外貨預金のメリット・デメリット!リスクを減らす方法や仕組みを解説
「外貨預金」は、低金利が続く日本に比べて高い金利を得られるほか、円安時のリスク対策にもなることから人気が高い投資手法です。
一方で手数料や為替リスクなどのデメリットもあるため、外貨預金を始める際には特徴を理解しておく必要があります。
この記事では、外貨預金の基本的な特徴やメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
外貨預金のリスクを減らす方法も紹介しますので、検討されている方は参考にしてください。
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この記事の目次
外貨預金とは
円を外国通貨に換えて預金すること
「外貨預金」とは、日本円を外国の通貨と交換して預金することです。
外国通貨には、アメリカの米ドルやオーストラリアドル、ヨーロッパのユーロなど様々な種類があり、預金期間中は通貨ごとに異なる金利が受け取れます。
一般的には日本円を外貨に換えて預け入れ、引き出すときには外貨から円に戻すことが多いです。
そのため、「円から外貨」「外貨から円」に換えるときに、それぞれ各時点での為替レートの影響を受けます。
預け入れ時と引き出し時で為替レート(円高・円安)に差がある場合、最終的な日本円での受取額に反映されます。
円高・円安の仕組み
外貨預金は「円高・円安」といった為替レートの変動によって、最終的な受取額が変動します。
そのため、円高・円安の仕組みについて理解しておくことが大切です。
例えば、「1ドル = 100円」のレートから「1ドル = 95円」になると、1ドルの交換に必要な日本円が100円から95円となります。
米ドルに対する日本円の価値が高まっているため、この場合は「円高」です。
一方、「1ドル = 100円」のレートから「1ドル = 110円」に変動すると、1ドルの交換に必要な日本円が100円から110円に増えます。
米ドルに対する日本円の価値が相対的に下がっているため、この場合は「円安」です。
為替レートは各国の金融政策や世界情勢など、さまざまな要因で変動します。
【2024】円高と円安はどっちがいい?今の日本の状況や金融緩和の影響を解説!
為替差益と為替差損について
外貨預金では、金利での収入に加えて「為替差益・為替差損」も利益に影響します。
「為替差益」は為替レートの差によって得られる利益のことで、「為替差損」は為替レートの差で生じる損失のことです。
例えば、「1ドル = 100円」の時に日本円を1,000ドルに換えるとき、必要な日本円は10万円です。
その後円安になり、「1ドル = 110円」にレートが変動した場合、預けていた1,000ドルは11万円となり、1万円の為替差益が得られます。
一方で円高になって、「1ドル = 90円」にレートが変動した場合は、1,000ドルは9万円となり、1万円の為替差損が発生します。
預け入れ時と引き出し時の為替レートによって、為替差益・為替差損が発生することを理解しておきましょう。
外貨預金の口座で行う
外貨預金は、金融機関の「外貨預金専用の口座」で行います。
これから外貨預金を始めたい方は、まず金融機関で外貨預金口座の開設手続きをしましょう。
口座開設後は持っている日本円を外貨に交換し、外貨の金利で運用を行います。
運用が終わったら、再度日本円に換えて引き出す仕組みです。
「円から外貨」「外貨から円」の交換は、金融機関が交換時点の為替レートで行ってくれます。
また、引き出し時には「日本円に交換して受け取る」か「外貨のまま受け取る」のいずれかを選択可能です。
引き出し時の為替の状況を見て、日本円と外貨のどちらで受け取るかを選択しましょう。
外貨預金の種類
外貨預金には、「普通預金」と「定期預金」の2種類があります。
預けたお金に金利が付く仕組みは円預金と変わりません。
ここでは、それぞれの外貨預金の便利な使い方や特徴を解説します。
普通預金
「外貨普通預金」は、いつでも自由に引き出せるタイプの預金です。
満期が定められていないため一定の金利が続くわけではなく、金利が変動する「変動金利」が適用されます。
いつでも引き出せるというメリットがある一方、定期タイプの預金に比べると金利は低めに設定されています。
定期預金
「外貨定期預金」は、預け入れるときに満期が決まっているタイプの預金です。
