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M life 記事

お金 2018.9.25

【FP監修】年金問題をわかりやすく解説!原因や今後の展望

 

年金制度は老後の生活を安定させ、また、自分に万一のことがあった場合でも自分や家族が安心して暮らせる制度です。

 

しかし、少子高齢化がさらに進展し、少ない現役世代で多くのお年寄りを支えていけるのか、若い人たちの年金保険料の未払いにどのように対応するのかなど不安を抱いている方も多いと思います。この記事では、年金制度の概要と問題点・今後の展望について解説をいたします。

 

年金の3つの種類

 

 

年金制度は国民が全員加入する義務を負う国民年金、給与所得者が加入する厚生年金があります。なお公務員や私学教職員は共済年金に加入していましたが、201510月に厚生年金に一本化されました。

 

①国民年金

国民年金は、日本国内に住所がある20歳以上60歳未満の方がすべて加入しなければならない義務があります。 

 

 国民年金には、自営業者や学生・フリーターなどが加入する第1号被保険者、サラリーマンや公務員など厚生年金被保険者が加入する第2号被保険者、第2号被保険者の配偶者が加入する第3号被保険者があります。

 

なお第2号被保険者および第3号被保険者の国民年金保険料は、加入している年金制度から一括して差し引かれますので、直接支払う必要はありません。国民年金保険料は平成30年度で月額16,340円となっています。

 

なお、従来は25年間保険料を納めないと受給資格がありませんでしたが、20178月より10年間でも受給できるように改正されました。

 

②厚生年金

厚生年金は、民間会社や公務員が国民年金に上乗せする形で加入する年金制度です。保険料は被保険者と会社が折半して支払い、毎月の給料やボーナスから天引きされます。厚生年金の保険料は毎月の給料分は標準報酬月額×保険料率、ボーナス分は標準賞与額×保険料率の数式で表されます。

 

③共済年金

公務員や私学教職員は、共済年金に加入していましたが、厚生年金との格差を是正するために一本化されました。統合により共済年金だけにあった3階建部分の職域加算も廃止されました。なお、既に退職共済年金を受給している方、および20159月までの組合員であった方は職域部分を受給できます。

 

年金制度の問題点とは?

 

 

年金制度の仕組みは、働いている世代が納付する保険料を積み立て、年金を支払うという賦課方式を採用しています。日本は少子高齢化社会のため、年金制度を維持していくのには、さまざまな問題点を抱えています。次に日本の年金制度の問題点について解説をいたします。

 

1:専業主婦の年金問題

給与所得者の妻は、夫が厚生年金を納めているため、ご自身の国民年金保険料を納める必要がありません。しかし夫が自営業の場合は、ご自身の国民年金保険料を支払わなければ、将来年金を貰うことができません。

 

それゆえ夫が退職したり、離婚したり、ご自身が働き始めたような場合には、ご自身で国民年金保険料を納める必要があります。この切り替えを行うことを忘れ、保険料が未納となる例が続出したため、未納者を救済する特例措置が出されました。

 

しかし、きちんと保険料を納めている方もいますので、不公平であるという批判が多く寄せられ、救済措置は凍結されることになりました。変更を忘れている方は100万人にも上るとされ、年金制度の大きな問題点となっています。

 

参考:http://nenkin-online.com/topics/st0013.html

 

2:IMFにおける年金問題

20131月に、IMF(国際通貨基金)により世界有数の年金問題の専門家および政策立案者が集まり、年金問題について議論されました。金融危機後、どの国でも財政が悪化し、どのようにして世代間の公平性を保ちながら年金改革を行うべきか討議されました。

 

参考:https://www.mri.co.jp/opinion/mreview/topics/201303-3.html

 

3:外国人の年金問題

国民年金の任意脱退制度は、受給資格期間が25年から10年で年金受取が可能となったため、2017731日で廃止になりました。日本の年金制度は国籍を問いませんので、日本に住んでいる外国人は年金保険料支払いの義務がありますが、10年の受給資格期間を満たした場合は年金受取の権利があります。

 

なお10年に満たないとしても、脱退一時金の請求が可能な場合があります。しかし納めた保険料が全額戻ってくるわけではありません。

 

参考:http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/sonota-kyufu/dattai-ichiji/20150406.html(日本年金機構HP)

 

また、外国人が帰国した場合、社会保障協定を締結している国ではその国の年金保険料に反映されますが、結んでいない国では掛け捨てになってしまいます。

 

4:少子高齢化による年金問題

日本の公的年金は、賦課方式を採用していますので、少子高齢化が進むと年金を納める世代が減り受給する高齢者世代が増えます。そのため、少ない人数で多くの高齢者を支えることになり、年金制度が破綻する恐れがあります。

 

5:年金制度に対する国民の不信感

年金制度については、次のような問題点について国民の不信感があります。

 

・少子高齢化が進み、年金が貰えなくなるのではないかという不安

・お年寄りに有利で現役世代が損をするという世代間格差に対する不満

・年金運用の失敗に対する不信感

・支給漏れなどの多くの不祥事

 

年金問題は深刻な状態なのに破綻しないのはなぜ?

