富裕層と聞くと、「お金がたくさんある」「資産を多く保有している」と想像できますが、具体的にどういった層を指すのか疑問に思う方もいるかもしれません。

この記事では、富裕層とはどのような人を指すか、また富裕層の資産管理・運用方法についての考え方を紹介しています。

富裕層と定義される方の考え方や特徴を紐解いていきましょう。

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富裕層とはどのような人を指すか

富裕層とはどのような人を指すか

株式会社野村総合研究所が推計・調査した結果では、純金融資産保有額に応じて、「超富裕層」「富裕層」「準富裕層」「アッパーマス層」「マス層」の5つに世帯を分類しています。

2021年の調査における、それぞれの保有資産規模や世帯数は以下の表の通りです。

分類 純金融資産保有額 保有資産規模 世帯数
超富裕層 5億円以上 105兆円 9.0万世帯
富裕層 1億円以上〜5億円未満 259兆円 139.5万世帯
準富裕層 5,000万円以上〜1億円未満 258兆円 325.4万世帯
アッパーマス層 3,000万円以上〜5,000万円未満 332兆円 726.3万世帯
マス層 3,000万円未満 678兆円 4,213.2万世帯

出典:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計」

純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の世帯

「富裕層」という言葉に明確な定義はありませんが、一般的には保有している金融資産が多い人や一定以上の経済力・購買力を有する個人・世帯を指します。

「純金融資産保有額」とは、個人や世帯が保有する預貯金や株式・投資信託・債券、一時払い生命保険などの金融資産の合計額から負債を差し引いたものです。

例えば金融資産が1億円でも、負債である住宅ローンが5,000万円ある場合は、野村総合研究所の調査上では富裕層に分類されません。

野村総合研究所では、上記の表のように純金融資産保有額が「1億円以上5億円未満」の世帯を富裕層、「5億円以上」の世帯を超富裕層としています。

「金融資産」に不動産や金は含まれない

資産は、大きく分けると「実物資産」と「金融資産」に分けられます。

実物資産は、土地や建物といった不動産、金・プラチナなどの貴金属、美術品や骨董品といったように実体を持ち、それ自体に価値があるものを指します。

これに対して金融資産は、預貯金や株式・投資信託・債券などの金融商品、生命保険、小切手など実体を持たず、現金化しやすい資産のことです。

実物資産は金融資産よりも現金化しにくく、正確な資産価値を評価しづらいため、一般的に世帯の資産額には含みません。

仮に東京23区の一等地に豪邸を保有していて実物資産額が高くても、現金や株式などの金融資産をそれほど持っていなければ、上記調査の富裕層の定義からは外れる場合があります。

富裕層の年収はいくら位か

富裕層とは、純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の世帯を指します。

これはあくまでも持っている資産額を示すもので、年収とは直接関係ありません。

いくらくらいの年収が富裕層かという明確な基準はなく、極端にいえば年収が300万円でも純金融資産保有額が1億円以上あれば富裕層と定義されるということです。

とはいえ一般的には年収が2,000万円以上あると準富裕層に分類されるケースが多いようです。

国税庁の調査によると、日本における年収2,000万円以上の人の割合はわずか0.6%となっています。

出典:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」

日本の富裕層の割合・世帯数

日本の富裕層の割合・世帯数

日本における富裕層・超富裕層世帯の純金融資産および世帯数、世帯数の割合は以下の表の通りです。

分類 純金融資産 世帯数 世帯数割合
超富裕層 105兆円 9.0万世帯 0.17%
富裕層 259兆円 139.5万世帯 2.58%

全世帯の純金融資産額合計である1,632兆円に対して、富裕層と超富裕層の純金融資産額は合わせて364兆円です。

つまり、富裕層と超富裕層だけで日本の全世帯の金融資産の22%以上を保有しています。

富裕層・超富裕層の世帯数割合は合わせても3%未満とごく少数であり、一部の世帯に金融資産が集中していることがわかります。

出典:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計」

富裕層世帯数・純金融資産保有額は増加している

同調査によると、日本では2013年から2021年にかけて富裕層の割合および金融資産保有額が増加していることがわかります。

分類 2013年 2015年 2017年 2019年 2021年
富裕層の純金融資産保有額(兆円) 168 197 215 236 259
富裕層世帯数(万世帯) 95.3 114.4 118.3 124.0 139.5

