【2023】積立NISAは「毎日」と「毎月」どっちがおすすめか?検証結果を解説

近年、証券口座の開設数が大幅に伸びています。
特にSBI証券や楽天証券など、インターネット系の証券会社が人気です。
インターネットに抵抗のない若い世代が、貯金ではなく収益性の高い方法で資産形成をしたいと考えていることが分かります。
中でも証券口座を開設すると同時に「積立NISA」を申し込む人が多いです。
「定額でコツコツ積立して、長期で運用したい」そんなお考えの人にぴったりな積立NISAですが、積立頻度によって結果に影響があるのか気になる方も多いと思います。
この記事では、積立NISAデビューをする前に知っておいてほしい内容をまとめています。
目次
- 1 積立NISAの仕組み
- 2 積立頻度を「毎日積立」「毎週積立」「毎月積立」から選べる!
- 3 毎日vs毎月!積立シミュレーション
- 4 毎日積立と毎月積立、どっちが有利?
- 5 毎日積立と毎月積立かよりも重要なポイント
- 6 積立NISAのメリット
- 7 積立NISAのデメリット
- 8 まとめ:「毎日」も「毎月」もほとんど変わらない
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積立NISAの仕組み
積立NISAの積立頻度で「毎日」と「毎月」を比較する前に、仕組みについて簡単に確認しましょう。
2024年からは新しいNISAが導入される予定で、仕組みが変わる部分があるため、合わせて解説していきます。

新NISAとは?変更点やいつからか、積立NISAと比べて解説
積立上限金額は年間40万円まで
現行の積立NISAで投資できる金額は年間40万円までとなっています。
上限額は年間40万円までですが、その中で、どのように積み立てるかは利用者の自由です。
「毎月」「毎週」「毎日」など、さまざまな選択肢があります。
NISA制度は2024年から大幅な改正があり、年間の投資上限額が現行の40万円から120万円になります。
現行の積立NISAで購入した分は新しいNISAとは別の非課税枠として確保(管理)されるため、早く始めれば2024年から始める人よりも多くの非課税枠を確保できます。
積立投資の習慣をつける目的と合わせて、新しいNISAになる前の2023年から積立NISAを始めるのもよいでしょう。
参考:金融庁「新しいNISA」
運用期間は最大20年
現行の積立NISAの非課税保有期間は最大20年です。
2024年に新しいNISAに変わっても、それまでに購入していた分の非課税保有期間は購入時から20年間です。
たとえば2023年に積立NISAで購入(投資)した銘柄であれば、2042年12月末までに売却すると利益に対する税金がかかりません。
反対に、「〇年以上保有しなくてはならない」という最短期間の制限はありませんので、投資をした翌月にすぐ売却することも可能です。
2024年からの新しいNISAでは、非課税保有期間が無期限となります。
資産運用に20年以上の時間を使える人にとってより良い制度になるといえるでしょう。
積立頻度を「毎日積立」「毎週積立」「毎月積立」から選べる!
実践している人は少数派ですが、必ずしも「積立=毎月」ではありません。
証券会社によって、「毎月」「毎週」「毎日」など様々な頻度で積立の設定が可能です。
自分で指定した日に投資信託の買付を行います。
1年は12カ月ですから、「毎月」であれば年に12回投資をすることになります。
毎週積立は指定した曜日に、毎日積立は休業日を除く毎営業日に積立をします。
積立がリスク分散になるのであれば、毎月よりも毎週。毎週よりも毎日の方がより収益が安定するかもしれません。
毎日vs毎月!積立シミュレーション
では、毎日積立と毎月積立だとどちらがより利益が出るか、過去の成績を振り返って検証してみましょう。
日本を含む全世界の株式を投資対象とした投資信託の値動きで考えてみます。
対象ファンド:三菱UFJ投信国際投信「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
項目 | 毎月積立 | 毎日積立 |
元本 | 300万円 | 300万円 |
15年後のリターン | 92.50% | 92.55% |
評価損益 | 約577.5万円 | 約577.6万 |
2005年9月~2020年9月の15年間の長期投資で、毎月投資のリターンは92.50%となっています。
仮に15年で積立てた元本が300万円なら、約577万円に増えます。
一方で、毎日積立の場合のリターンは92.55%。仮に15年で積立てた元本が300万円なら、最終的には約577万円に増えます。
これらにほとんど差はありません。これは、「投資信託」という商品の大きな特徴です。
投資信託は複数の銘柄に分散して投資をしているので、ひと月の間で大暴騰、大暴落を繰り返すようなことは稀です。
これが個別の株式銘柄だと、その会社の業績に左右されて数日の間に大きく変動する可能性があります。
毎日積立と毎月積立、どっちが有利?
投資信託なら、「毎日積み立てる人」も「毎月積み立てる人」も同じような結果が見込まれます。
ですが、これは「長期投資」が大前提です。
短期間だけで見た場合は、市場の動きによってどちらかの成績が優れているということが起こりえます。
毎日積立と毎月積立かよりも重要なポイント
シミュレーションの結果、積立NISAでは積立頻度が「毎日」でも「毎月」でも最終的な利益はほとんど変わりませんでした。
積立NISAの最終的な利益には「銘柄選び」と「保有期間」の2点が大きく影響を与えます。
ここでは、積立NISAでしっかりと利益を狙うために重要なポイントである「銘柄選び」「保有期間」について解説します。
銘柄をしっかり選ぶこと
積立NISAで投資できる銘柄は金融庁が「長期・積立・分散」投資に適していると判断した銘柄に限定されています。
とはいえ2023年2月時点で積立NISAで投資可能な銘柄は200を超えており、これから積立NISAを始めようとする人にとって、自身に適した銘柄を見つけるのは簡単ではありません。
銀行や証券会社でランキングがありますが、上位の銘柄が必ずしも自身に適しているわけではありません。
自身の資産運用の目的やリスクの許容度に合わせて、投資する銘柄を選びましょう。
参考:金融庁「つみたてNISAの概要」
参考:金融庁「つみたてNISAの対象商品」
【2023】積立NISAのおすすめ銘柄10選!組み合わせや楽天・SBIの銘柄を紹介
長期運用すること
積立NISAを始めるにあたって、長期運用をすることがとても大切です。
長期投資のメリットは主に以下の4点です。
- 複利効果を見込める
- 短期投資に比べて低コスト
- 時間や精神的な負担が少ない
- リスクをコントロールしやすい
ほとんどの銘柄が価格の上昇と下落を繰り返します。
長期的に見ると右肩上がりの銘柄であっても、短期で見ると下落していることも珍しくありません。
そのため、10年、20年と長期的に考えて成長が見込める銘柄を購入し、長く保有する意識を持つとよいでしょう。

