りです。国内債券が一番「ローリスク・ローリターン」外国株式が一番「ハイリスク・ハイリターン」の金融商品になります。


コア・サテライト運用のメリット

コア・サテライト運用は、分散投資の一種で、多くのメリットがあります。通常の分散投資とコア・サテライト運用のメリットを比較してみましょう。

分散投資とは、債券や株式など投資対象を多様化させることで、資産運用におけるリスクを低減させてリターンを目指す投資手法です。また、分散投資は幅広い銘柄に投資しているので、相場変動に左右されにくいというメリットがあります。分散投資についての詳細は、以下の記事をご覧ください。

分散投資とは?メリット・デメリットと4つの方法を詳しく解説

コア・サテライト運用も分散投資と同じようにリスクを抑制していますが、サテライト部分でリターン向上を図れるというのが大きなメリットです。通常のサテライト部分は2割程度ですが、リターンを狙いたいときは、組入比率を3割に上げたりすることもできます。

投資目的やリスク許容度に合わせたポートフォリオを組みやすいという特徴があるのです。

コア・サテライト運用のデメリット

コア・サテライト運用のデメリットについても確認しておきましょう。

ポートフォリオの管理の手間がかかる

コア・サテライト運用は、ポートフォリオ管理の手間がかかることがデメリットです。複数の資産を持つことで分散投資の効果を上げることができますが、資産を持てば持つほど銘柄の入れ替えや管理が煩雑になります

また、コア部分を8割、サテライト部分を2割と決めていても、市場環境によってポートフォリオの割合は変わってきます。ですから、頻繁にリバランス(銘柄の入れ替え)などのメンテナンスを行う必要があるのです。

リスク管理が必要

サテライト運用部分は、リスクの高い株式や投資信託を組み入れます。サテライト運用部分を高くしすぎると、思わぬ損失を被る恐れもあります。サテライト運用部分は2割程度にし、高くても3割に抑えるようにしましょう

コア・サテライト運用のポイント

コア・サテライト運用では、「コア運用」と「サテライト運用」をどの程度の比率でポートフォリオを組むかということも重要なポイントです。コア運用の比率を高めれば、「ローリスク・ローリターン」の安定運用になりますし、サテライト運用の比率を高めれば、「ハイリスク・ハイリターン」の積極運用になるからです。

コアとサテライトの資産配分は、年齢や年収・リスク許容度などを考慮しながら決定します。資産運用が初めての方や、リタイアが近い方はコア部分の運用だけにしても良いでしょう。投資経験が十分にある方や、時間や資産に余裕がある方は、サテライト部分の比率を増やすようにします。

コア・サテライト運用の比率は人によって異なりますが、コア部分に7~8割サテライト部分に2割~3割配分するのが基本。ここから各人のリスク許容度に合わせて、コア部分とサテライト部分の比率を変えていくようにしましょう。

投資信託でコア・サテライト運用を行う

個人投資家がコア・サテライト運用を行う場合、株式や債券の個別銘柄だと多くの資金が必要です。ですから、コアの部分を「インデックスファンド」サテライト部分を「アクティブファンド」と投資信託で運用するのがオススメです。

インデックスファンド(コア)8割+アクティブファンド(サテライト)2割など、自分のリスクに応じたポートフォリオを組むのです。最初は、インデックスファンドとアクティブファンドの種類を1本ずつから始め、必要に応じてファンドの数を増やしていっても良いでしょう。

まとめ

コア・サテライト運用は、金融商品を「コア」と「サテライト」に分けることで、通常の分散投資よりもリスクを軽減させながら安定的なリターンを目指すことができます。しかし、リターンを目指すあまりサテライト部分を大きくしすぎると、思わぬ損失を被る恐れがあります。

サテライト部分は通常2割、多くても3割までにして安定運用を心がけるようにしましょう。

記事 山下 耕太郎

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