 

 

今まで述べてきたように、年金制度は多くの問題点を包含していますが、なぜ破綻しないのでしょうか。その理由について説明をいたします。

 

年金が一種の「保険」であるから

年金は福祉制度の一環であるとお考えの方も多いと思いますが、年金は一種の保険とも言えます。健康保険は、病気やけがなどのリスクに備えるものであり、健康状態が長く続けば支払った分が損になります。年金は長生きをした場合に備えるもので、若くしてこの世を去った場合には損をしたことになります。

 

健康保険が  、すべてをカバーすることができないのと同様に、年金の不足分はご自身で形成していかなければなりません。しかし年金は受給してから10年ほどで元が取れますので、長生きすればするほど  お得な金融商品ということができます。

 

年々、所得が増えているから

2018年度の政府のGDP成長率は、実質で 1.5%程度、名目で1.7%程度の見通しとなっています。また2019年度のGDP成長率は、実質で 1.5%程度、名目で2.8%程度と順調に推移すると予測されています。経済が成長すれば所得が増え、年金保険料の徴収額も増えます。また景気が良ければ、年金積立金の運用利回りもよくなることが期待できます。

 

出典:平成 30(2018)年度 内閣府年央試算|内閣府
http://www5.cao.go.jp/keizai1/mitoshi/2018/h300706shisan.pdf

 

「財政検証」で良質な経済政策がなされる見込みがあるから

政府は、少なくとも5年ごとに財政の健全性を検証(財政検証)するための資料  を作成しなければなりません。少子高齢化および財政状況などを勘案し、社会・経済情勢の変化に対応した年金制度の改正や経済対策が実施されます。

 

出典:厚生労働省|国民年金及び厚生年金に係る 財政の現況及び見通し ー 平成26年財政検証結果 
https://www.mhlw.go.jp/nenkinkenshou/report/pdf/h26_01.pdf

 

年金制度は今後どうなる?

 

 

日本はこれからますます少子高齢化が進むとみられますが、年金制度は破綻してしまうのでしょうか。年金制度の今後について解説をいたします。

 

若者2人で1人の高齢者を扶養しなければならない

内閣府の「高齢世代の人口比率」調査によりますと、昭和25年には12.1人の現役世代(1564歳)で1人の高齢者(65歳以上)を支えていました。しかし2015年には2.3人の現役世代で1人の高齢者を支え、2050年には1.3人になると予測されています。

 

出典:内閣府|第1章 高齢化の状況(第1節 1)
http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2016/html/zenbun/s1_1_1.html

 

現状で貰える金額より減る可能性がある

少子高齢化に対応するために、2004年度にマクロ経済スライドが導入されました。これは、若年人口の減少や平均余命の伸びが進む中で、財政再計算()を行うたびに賃金・物価変化に対応して年金受給額を自動的に調整する仕組みです。マクロ経済スライドは、年金の支給額を抑える手法であり、これにより年金が減る可能性があります。

 

出典:日本年金機構HP

http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/kyotsu/shikyu-chosei/20150401-02.html

 

※将来必要となる保険料水準の段階的な引上げ計画を再計算すること。

 

年金制度が異なる形態になるかもしれない

少子高齢化の日本で、現役世代が完全に高齢者を支えていくことは、無理があると言えるでしょう。少子高齢化という環境の中で、ふさわしい年金制度を確立していくためには、高齢者が働ける仕組みを作り、受給年齢を遅らせ、給付額を減らす方向性しかないでしょう。

 

年金が福祉制度ではなく、保険であると解釈するならば、老後の生活に不足する部分は、個人が用意しなければならないという社会が到来することが予想されます。

 

最後に

 

 

年金財政が悪化したのは、日本の経済が低迷したため雇用環境が悪化し、賃金が増えなかったことに原因があります。今後日本の年金制度の基盤を強化するためには、高い経済成長を維持し、雇用と賃金を改善していく必要があるでしょう。

 

高齢になっても働ける環境を作ると同時に、年金給付額も減額しなくてはなりません。これからの豊かな老後生活は、ご自身でプランニングする時代になるでしょう。

監修者:木村 政美(ファイナンシャルプランナー)

 

 

 

 

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