原則として、預けたお金を途中で引き出すことができません。
自由に引き出せないデメリットがある一方で、普通預金よりも高めの金利が設定されます。
また、預け入れ時の金利が満期まで変わらずに継続することが多いのも、定期預金の特徴です。
外貨預金のメリット
円よりも金利が高い通貨がある
低金利が長く続いている昨今では、円預金よりも外貨預金の方が高い利回りで運用できる場合があります。
例えば、ソニー銀行の円預金と外貨預金の金利は、以下のようになっています(2022年11月12日時点)。
日本円 | 米ドル | ユーロ | 人民元 | |
普通預金 | 0.001% | 1.00000% | 0.20000% | 0.00100% |
定期預金 (6ヶ月) | 0.020% | 3.10000% | 1.15000% | 0.10000% |
金利は確実に受け取れるものであり、安定して得られる利益です。
仮に為替差損が生じても、高い金利を受け取ることで損失を相殺できるケースもあります。
日本円よりも高い金利を受け取れる点はメリットといえるでしょう。
参考:ソニー銀行株式会社「円預金の金利一覧」
参考:ソニー銀行株式会社「金利一覧 外貨預金」
為替レート次第で為替差益を得られる
外貨預金では、為替レート次第で為替差益を得られる点もメリットとして挙げられます。
預け入れ時よりも円安になったタイミングで外貨を円に換えれば、為替差益を得ることが可能です。
例えば、「1ドル = 100円」(円高)のときに100万円を1万ドルに交換し、「1ドル = 145円」(円安)になったタイミングで1万ドルを日本円に交換すると145万円となります。
預け入れ期間中の金利収入のに加えて、45万円のリターンが発生します。
反対に、預け入れ時よりも円高になって思うような利益が出ていないときは、引き出し時に外貨のまま保有しておくことも可能です。
有利な為替相場のタイミングを見極め、為替差益を得られるまで待てる点も外貨預金のメリットになるでしょう。
円安時のリスク対策になる
日本円以外の通貨を保有する外貨預金は、円安時のリスク対策になります。
急速に円安が進む状況でも、大切な資産を守れる点が外貨預金のメリットです。
円安になると輸入品の価格が上がるため、ガソリンや食料品の値上げで生活費が上がり、資産の価値は相対的に低下します。
しかし、外貨預金をしている場合は円安によって為替差益が発生するため、預けている外貨の価値が上昇します。
資産を分散して外貨を保有しておくことが円安時のリスクヘッジになるでしょう。
外貨預金のデメリット・リスク
為替コスト(手数料)がかかる
通貨を交換する際には為替コスト(手数料)がかかります。
手数料によっては、金利によるリターンや為替差益を相殺してしまう可能性がある点に注意が必要です。
外貨預金は日本円を外貨に交換して預け入れ、外貨を日本円に交換して引き出すため、両替のたびに為替手数料がかかります。
両替時には為替手数料を上乗せしたレートが適用されるため、為替レート自体が変動していなくても元本割れとなるリスクはあります。
事前に利用する金融機関の為替手数料をチェックしておきましょう。
楽天銀行で外貨預金した場合の為替コスト
楽天銀行と三井住友銀行で米ドルの外貨預金をした場合、為替手数料(1米ドルあたり)は以下のようになります
銀行 | 為替手数料(1米ドルあたり) |
楽天銀行 | 25銭 |
三井住友銀行(インターネット) | 0.5円 |
三井住友銀行(店頭・電話) | 1円 |
「25銭」や「1円」という数字を見ると少額に見えますが、取引金額が大きくなるほど手数料は高くなります。
例えば、楽天銀行で預け入れていた1万米ドルを日本円に交換して引き出す場合、手数料は2,500円です。
預け入れと引き出しを繰り返していると手数料の負担が大きくなるため、できるだけ為替手数料が安い金融機関を選びましょう。
出典:楽天銀行株式会社「為替コスト」
出典:株式会社三井住友銀行「ネット取引のメリット」
円高になると元本割れの可能性がある
預け入れ時よりも引き出し時の為替レートが円高の場合、為替差損が発生します。
為替差損が大きければ金利で得られる利益よりも損失が大きくなり、元本割れになる可能性があるため注意が必要です。
為替レートは常に変動しているため、メリットにもデメリットにもなり得ます。
