ふるさと納税で寄付を行った場合は、「ワンストップ特例制度」か「確定申告」のどちらかの方法で税金を控除する手続きをしなければいけません。

ふるさと納税にには豪華な特産品や宿泊券等がもらえてお得というイメージがある反面、確定申告が必要で面倒なイメージがあるという方もいるでしょう。

そんな方に知ってもらいたいものがワンストップ特例制度です。

この制度を活用すると、会社員の方限定ではあるものの確定申告が不要になります。

この記事では、ワンストップ特例制度と確定申告について、それぞれの手続きの違いやどちらの方がお得なのかなどを解説します。

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ふるさと納税のワンストップ特例制度とは

ふるさと納税のワンストップ特例制度とは

まずは、ふるさと納税のワンストップ特例制度について概要を確認していきましょう。

確定申告が不要になる会社員向けの制度

ふるさと納税を行うと、寄付金額から自己負担金2,000円を差し引いた金額が所得税や住民税から控除されます。

元々控除を受けるためには確定申告の手続きが必要でしたが、2015年から「ワンストップ特例制度」がスタートしました。

ワンストップ特例制度は、会社員をはじめとする給与所得者、かつ1年間の寄付先が5自治体までであれば確定申告が不要になる制度です。

確定申告をする手間が省けるため、幅広い人に利用されています。

必要書類は申込用紙+マイナンバーカードだけ

ワンストップ特例制度を利用する際は、ワンストップ特例制度の申請用紙と本人確認書類を送付するだけで手続きが完了します。

本人確認書類として、マイナンバーを確認できる書類と本人を確認できる書類をそれぞれ提出する必要があります。

以下の3パターンのうち、いずれかの方法で書類の写しを用意しましょう。

  番号確認用 身元確認用
パターン1 マイナンバーカード(裏面) マイナンバーカード(表面)
パターン2 通知カードもしくは住民票
(個人番号入り)
運転免許証、もしくはパスポート
パターン3 通知カードもしくは住民票
(個人番号入り)
健康保険証
年金手帳
提出先自治体が認める公的書類のうちいずれか2点

マイナンバーカードを持っている場合は、両面をコピーして提出すれば番号確認用および身元確認用の確認書類として使用できます。

マイナンバーカードを持っていない場合は、通知カードか個人番号入りの住民票を用意する必要があります。

身元確認用の書類も、書類の種類によっては2種類必要になるため注意しましょう。

ワンストップ特例制度と確定申告はどっちがお得?

ワンストップ特例制度と確定申告はどっちがお得?

控除範囲内ならどちらでも変わらない

ワンストップ特例制度と確定申告のどちらを選んだとしても、控除される額はほとんど変わりません。

厳密にはワンストップ特例の方が数円程度お得になる場合もありますが、誤差の範囲内といえるため気にしないでも大丈夫です

実際に、年収500万円の方が5万円のふるさと納税を行ったケースについてシミュレーションしてみます。

5万円をワンストップ特例制度で申請した場合

控除項目 計算式 控除金額
住民税からの控除
(基本分)
(ふるさと納税額 – 2,000円)×10% 4,800円
住民税からの控除
(特例分)
(ふるさと納税額 – 2,000円)×
(100% – 10%(基本分)– 所得税の税率)
38,299円
申告特例控除 特例控除額 × 申告特例控除の割合 4,901円
合計   48,000円

ふるさと納税を行った5万円をワンストップ特例制度で申請した場合、控除額の合計は48,000円です。

ワンストップ特例制度を利用する場合は、住民税のみが控除の対象となります。

本来確定申告によって所得税から控除される分は、「申告特例控除」として翌年の住民税から控除されます。

参考:山口市「ふるさと納税ワンストップ特例制度について」

5万円を確定申告で申請した場合

控除項目 計算式 控除金額
住民税からの控除
(基本分)
(ふるさと納税額 – 2,000円)× 10% 4,800円
住民税からの控除
(特例分)
(ふるさと納税額 – 2,000円)×
(100% – 10%(基本分)– 所得税の税率)
38,299円
所得税からの控除 (ふるさと納税額 – 2,000円)×
「所得税の税率」
4,901円
合計   48,000円

5万円について確定申告を行った場合、控除額合計はワンストップ特例制度と同じく48,000円です。

確定申告を行う場合は、所得税と住民税がそれぞれ控除対象となります。

年収や寄付金額によっては控除の合計金額に数円程度の差が生じる場合もありますが、基本的にはほぼ変わりません。

参考:総務省ふるさと納税ポータルサイト「ふるさと納税の仕組み」

限度額を超えて寄付した場合は確定申告がお得

ふるさと納税で限度額を超えて寄付をした場合は、確定申告をした方がお得になりやすいです。

仮に、年収500万円の人がふるさと納税で70,000円の寄付を行ったときについて考えてみましょう。
独身、または共働きの場合、ふるさと納税での控除額上限の目安は61,000円となるため、限度額をオーバーした分は9,000円となります。

