2020年~2021年にかけて大きく値上がりした仮想通貨。今後も値上がりが期待できることもあり、投資を始めた方やこれから投資を検討しているという方もいらっしゃるでしょう。そうしたときに気になるのが仮想通貨の税金ではないでしょうか。「仮想通貨の利益には税金がかかるの?」「確定申告って必要?」取引をはじめたばかりの方や、今まで確定申告が不要だった方にはわからないことは多いものです。本記事では、仮想通貨取引するうえで知っておくべき税金について、その特徴や計算例など詳しくご紹介します。

仮想通貨で発生した利益には税金がかかるのか

仮想通貨で利益が発生した場合は税金がかかり、確定申告が必要となります。確定申告とは、1月1日~12月31日までの1年間で得た所得に対しての税金を計算するための手続で、翌年の2月16日~3月15日が所得税の申告期限となっています。会社員であれば、会社からの源泉徴収や年末調整により納税されるため、確定申告は必要ありません。しかし、次の条件に該当する方は個別で確定申告が必要となります。

  • 給与所得が年収2,000万円を超える人
  • 給与所得以外の所得が20万円以上ある人
  • 給与所得がない場合は48万円以上の利益がある人

仮想通貨の利益が20万円以下、または損失がある場合は確定申告が不要

仮想通貨の利益が20万円以下の場合や、損失が出ている場合、課税されないため確定申告は不要となります。ただし、仮想通貨での利益が20万円以下でも原稿料やアフィリエイトなどの他の所得との合計が20万円を超える場合は確定申告が必要なので注意が必要です。

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仮想通貨取引で課税対象となる取引タイミング

仮想通貨取引での利益は課税対象となります。しかし、仮想通貨をただ保有しているだけではいくら利益があっても課税されることはないのです。課税対象の利益とは「利益確定」した利益であり「含み益」ではありません。含み益とは、保有している仮想通貨の価格が上昇することで発生する利益のことです。この時点では、仮想通貨をまだ売却していないため利益が確定していないのです。「利益確定」となるのは、この保有する仮想通貨を売却し、実際に利益や損失が生み出された時となります。「保有中のビットコインが50万円の利益が発生しているから確定申告しないと」というわけではないので注意が必要でしょう。ただし、利益が確定するタイミングは仮想通貨の取引によって異なります。

取引のタイミングには次のようなことがあります。

  • 仮想通貨を売却した時
  • 仮想通貨で決済した時
  • 自分の仮想通貨で他の仮想通貨を購入した時

それぞれ見てみましょう。

仮想通貨を売却した時

利益が発生する一般的なタイミングといえるのが、売却したときでしょう。保有している仮想通貨を売却した時の価格と、購入した時の価格との差額が利益となり税金が課せられるのです。ただし、仮想通貨取引所などから日本円を出金した時点が利益確定ではありません。出金していなくても、売却した時点が利益確定となるので注意が必要でしょう。

仮想通貨で決済した時

仮想通貨での商品の購入や、食事などのサービス代金を支払った時に利益が確定となります。基本的には、支払い代金から仮想通貨の購入代金を引いた差額が利益となります。売却のように分かりやすく利益が出ているわけではなく、一見すると利益が出ているように見えないため注意しましょう。これは、実際には日本円に換金していませんが、「仮想通貨を日本円に換金して支払いした」という考えのため、利益が確定するのです。

自分の仮想通貨で他の仮想通貨を購入した時

仮想通貨を使い別の仮想通貨を購入した場合も利益が確定します。新しく購入する仮想通貨の金額から購入に使用した仮想通貨の購入代金の差額が利益となるのです。「新しく購入した仮想通貨を売却したわけではないから」と思われる方もいらっしゃるでしょう。商品の購入同様に、「新しく仮想通貨を購入するために一度日本円に換金した」とみなされるため、新しい通貨を保有中であっても購入した時点で利益が確定するのです。

仮想通貨にかかる税金の特徴

仮想通貨での所得には税金が課せられますが、どのような税金が課せられるのでしょうか。所得と一口に言っても、給与所得や事業所得などさまざまな所得があるものです。その中でも、仮想通貨の利益は税制上の区分で「雑所得」に分類されます。雑所得とは、給与所得や不動産所得など税制区分上で定義付けられている所得以外の所得のことをいいます。仮想通貨での利益以外にも、アフィリエイトやFX取引での利益のような副業で得た収入が主に該当するのです。

雑所得には次のような特徴があります。

  • 所得税の課税方法は総合課税
  • 損益通算できない
  • 繰越控除できない

それぞれ見てみましょう。

所得税の課税方法は総合課税

給与所得などのほかの所得と合計した金額に税率をかけて、税額を計算する方法を総合課税といいます。たとえば、給与で年収500万円の所得があり仮想通貨で50万円の利益がある場合、500万円と50万円を合算した550万円が課税対象となるのです。ただし、同じ雑所得でもFXでの所得は「申告分離課税」に属するため、合算はできません。

累進課税率を掛けて納税額を計算する

累進課税とは、所得額が多ければそれに応じて税率も高くなる制度のことをいいます。所得額に応じで5%から最高で45%が課税されるのです。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

