世間の資産運用への関心が日に日に増している昨今、テレビやネットニュースで「投資」や「投機」という言葉を目にすることが増えてきました。この2つの言葉は似ているようで意味合いが大きく異なるものになっています。

この記事では、資産運用の経験が浅い方に向けて「投資」と「投機」の違いについてや、メリット・デメリットについてわかりやすく解説していきます。

これから投資を始めようと思っている方も、既に投資を行っている方もそれぞれの意味をしっかりと理解しておきましょう。

「投資」と「投機」の違いとは

投資と投機では、運用期間と目的が異なります。

それぞれの特徴の違いを、以下の表に簡単にまとめました。

  投資 投機
運用期間 長期間の運用 短期的な取引
目的 安定したリターンを狙う 大きなリターンを狙う
種類 ・株式(長期保有)
・不動産
積立NISAやiDeCo
・株式(短期保有)
・暗号資産(仮想通貨)
・FX

投資と投機の特徴と種類を順に詳しく見ていきましょう。

長期的に利益の安定を狙う「投資」

投資とは、長期的に利益を生み出してくれることを期待して資金を投じることをさします。基本的には安定した収益の可能性を見込んで出資を行い、継続的にリターンを受け取ることを目標としています。

もちろん必ず収益が得られるというわけではなく、元本を下回るリスクは十分にあります。しかし過度にリスクを取ることなく、ある程度のリターンを期待できる点が投資の特徴となっています。

株式

株式は、運用方法によって「投資」と「投機」のどちらになるかが異なります。

投資としての株式の運用方法には、長期保有を前提に取引を行う「長期投資」があります。

長期投資とは、1年以上の年単位で株式を保有することです。長期的に成長していくであろう企業の株を保有し、その株の配当金や株式優待を狙います(インカムゲイン)。また、値上がった株を売却することで売却益(キャピタルゲイン)を得られることもあります。

長期的に保有するために株式を購入し、安定したリターンを目指す運用方法は「投資」に該当するといえるでしょう。

不動産

不動産投資も基本的には長期的に保有して、その期間に得られる家賃収入を利益として受け取るため、投資のひとつであるといえます。入居者がいれば安定した家賃収入を得ることができるため、魅力的な投資手法(不労所得)として人気を集めています。

一方で、「空室で収益が得られない」「家賃を滞納される可能性がある」「修繕費用など維持にお金がかかる」というデメリットもあります。

不動産投資を行う場合は、長期的な運用によるメリットとデメリットをきちんと把握しておく必要があるでしょう。

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積立NISA(つみたてNISA) / iDeCo(イデコ)

積立NISAとiDeCoも投資方法として有効な手段です。どちらも長期的に運用することを前提としており、期間中に税制優遇が受けられる点が特徴となっています。

積立NISAは、毎月資金を積立運用し、期間中に得られた利益が非課税になる制度です。積立金額は年間40万円まで、非課税期間は20年間となっており、長期的に安定した利益を狙っていく投資方法です。

iDeCoは「個人型確定拠出年金」ともいわれ、老後資産を自分で準備する私的年金制度です。運用方法や掛金を自分で設定し、60歳までお金を積立します。積立てた資金は60歳以降まで引き出せないというデメリットはありますが、「掛金が全額所得控除される」「運用期間中に得られた利益が非課税になる」「資金を受け取る際も所得控除の対象になる」という3つのメリットがあります。

どちらも長期的なリターンを目指して資金を投じ、期間中に税制優遇も受けられる投資として、特にこれまで資産運用をしてこなかった人たちから人気を集めています。

短期間に大きく利益を狙う「投機」

投機とは、短期的な価格の値動きに注目して大きな利益を狙いに行く取引のことを指します。

長期的に収益を生み出してくれる投資先に資金を投じる「投資」とは違い、需要と供給による価格変動に狙いを付けて取引を行うスタイルです。

数日間〜数週間、早い場合は当日中に売買を行うことで利益を取りに行くことが基本となります。すぐにリターンを得られる可能性がある一方で、資金を失うリスクが高い点が投機の特徴となっています。

株式

株式の中でも、短期的な値動き(ボラティリティ)が大きい銘柄に資金を投じる方法が投機に分類されます。例えばIPO直後の銘柄や「ミーム株」など価格変動が激しい銘柄へ投資することで短期的な利益を狙いに行く取引が投機に該当します。

