「スポット購入」とは、投資信託を購入する方法の1つで、自分の好きなタイミング・好きな金額で一括購入することをいいます。

積立購入に比べて柔軟に売買ができるため、「自分の相場観でタイミングを判断して投資したい」という方におすすめの投資方法です。

この記事では、スポット購入の特徴や購入タイミング、積立NISAと併用したい場合について解説します。

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投資信託のスポット購入とは

投資信託のスポット購入とは

まずは、投資信託の「スポット購入」について解説します。

投資信託を一括で購入する方法

投資信託の「スポット購入」とは、投資信託を一括で購入する方法のことです。

投資信託の主な購入方法は、大きく分けて2種類あります。

  • 積立購入:毎月決まった日に決まった金額で投資信託を購入する方法
  • スポット購入:自分の好きなタイミングと好きな金額で投資信託を購入する方法

積立購入は、あらかじめ設定した購入日と投資金額で、投資信託を自動的に購入する方法です。

一方、スポット購入ではいつ・いくら投資信託を購入するのか自由に決められるため、相場がよいタイミングやまとまった資金があるときに、一括購入することができます。

相場を読んで戦略的に投資を行うには、スポット購入を利用するとよいでしょう。

スポット購入と積立投資の併用も可能

「スポット購入」と「積立投資」は、併用することでリスクを抑えながら効率的な資産運用が目指せます。

スポット購入のメリットのひとつは、資金効率が良いことです。

まとまった資金を成長性の高い投資信託へ投資することで、うまく行けば大きく資産を増やせるでしょう。

ただ、資金を1つの投資信託へ一括で投入すると、その投資信託が値下がりした際に資産が大きく減ってしまうリスクが高くなります。

余裕資金で投資信託を購入する場合は、リスクを抑えるために資金の半分を一括投資して、残り半分を積立投資する方法がおすすめです。

スポット購入と積立投資を併用することで、スポット購入のリスクを抑えつつ投資を行えます。

積立NISAとスポット購入を併用したい場合

積立NISAとスポット購入を併用したい場合

「積立NISA」は基本的にスポット購入はできず、「積立購入」のみで運用します。

ただ、証券会社によってはボーナス払いに対応した制度や、年間限度額を満たすために一括で購入を設定できる場合もあります。

例えば楽天証券の場合、年2回まで「ボーナス設定」ができ、年間40万円の限度枠内であればスポット購入のように一括で投資信託を購入可能です。

とはいえ、ボーナス設定ができるのは年2回だけですので、普通に投資信託をスポット購入する時ほどの自由さはありません。

「一般NISA」であればスポット購入ができますが、積立NISAと一般NISAは併用が不可能です。

すでに積立NISAの口を持っていて、追加でスポット購入をしたい場合は、「特定口座」や「一般口座」など、積立NISA口座以外の投資用口座を準備して購入しましょう。

出典:楽天証券株式会社「【投信積立】積立のボーナス設定を活用しましょう!」

スポット購入のタイミング

スポット購入のタイミング

投資信託をスポット購入する際は、タイミングを見計らうことが重要です。

スポット購入のタイミングは、次の2点から判断しましょう。

  • 今後成長しそうな投資信託を選ぶこと
  • 基準価額が下がった時に購入すること

重要なポイントは、値上がり益が期待できるタイミングで投資信託を購入することです。

ここでは、スポット購入をするタイミングについて解説します。

今後成長しそうな投資信託を選ぶ

大前提として、今後の成長が見込める投資信託を選ぶことが大切です。

長期的に見て右肩上がりに成長しそうな投資信託は、スポット購入することで効率的に利益が狙えます。

例えば、「日経225」や「S&P500」などの指数に連動した「インデックスファンド」は、安定した成長が見込める無難な選択肢の1つです。

指数を上回る成果を目指す「アクティブファンド」は、大きな利益が期待できる一方手数料が高く、インデックスファンドに比べるとハイリスク・ハイリターンな選択肢となります。

スポット購入する際はファンドの特性も加味しながら、長期的に右肩上がりで成長する見込みの高い投資信託を選びましょう。

基準価額が下がった時に購入する

スポット購入の最適なタイミングは、基準価額が下がったときです。

例えば、リーマンショックやコロナショックの時は、世界的に投資信託の基準価額が暴落したタイミングでした。

数年に一度しか起こらないような暴落時に投資信託をスポット購入できれば、相場の底入れ後に大きな値上がり益が狙えるでしょう。

ただし、いつが相場の底値なのかを判断するのは難しいため、資金の一部だけをスポット購入に回し、残りの資金で積立購入を行うなどしてリスクを抑えながら運用することが大切です。