申告の種類 控除限度額を超えた額 限度額超過分の自己負担額
ワンストップ特例制度 9,000円 8,100円
確定申告 9,000円 7,181円

※所得税率は10.21%(復興特別所得税込み)で計算

ワンストップ特例制度の場合、控除額を超えた額に対する自己負担額は一律で90%となります。

年収500万円の場合、ふるさと納税の限度額を超過した分の自己負担額は8,100円です。

これに対して、確定申告を行なった場合は所得に応じて自己負担額が変動します。

年収500万円の場合は、超過分についての自己負担額は7,181円と計算されます。

その年の限度額を超えてふるさと納税を行ってしまった場合は、確定申告をした方がお得になる可能性が高いでしょう。

参考:株式会社ニッセイ基礎研究所「ふるさと納税のウソ、ホント-年間上限額を少し超える程度が丁度いい?」

ワンストップ特例制度と確定申告の違い

ワンストップ特例制度と確定申告の違い

ワンストップ特例制度と確定申告の違いを確認しておきましょう。

ワンストップ特例制度は住民税のみ控除される

ワンストップ特例制度は、所得税の還付はなく住民税の減税のみとなります。

申請を行うことで、翌年の住民税負担が軽減されます。

確定申告は、所得税+住民税で控除される

確定申告の場合は、所得税と住民税の両方が控除対象となります。

所得税については寄付を行った年の所得税から還付され、住民税は翌年の分から控除されます。

ワンストップ特例制度と確定申告は、併用できない点に注意しましょう。

基本的に控除される金額は同じ

ワンストップ特例制度と確定申告のどちらを選んだとしても、基本的には控除額は変わりません。

ただし、住宅ローン控除を利用する場合は注意が必要です。

ふるさと納税後に確定申告を行う場合、住民税と所得税の両方が控除対象となります。

住宅ローン控除で対象となる所得税分にも影響してくるため、結果として控除対象分が減ってしまう可能性があります。

一方、ワンストップ特例制度の場合は住民税のみが控除の対象となるため、住宅ローン控除を併用しても控除額の合計に影響はありません。

ワンストップ特例制度が利用できる方

ワンストップ特例制度が利用できる方

ワンストップ特例制度を利用するためには一定の条件があります。

ご自身が該当するかどうかを確認しておきましょう。

確定申告が不要な給与所得者(会社員)

ワンストップ特例制度は、確定申告をせずにふるさと納税の控除が受けられる制度です。

元々確定申告の必要がない給与所得者に適した制度といえます。

言い換えると、以下のケースのように確定申告が必要な方は、ワンストップ特例制度を利用することはできません。

  • 個人事業主・フリーランスの方
  • 不動産収入がある方
  • 年収が2,000万円を超える方
  • 2箇所以上から給与所得を受けている方
  • 給与所得以外の副収入が20万円以上ある方
  • 医療費控除や住宅ローン控除(初年度)を利用する方
  • 400万円を超える公的年金を受け取った方

ふるさと納税した数が5自治体以内の方

ワンストップ特例制度を利用できるのは、ふるさと納税の寄付先が5自治体以内の方に限られます。

6自治体以上にふるさと納税を行った場合は、上記の条件に当てはまらない場合でも確定申告をしないと控除を受けられないため注意してください。

ワンストップ特例制度の期限はいつまで?

ワンストップ特例制度の期限はいつまで?

ワンストップ特例制度を利用するためには、期限までに手続きを終える必要があります。

翌年の1月10日までに必着

ワンストップ特例制度の期限は、ふるさと納税した翌年の1月10日までとなります。

例えば2022年中にふるさと納税をした場合は、2023年1月10日(火)までに書類を提出する必要があります。

なお、その際は必要書類が1月10日までに寄付先の自治体に到着するように気をつけましょう。

期限ギリギリの対応にならないよう、遅くとも年末には書類を送付しておくことをおすすめします。

寄付した年の翌年1月1日までに名前や住所の変更があった場合も、同様に翌年1月10日までに「申請事項変更届書」が必要となるため注意しましょう。

提出を忘れたり期限に間に合わなかった場合は確定申告が必要

ワンストップ特例制度での申請を忘れてしまうと、確定申告での手続きが必要となります。

自治体ごとにワンストップ特例制度か確定申告かを選ぶことはできず、1自治体でも申請を忘れてしまった場合は、ワンストップ特例申請書を提出済みの自治体も含めて確定申告で控除の申請をし直さなくてはいけません。

ふるさと納税の確定申告は年々手続き方法が簡素化されていますが、それでもワンストップ特例制度に比べると手間だと感じる人もいるでしょう。

なるべくふるさと納税の手続きを簡単に行いたい人は、ワンストップ特例制度を利用するようにしましょう。

困ったら税務署に相談へ!落ち着いて対応しましょう

困ったら税務署に相談へ!落ち着いて対応しましょう

ふるさと納税に関して、税金のことでわからないこと、不安なこと等が出てくるかもしれません。

税金に関しては義務教育でほとんど勉強しないため、知らないことの方が多いでしょう。

そのような時はお近くの税務署に相談に行きましょう。税務署には相談窓口があるため、あなたの悩みの解決に協力してくれます。

税務署に行く時間を確保できない方は、インターネットを利用して問題解決を図ってみてください。

国税庁のホームページに税に関する質問の検索やチャットボット、電話で相談する流れの解説等があります。

参考:国税庁「税についての相談窓口」

まとめ:ワンストップ特例制度と確定申告の違いを把握して自分に合った方法で申請しよう

ワンストップ特例制度と確定申告の違いを把握して自分に合った方法で申請しよう

ふるさと納税を行った場合は、ワンストップ特例制度と確定申告のいずれかの方法で控除の手続きをする必要があります。

ワンストップ特例制度を利用すれば確定申告不要で簡単に手続きできますが、条件に該当していない場合は利用できません。

どちらの方法で手続きした場合も控除される金額はほとんど変わりませんが、上限額を超えて寄付を行う場合は確定申告の方がお得になります。

ふるさと納税を行う際は、どちらの方法が自分に適しているかをよく見極めるようにしましょう。

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