2013年は、安倍政権による経済政策「アベノミクス」が始まった年です。

アベノミクスによって金融市場は刺激され、2013年以降株式や投資信託の資産価値が大きく上昇しました。

富裕層や超富裕層が保有する金融商品の評価額が上がるのに伴い、純金融資産保有額も増加しました。

加えて、金融資産の評価額の上昇により、それまで準富裕層だった世帯の一部が富裕層に、そして富裕層世帯の一部が超富裕層に移行したため、富裕層および超富裕層の世帯数も増加したと推測されます。

富裕層はどのように資産を築いたのか

富裕層はどのように資産を築いたのか

富裕層の種類は、大きく2つに分けられます。

  • 先祖代々の資産を受け継ぐ富裕層
  • 一代で資産を作った富裕層

それぞれ確認していきましょう。

先祖代々の資産を受け継ぐ富裕層

相続などによって資産を受け継いだタイプの富裕層は「オールドリッチ」と呼ばれます。

具体的には、企業の創業者の子孫や地主の家系といった代々資産を引き継いでいる資産家です。

このタイプの富裕層は、今ある資産を守ることを重視し、増やすよりも減らさないという部分に重点を置く傾向があります。

一代で資産を作った富裕層

先祖から資産を受け継ぐ「オールドリッチ」に対し、一代で財を築いた富裕層を「ニューリッチ」と呼びます。

オーナー経営者や投資家、開業医や大企業の役員など、収入が増えるのに従って金融資産も増やしてきたタイプです。

価値のあるものには積極的にお金を使ったり、将来への投資を惜しまなかったりと、日本経済を支え・回している傾向があります。

富裕層の資産管理・運用方法

富裕層の資産管理・運用方法

富裕層に近づくために、まずは富裕層がお金に対してどのように考えているかを知りましょう。

野村総合研究所が2020年に発表した調査によると、コロナ禍での生活や環境の変化が、富裕層・超富裕層の資産管理の意識や行動に影響を与えていることがわかります。

以下はコロナ禍での個人資産の管理・運用の考え方の変化(企業のオーナー経営者における富裕層・超富裕層)です。

順位 個人資産の管理・運用の考え方の変化 比率
1位 個人資産のことよりも、所有する事業や法人の先行きが、以前よりも心配になった 53%
2位 複雑でわかりにくい商品よりも、シンプルでわかりやすい商品を好むようになった 50%
3位 経済の先行きや、自分が管理・運用する資産に関して、積極的に情報収集や勉強をするようになった 47%
4位 元本割れする可能性のある金融商品のリスクを、以前よりも気にするようになった 46%
5位 自分の考えだけで資産の管理・運用をするのは限界があると感じた 46%
6位 資産の管理・運用に関するアドバイスをしてもらえる信頼できる専門家が必要だと思った 42%
7位 割安になった株式や投信の購入を検討した(購入した) 37%
8位 分散投資やポートフォリオ管理に対する意識が高まった 31%
9位 株式や投信の売却を検討した(売却した) 27%
10位 資産価格の下落は、相続や事業承継の好機だと思った 26%

アンケート結果を具体的に確認していきましょう。

出典:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計」

経済や金融について積極的に学ぶ

「複雑でわかりにくい商品よりも、シンプルでわかりやすい商品を好むようになった」(50%)、「経済の先行きや、自分が管理・運用する資産に関して、積極的に情報収集や勉強をするようになった」(47%)、という回答からわかるとおり、富裕層は保有している資産について自ら積極的に勉強しています。

自分の資産について積極的に学び、理解することは保有資産のリスクヘッジにつながり、資産を守りやすくなります。

セミナーやSNS、本、経済ニュースなどあらゆる手段を活用して、情報収集に努めましょう。

お金のプロに相談する

お金のプロに相談する

「自分の考えだけで資産の管理・運用をするのは限界があると感じた」(46%)、「資産の管理・運用に関するアドバイスをしてもらえる信頼できる専門家が必要だと思った」(42%)、とあるように、富裕層ほどお金の運用にシビアであることが伺えます。