長期投資のメリット・デメリット!おすすめの投資方法を解説
積立NISAのメリット
積立NISAのメリットは、「損失のリスクを最小限に抑えて投資ができる」このことに尽きます。
投資で失敗しないコツは3つです。
- 長期投資
- 分散投資
- 積立投資
この3つのルールを守れば、資産運用で失敗するリスクは低くなりますし、そのまま積立NISAの仕組みに採用されています。
1. 長期投資
2023年時点での積立NISAは、最大で「20年間」非課税で保有することができます。
2024年からの新しいNISA制度になると、非課税保有期間は無期限化されます。
積立NISAは、利益に対してかかる税金が非課税で長期投資できる点がメリットです。

長期投資のメリット・デメリット!おすすめの投資方法を解説
2. 分散投資
特定の銘柄に集中投資して、その投資先が破綻や債務不履行になると、投資した資産がゼロになるリスクがあります。
「投資信託」という商品は、数十~数千銘柄が一つになった金融商品です。
そのため、投資信託に投資するたけで、実態は複数の銘柄に分散投資していることになります。

分散投資とは?種類やポートフォリオの例もあわせてわかりやすく解説
3. 積立投資
良くも悪くも、相場は常に変動します。
- 「値段が高い時に一括投資してしまった」
- 「株価が安い時に買い損ねてしまった」
ということが起こらないよう、毎月定額で積み立てるのが重要です。
投資で失敗しないための勉強を一生懸命しなくても、「積立NISA」を活用するだけで失敗のリスクが抑えられます。
さらに積立NISAに採用される投資信託には、コストが安いこと、市場の値動きに連動するインデックスファンドであることなど、一般的な投資信託よりも厳しい基準があります。
厳しい基準は、裏を返すと投資家にやさしいということです。
初めての資産運用も、積立NISAなら安心して始めることができます。

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積立NISAのデメリット
積立しかできない
現在の積立NISAの制度では、積立しかできません。
積立できる上限額も年間40万であり、物足りなさを感じる方もいるかもしれません。
2024年からの新しいNISA制度になると、積立NISAと一般NISAの併用ができるようになります。
新しいNISAは「つみたて投資枠」として年間120万円まで、一般NISAは「成長投資枠」として年間240万円まで投資可能です。
年間の投資可能枠が合計最大360万円まで拡大されるので、現行の積立NISAでの投資では不十分だと考えていた方でも活用しやすくなります。
採用された投資信託しか買えない
積立NISAのメリットであり、デメリットでもあります。現在積立NISAで採用されている投資信託は167本です。
それに対して、国内で販売されている投資信託の全体数は6,000本を超えています。
「この投資信託を買いたい」と自分で銘柄選定ができる中・上級者にとっては、買いたい投資信託が積立NISAに対応していないというケースも考えられます。
積立NISAは安心して資産運用ができる制度ですが、デメリットもあります。
積立NISAで投資できないものは、課税口座を選択したり、iDeCoや保険など別の手段で投資を検討するのが良いですね。

投資信託とETFどっちがおすすめ?NISAで投資する際のポイント
まとめ:「毎日」も「毎月」もほとんど変わらない
積立を開始して数カ月で売却する場合にはその数カ月間の相場変動によって、毎日積立と毎月積立で結果に大きな差がでることも十分あり得ます。
数年、数十年と長期で運用することによって利益は平準化されるので、積立頻度による差は小さくなります。
長期で投資ができる「積立NISA」なら、積立頻度にこだわるよりも、毎日と毎月、どちらの方が自分は管理しやすいかで決めることがお勧めです。
せっかくもらったお給料を貯金で寝かせ続けるのではなく、15年後に資産が2倍になるような「長期投資」をするという選択をすることが大切になります。
「もっとお金が貯まったら投資の相談をしたい。」とご要望いただくことが時々ありますが、もっとお金が貯まるまでの「投資できない時間」がとてももったいないです。
積立NISAは月100円でも投資ができますので、長期投資でお金を増やしたいなら来月から早速スタートしましょう!