損益通算できない

損益通算とは、所得で赤字が出た場合、他の黒字の所得で相殺できる仕組みのことをいいます。たとえば、株取引の所得で100万円の赤字を出し、給与所得で300万円ある場合は、相殺することで200万円が課税対象となるのです。損益通算で相殺することで、課税対象となる所得額を抑えられ、税金の負担を減らせる可能性があります。しかし、雑所得ではこの損益通算ができないため、仮想通貨での損失を給与所得などで相殺できません。※ただし、同じ雑所得に区分される所得であれば損益通算可能です。例えば、仮想通貨を複数持っている場合は、それらの所得を差し引きできますし、アフィリエイトなどで雑所得がある場合も同様です。

繰越控除できない

株式取引などの赤字であれば、最高3年間は繰り越し所得と相殺できます。たとえば、株式で500万円の損失を出した場合、2年目に100万円の利益が出ても相殺して400万円の損失で申告できます。さらに、3年目に200万円の利益が出ても残りの400万円の損失で相殺できるのです。この繰り越して相殺できる仕組みを繰越控除といいます。

雑所得ではこの繰越控除ができないのです。いくら仮想通貨で高額の損失を出したとしても、その年のみで完結するので注意が必要でしょう。含み損の状態であれば申告の必要がないため、他に相殺する利益がない場合は損失を確定させずに翌年の利益と相殺させる、というのも税金対策の一つの手といえるでしょう。

仮想通貨の税金計算例

ここでは、仮想通貨の税金の計算例として3つのパターンを紹介するので、参考にしてみてください。給与年収について今回は給与所得控除と基礎控除のみ差し引いて計算しています。社会保険料控除や住宅ローン控除・生命保険料控除など他に控除がある場合は異なりますので、自分はいくらになるのか参考にして試算してみましょう。

年収400万の会社員(未婚)がビットコインで100万円の利益を出したケース

年収が400万円あり、ビットコインで100万円の利益を得た場合の計算は下記のようになります。

  • 400万円-124万円(給与所得控除)-48万円(基礎控除)=228万円(課税所得)
  • 228万円+100万円(仮想通貨利益/雑所得)=328万円(総課税所得)
  • 328万円×20%(税率)-42万7500円(控除額)=22万8,500円

よって22万28,500円が納税金額となります。

年収100万の学生(未婚)がイーサリアムで50万円の利益を出したケース

たとえば、アルバイトでの年収が100万円ある学生がイーサリアムで50万円利益を出した場合の計算は下記のようになります。

  • 100万円-55万円(給与所得控除)=45万円
  • 45万円+50万円(仮想通貨利益/雑所得)-48万円(基礎控除)=47万円(総課税所得)
  • 47万円×5%(税率)=2万3,500円

よって2万3,500円を納税しなければならないのです。

扶養から外れてしまうので注意が必要

上記の場合は親の扶養から外れてしまう可能性が高いといえます。学生などは親の扶養に入っていることが一般的でしょう。子供が親の扶養に入るためには次の条件があります。

  • 年間の所得が48万円以下
  • 給与所得の場合は103万以下

アルバイトなどで所得のみがある場合、給与所得控除の55万円と基礎控除48万円を受けられ103万円までは扶養に入れます。ただし、雑所得には給与所得控除がないため、経費を引いた利益が48万円を超えると扶養から外れてしまうので注意が必要でしょう。親の扶養に入っている学生であれば、年収が103万を超えると親の扶養から外れてしまい、親は扶養控除などが受けられず負担が増えてしまいます。さらに、130万円を超えると親の健康保険からも外れなければならないため、自分で保険料を負担しなければならないのです。また、収入額によっては国民年金の猶予制度である「学生納付特例制度」を利用できなくなるため、年金の保険料負担もかかってきます。

扶養に入っている学生は、扶養から外れることで親も子も負担が増えるので注意が必要です。扶養から外れそうな場合は、あらかじめ親にそのことを報告するとよいでしょう。

勤労学生控除を使える場合もある

学生であれば「勤労学生控除」という制度があります。条件を満たすことによって、所得から27万円を控除でき103万円+27万円で130万円までは所得税が免額となるのです。勤労学生控除を受けるためには以下のような条件を満たす必要があります。

  • 給与所得がある
  • 所得合計額(給与所得-55万円の給与所得控除)が75万円以下である
  • 給与所得以外の所得が10万円以下である

給与所得以外の所得が10万円以下という条件があるため、雑所得に属する仮想通貨での所得が10万円以上ある場合は控除が受けられないのです。上記の例ではイーサリアムでの利益が50万円あるため、勤労学生控除が適用されません。

年収600万の会社員(既婚)がリップルで200万円の損失を出したケース

配偶者が扶養に入っている年収600万円の会社員が、リップルで200万円損失を出した場合の計算は下記のようになります。

  • 600万円-164万円(給与所得控除)-48万円(基礎控除)=388万円
  • 380万円-38万円(配偶者控除)=350万円(課税所得)
  • 350万円-200万円(仮想通貨損失)=150万円(総課税所得)
  • 150万円*5%(税率)=7万5000円

よって7万5,000円を納税しなければならないのです。

まとめ:仮想通貨の税金計算をよく理解し、確定申告は正確に

仮想通貨の利益にかかる税金について、税金の種類や特徴・計算例などをお伝えしました。仮想通貨の利益が20万円以上の場合、税金がかかり確定申告が必要となります。課税対象となる利益の発生は取引の方法によりタイミングが異なるので、思ってもいないところで利益が発生していることもあるでしょう。知らずに納税し忘れてしまうということがないように、税金のルールを理解し正しく納税することが大事となります。本記事を参考に、税金について理解したうえで仮想通貨取引するとよいでしょう。

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