富裕層は、資産について自分で勉強するだけでなく、プロにも相談して意見を求めます。

私たちが資産形成をする場合も、専門家の意見はとても大事です。

自分でも経済や金融について理解した上で、法律や税金についてなどさらに一歩踏み込んだ部分をお金のプロに相談すると良いでしょう。

無料でセミナーに参加できたりFPに相談できたりするサービスも多いので、まずは気軽に話を聞いてみても良いかもしれません。

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資産運用する

コロナウイルスが世界的に蔓延し始めた2020年の2月頃から、経済の先行きに対する不透明感によって一時的に株式や投資信託の価格が大きく落ち込みました。

しかし、「割安になった株式や投信の購入を検討した」(37%)という回答から、富裕層は「投資商品の価格が下がった時こそ購入のチャンス」と捉えたことがわかります。

富裕層は、資産を守る・貯めるだけでなく、長期的な目線で増やすことにも注力しています。

株式や投資信託、不動産投資や金(ゴールド)投資などが代表的な運用商品です。

何から始めるべきか悩む場合は、つみたてNISAなど投資初心者向けの制度を活用してみましょう。

分散投資する

投資の基本は、「長期・積立・分散」です。

「分散投資やポートフォリオ管理に対する意識が高まった」(31%)とあるとおり、富裕層も分散投資を意識して資産を運用しています。

特に富裕層は、日本円や国内株といった国内資産だけでなく、米ドルやユーロ、外国株など世界中の資産に分散して投資をする傾向があります。

今ある資産を守りつつ、リスクを管理しながら増やしていくためにも分散投資は重要です。

富裕層に近づくためにできること

富裕層に近づくためにできること

健康や体力増進に気をつける

健康はお金で買えないため、富裕層ほど自分の健康をとても大事にします。

野村総合研究所が2020年に実施した「NRI富裕層アンケート調査」では、コロナ渦での消費や生活の変化として、回答者の約3分の2が「健康や体力増進に関する意識が強まった」と回答しています。

自分が健康でないと、思うように働けないばかりか、せっかく稼いだお金も有意義に使えなくなってしまうかもしれません。

健康な体で豊かな生活を送るためにも、バランスの良い食事と定期的な運動で体力増進を心がけましょう。

出典:野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計」

お金の使い方を見直す

お金の使い方を見直す

富裕層には、費用対効果を意識してお金の使い方を考える人が多くいます。

単純に価格が安いか・高いかというだけでなく、その金額に見合う体験や価値を享受できるかを重視してお金を使います。

富裕層を目指すのであれば、まずは自分のお金の使い方を見直すことをおすすめします。

月々の収支を見直し、それが「投資」・「消費」・「浪費」のどれに当たるか分類してみると、無駄遣いを減らせるでしょう。

浮いたお金を投資に回したり、自分のキャリアや目標とするライフスタイルのために使ったりすると、そこからさらにお金が生まれるという良い流れが生み出せるかもしれません。

時間を無駄にしない

富裕層は、お金だけでなく時間も無駄にしない傾向にあります。

時間は誰にとっても平等に与えられるからこそ、時間をどう使うかが非常に重要です。

自分の時間を割く価値があるのかを常に考えて行動すると、時間の使い方に無駄がなくなります。

富裕層の考え方に近づくためには、まずはなんとなくダラダラ過ごしている時間がないか見直してみましょう。

友人や家族など大切な人との時間を大事にする、朝の時間を学びに充てる、趣味の時間も大切にする、など取り入れられるものから始めてみることをおすすめします。

副業を始める

現在、副業可能な会社に勤めている場合は、自分のスキルや得意分野を生かして副業を始めてみるのも良いでしょう。

自分自身のスキルアップや新たなビジネスチャンスの獲得につながるかもしれません。

副業で得た収入を投資に回すと、将来に向けた資産形成も可能になります。

特に、今の本業だけでは収入が不安だと考えている方は、副業を選択肢の一つに入れてみましょう。

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資産運用を始める

富裕層は資産運用を積極的に行っています。

自分だけでなくお金にも働いてもらって、効率よく資産を増やしています。

富裕層に近づくためには、お金を貯めるだけでなく運用して増やすこともポイントです。

現在の日本は低金利なので、銀行預金だけではなかなかお金は増えません。

かといって、短期的に大きくお金を増やそうと思うと、それなりのリスクも伴います。

資産運用を始める際は、自分の資産状況や運用への考え方に適したリスク・リターンを検討することが大事です。

いきなり運用を始めるのではなく、どのような金融商品や運用方法が自分に合っているのかを考えることから始めてみましょう。

まとめ:富裕層とは「純金融資産保有額1億円以上5億円未満」の世帯とされている

富裕層とは「純金融資産保有額1億円以上5億円未満」の世帯とされている

野村総合研究所の調査では、富裕層を「純金融資産保有額1億円以上5億円未満の世帯」としています。

富裕層の割合は年々増加していますが、何か行動・対策をしなければ簡単には富裕層の仲間入りはできないでしょう。

富裕層の考え方やお金への向き合い方を知ることは、富裕層に近づくための第一歩です。

日々の行動を改めて見直し、富裕層の考え方のうち取り入れられそうな部分から取り入れてみましょう。

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