スポット購入した投資信託の売却タイミング

スポット購入した投資信託の売却タイミング

スポット購入した投資信託は、売却することで利益が確定します。

利益を確定させるタイミングを決めるポイントは、次の2点です。

  • 目標金額に到達したとき
  • 目標期間に到達したとき

売却タイミングは、迷いなく行えるよう購入前に決めておくことが大切です。

ここでは、スポット購入した投資信託を売却するタイミングについてポイントを解説します。

目標金額に到達したとき

スポット購入した投資信託は、目標金額をあらかじめ決めたうえで、基準価額がそこに到達したら売却するようにしましょう。

この際に重要なのは、感情に左右されず機械的に売却することです。

「もしかしたらまだ上がるかもしれない」と期待してしまう気持ちが出ても、自分で決めたルールには従うことが大切です。

もしも迷ってしまいそうであれば、あらかじめ指値を設定しておくといいでしょう。

例えば、目標金額に到達した時点で半分は売却する設定をしておき、「残り半分はそのまま保有してもう少し伸びるか様子見をしよう」、「先程利確した金額より下がってきたら売却しよう」といった具合にルールを定めておくことがおすすめです。

このように決めておけば、一定の利益を確保したうえで、さらに利益をのばしたり損失を最小限に抑えることができます。

目標期間に到達したとき

資産の運用があらかじめ決めていた目標期間に到達したときも、投資信託を売却するタイミングになります。

例えば、次のようなタイミングで投資信託を売却するとよいでしょう。

  • 子どもが大学に入るとき
  • 住宅を購入するためにローンを組むとき
  • 老後資金として運用していて65歳を迎えたとき

このように、ライフプランの中でまとまったお金が必要になるタイミングで売却するよう計画しておくとよいでしょう。

ただし、目標期間に到達したときに投資信託が暴落している可能性もあります。

暴落時は一気に売却せずに、必要な分だけ少しずつ決済するのも選択肢の1つです。

残りは基準価額が回復するまで保有しておけば、利益を大きく減らさずに利確できるでしょう。

スポット購入のメリット

スポット購入のメリット

スポット購入の主なメリットは、2つあります。

  • 資金効率が良い
  • 資産形成のスピードが上がる

一度に大きな資金を投資できるスポット購入であれば、効率的に利益を狙えるでしょう。

ここではスポット購入のメリットについて、詳しく解説していきます。

資金効率が良い

スポット購入で投資信託を購入すれば、積立購入に比べて資金を効率良く使うことができます。

例えば積立購入で1,000万円の資金を毎年100万円ずつ投資する場合、1年目は900万円の資金が寝かせたままになってしまいます。

スポット購入であれば、1年目から1,000万円の資金をすべて投資に回すことが可能です。

仮に100万円を年5%の利回りで1年間運用した場合の利益を比較すると以下のようになります。

1年目の投資金額 年間利益
100万円 5万円
1,000万円 50万円

投資金額が大きければ大きいほど、損益の幅は大きくなります。

スポット購入は、上手くいくと大きな利益が期待できますが、購入タイミングを正確に見極めるのは難易度が高いです。

相場を読む自信がない方は資金を数回に分けてスポット購入して、リスクを分散させましょう。

資産形成のスピードが上がる

スポット購入を利用すれば、複利効果が大きくなり資産形成のスピードが上がります。

先程と同じ条件、「1,000万円をスポット購入」と「毎年100万円ずつ積立購入」を年利5%で10年間運用した場合の利益推移を見てみましょう。

期間 スポット購入
(1,000万円一括投資)
積立投資
(毎年100万円投資)
1年後 1,050万円 102万円
2年後 1,102万円 209万円
3年後 1,157万円 322万円
5年後 1,276万円 565万円
10年後 1,628万円 1,288万円

(※万円以下は切り捨て)

10年後の利益を見ると、スポット購入した場合と積立購入した場合とで300万円以上の差が出ているのがわかります。

このように、投資信託が右肩上がりで成長し毎年一定の利回りが見込めるなら、スポット購入することで大きな利益が狙えます。

スポット購入のデメリット

スポット購入のデメリット

資金効率がよいスポット購入ですが、デメリットもあります。

主なデメリットは、次の2点です。

  • 損失が大きくなるリスクがある
  • 購入商品を調べる手間がかかる

スポット購入の2つのデメリットについて、詳しく解説します。

損失が大きくなるリスクがある

スポット購入は1つの投資信託に資金を集中させるため、損失が大きくなるリスクが高くなります。

例えば、相場の暴落によって1年間で投資信託の基準価額が30%下がったとします。

このとき、スポット購入で1,000万円投資している場合と、積立購入で100万円投資している場合とでは、大きく損失額が異なります。

投資金額 損失額
1,000万円 -300万円
100万円 -30万円

相場暴落のリスクを避けるには購入タイミングを見極めることが重要ですが、相場を正確に読むことは簡単ではありません。

相場が想定通りに動くと大きな利益を得られるスポット購入ですが、相場の動き次第では損失も大きくなることに注意しましょう。

購入商品を調べる手間がかかる

投資信託は多くの種類があり、スポット購入で成長が見込める銘柄を探すには、将来成長しそうな国や地域、産業分野などを探して分析する必要があります。

知識が足りないまま利回りの高さだけに惹かれてリスクの高い投資信託を購入すると、大きな損失を抱えてしまうかもしれません。

投資信託をスポット購入する際は、投資の目的や目標リターン、取れるリスクを理解したうえで、資金的に無理のない商品を選ぶようにしましょう。

スポット購入と積立購入のどっちがおすすめ?