円安や円高を見極めることは難しいですが、為替差損を生まないためには通貨を交換するタイミングが重要です。
預金保険制度(ペイオフ)の対象外
外貨預金は預金保険制度(ペイオフ)の対象となりません。
預金保険制度とは、金融機関が破綻した場合に預金者を保護する仕組みです。
例えば日本円の普通預金に預けているお金は、1金融機関につき元本1,000万円までと破綻日までの利息が保護されています。
万が一お金を預け入れている金融機関が破綻しても、保護範囲内のお金は取り戻すことができます。
しかし、外貨預金は預金保険制度の対象外であるため、預けたお金をすべて取り戻せないリスクがある点に注意しましょう。
利益には税金がかかる
外貨預金によって得られた利益は、課税対象となることも認識しておきましょう。
具体的には「利息に対する税金」と「為替差益に対する税金」の2つがあります。
利息に対しては円預金と同様に、20.315%の源泉分離課税(国税15.315%、地方税5%)がかかります。
為替差益は、雑所得として総合課税の対象となるため、確定申告が必要です。
ただし年収2,000万円以下の給与所得者で、給与所得および退職所得以外の所得と為替差益の合計が年間20万円以下であれば、確定申告は原則不要となっています。
外貨預金のメリットはない?リスクを減らす方法
外貨預金は為替の変動によって利益が左右されますが、為替レートの予測は困難です。
日本円の預金に比べてリスクがあるため、適切なリスク対策が大切になります。
ここでは、外貨預金のリスクを減らす方法を解説します。
預け入れのタイミングを分散させる
外貨預金のリスクを抑える方法として、預け入れのタイミングを分散させることが挙げられます。
時間を分散することで、為替変動のリスクを軽減可能です。
例えば毎月一定額を預け入れる場合は、円高のときに多くの外貨を交換し、円安のときには外貨を少なく交換することで、為替レートの変動を平均化できます。
この方法は「ドルコスト平均法」と呼ばれ、リスク低減に有効な方法です。
為替を見極めるのが難しいと感じる方は、毎月一定額を定期的に預け入れる「ドルコスト平均法」を活用してリスクを抑えましょう。
ドルコスト平均法のメリット・デメリット!やり方やシミュレーション
通貨を分散して保有する
通貨ごとに為替レートが異なるため、資産を複数の通貨に分散して保有することで為替変動のリスク対策になります。
日本円だけでなく、米ドルやユーロ、イギリスポンドなどに分散することで為替レートの変動リスクを軽減できます。
例えば、ヨーロッパに旅行したい場合はユーロ、子どもをイギリスに留学させたい場合はイギリスポンドを持つなど、使いたい通貨に分散させるのもアイデアのひとつです。
ただし、金利が高いという理由だけで外貨に資産を集中させるのも危険です。
通貨だけでなく、株や債券など他の金融商品に対する理解も深め、資産をさまざまな商品に分散させることがポイントになります。
分散投資とは?種類やポートフォリオの例もあわせてわかりやすく解説
余裕資金で長期運用する
外貨預金は常に価格変動リスクが伴うため、大前提として余裕資金を預け入れることが大切です。
急激に為替レートが変動して損失が発生しても、生活に影響が出ない金額の範囲で行いましょう。
また、長期にわたって預け入れるタイミングをずらしながら少しずつ外貨を購入していけば、リスクを回避しながら安定的な運用を目指せます。
短期的に運用して増やそうとするのではなく、長期運用を目指すことが大切です。
外貨預金を始める方は、余裕資金を使って長期運用をするように心掛けましょう。
まとめ:外貨預金のメリットとデメリットを理解してから始めよう
外貨預金は、為替の変動によって利益が得られることもありますが、元本割れでマイナスになる可能性もあります。
メリットとデメリットを正しく把握した上で始めることが大切です。
外貨預金のリスクを減らす方法として、預け入れるタイミングや保有する通貨を分散させる方法があります。
外貨預金を始める際は、余裕資金を元に長期にわたって運用していくことをおすすめします。
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マネカツ編集部
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