スポット購入と積立購入のどっちがおすすめ?

「スポット購入」と「積立購入」の特徴を踏まえたうえで、どちらの購入方法がおすすめなのかを解説します。

スポット購入が向いている人

スポット購入が向いているのは、以下に当てはまる人です。

  • まとまった金額の余裕資金を持っている人
  • 効率よく大きなリターンを得たい人
  • 自分の相場観で自由に投資したい人

ある程度まとまった資金がある方には、スポット購入はおすすめです。

5~7割程度をスポット購入して、基準価額が下がった時に追加で購入するなど、戦略的な投資ができるでしょう。

スポット購入のタイミングを判断するには相場を読む力が必要ですので、慣れるまでは小さな金額で投資し、投資タイミングを見極める練習をするといいでしょう。

積立購入が向いている人

積立購入が向いているのは、以下に当てはまる人です。

  • 少額でコツコツ運用したい人
  • リスクを抑えながら長期的に運用したい人
  • 短期的な値動きに左右されたくない人

積立購入の強みは、少額から気軽に始められることです。

長期・分散・積立を満たした投資ができるためリスクを抑えながら安定した運用がしたい人に向いています。

「投資信託の値動きで一喜一憂したくない」という人も、自分の気持ちに関係なく機械的に自動購入してくれる積立購入がおすすめです。

両方をバランス良く活用するのもおすすめ

「スポット購入」と「積立購入」のどちらかに決め打ちするのではなく、両方をバランスよく取り入れるのもおすすめです。

例えば100万円の投資資金が手元にある場合、50万円を積立購入で使い、暴落時に残りの50万円をスポット購入する、という方法を用いれば機会損失を減らして効率よく資産運用できます。

2つの投資方法をうまく活用することで、限られた資金を有効に活用できるでしょう。

スポット購入の際の注意点

スポット購入の際の注意点

最後に、投資信託をスポット購入する際に注意すべき点を2つ紹介します。

  • 購入直後の株価急落に備える
  • 購入のタイミングを狙いすぎない

購入直後の株価急落に備える

投資信託は値上がりが約束されているわけではなく、相場の状況によっては価格が下がることもあります。

タイミングによっては、スポット購入の直後に価格が急落する可能性も十分に考えられるでしょう。

購入する銘柄によっては、購入した翌日に基準価額が20%、30%下落する可能性も無いとは言い切れません。

そのためスポット購入を検討する前に、急落に備えた対策が重要です。

有効な対策として、スポット購入の金額を抑えたり、十分な金額の預貯金がある状態でスポット購入を行うことなどが挙げられます。

十分な預貯金の目安はそれぞれの生活スタイルにより異なりますが、一般的には生活費の3ヶ月〜1年分ほどの預貯金があると安心です。

購入のタイミングを狙い過ぎない

特に相場の下落局面でスポット購入を考えている方が注意すべきポイントは、購入のタイミングを狙い過ぎないことです。

利益を最大化しようと最安値のタイミングを狙いたくなりますが、実際に相場の底値を予測するのはプロの投資家でも難しいことです。

最安値での購入にこだわると、「まだ下がるのではないか」と考えてしまい購入の決断が難しくなることもあるでしょう。

その結果、最安値で購入できず、基準価額が高くなったタイミングで購入するケースもあります。

相場がまだ下落局面にあると感じる場合、2〜3回に分けてスポット購入する選択肢もあります。

スポット購入の金額や下落幅にもよりますが、長期投資であれば基準価額の前後数日の差は大きくなりにくいことが多いです。

購入タイミングに固執しすぎず、分散させながらスポット購入をすることも視野に入れてみましょう。

まとめ:スポット購入とは好きなタイミングで投資信託を一括購入すること

スポット購入とは好きなタイミングで投資信託を一括購入すること

スポット購入とは、自分の好きなタイミング、好きな金額で投資信託を一括購入する方法です。

まとまった資金を投資に回せるため資金効率が良く、資産形成のスピードを早くする期待ができる一方、一つの投資信託へ資金を集中させるため、損失が大きくなるリスクもあります。

スポット購入で成功するには、売買のタイミングを見極めることが重要です。

成長性の高い投資信託を安いときに購入し、目標金額や目標期間に到達したら売却するよう、自分なりのルールを決めて運用しましょう。

とはいえ相場の動きを読むのは難しく、購入タイミングを狙い過ぎても機会を逃してしまうことがあるため、注意が必要です。

最初からスポット購入で大きな金額を投資するのは損失リスクが高いため、投資初心者の方は少額でスポット購入を行い、投資タイミングを見極める練習から始めるのがおすすめです。

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