ミーム株とは、企業の業績とは無関係にインターネット上の噂で情報が広まり、短期的に価格が急上昇する株式のことです。このような銘柄は、急上昇した後で一気に下落したり、再び急上昇したりと激しい値動きを見せます。

業績や分析に基づいた値動きをしないため、一種のギャンブルのような形になります。良いタイミングで相場に入れれば大きなリターンを得ることができますが、既に話題になった後に入るタイミングを間違えると大きな損失になる可能性が高いため、事前の情報収集がなによりも大事になります。

暗号資産(仮想通貨)

仮想通貨も投機的な取引のひとつです。仮想通貨は日本円や米ドルなどと違い、資産の価値を裏付ける国や公的機関などが存在しないため、価格変動は投資家の需給バランスに委ねられます。

1日に10%以上値動きすることも少なくなく、その値動きの波に乗って短期で利益を狙う投機的取引を行う人が多いです。

しかし、仮想通貨が将来的により一般的に利用されるようになることを見越して長期的に保有を検討している人も少なくありません。長期的に保有することを前提として資金を投じている人は、投資と考えて良いでしょう。

FX

FXは為替の変動による通貨の値動きを先読みして短期的なトレードを行う取引方法で、一般的に「投機」として扱われます。

自己資本だけではなく、他人資本を借り入れることでレバレッジをかけ、少額の資金からでも大きな利益を狙うことができるため人気を集めています。一方で、大きな損失を生んでしまう可能性も高いです。

大きなリターンの裏側に大きなリスクが潜んでいることを把握しておきましょう。

投機とギャンブルの違い

短期的に利益を狙うことと、リスクとリターンがどちらも大きいという特徴が共通しているのが投機とギャンブルです。投機とギャンブルの違いは「ゼロ・サム」か「マイナス・サム」かという部分にあります。

投機的取引は短期的に利益を得る人がいる一方で、同じだけ損失を被った人がいる「ゼロ・サム」ゲームといわれています。取引に参加した人の利益と損失を合計すると、ほぼゼロになることからそういわれています。

一方ギャンブルは、主催者側が運営料を差し引くため「マイナス・サムゲーム」であるといわれています。ギャンブルに参加した人全員の利益と損失を合計すると、マイナスになる仕組みです。

このように、投機とギャンブルの違いは、取引参加者の損益合計がゼロになるかマイナスになるかという点にあります。

投資のメリット

長期保有で複利が狙える

長期的に利益を狙っていく投資においては、「複利効果」が大きなメリットになります。複利効果とは、運用期間中に得られた利益を再投資することで元本が増えていき、投資効果が増大していくことをいいます。

例えば100万円を投資して5%の利益が生み出された場合、1年目の利益は50,000円です。2年目はその50,000円を再投資すると、元本と合わせて105万円で運用できます。そのため、2年目の利益は52,500円となり、翌年以降も少しずつ膨れ上がっていきます。

仮に20年運用したら最終的な資産は約265万円となり、毎年5%の利益を得るだけの場合と比べて複利を活かしたほうが65万円も多く利益を得ることができるというわけです。

このように複利効果を味方につけて、長期的に少しずつ元本を増やしていくことができる点が投資の大きなメリットです。

長期保有で値下がりリスクを軽減できる

長期投資は、リスクを軽減しやすいのも大きなメリットです。短期的に値下がりしても、長く保有していれば値上がる可能性が高く大きな損失を回避しやすくなるため、リスクを抑えた運用をしたい人には有効な手段です。

他にも「一つの資産に集中させずに複数の資産に分散して投資すること」や「一気にまとめて購入・売却せずに取引のタイミングを分散させること」によってリスクを抑えた運用ができます。

投機と比べて値動きに対するスタンスが楽

投資は短期的に大きな利益を狙いに行くわけではないため、比較的穏やかな気持ちで運用できる点もメリットです。

投機は取引タイミングの違いで損益が大きく変わるるため、常に値動きが気になってしまい日々の生活や仕事に支障が出てしまう方もいます。

しかし、投資は長期保有を前提としているため、短期的な値動きはあまり気になりません。安定した利益を目標に運用しているため、定期的に収入が生まれることも精神的にプラスの材料になります。

投資のデメリット

結果が出るまでには時間がかかる

投資は長期的な運用を前提としているため、利益を得るまでに時間がかかってしまうことが多いです。すぐに結果や利益を得たい人にとっては、デメリットと感じられるでしょう。

投資を始める際には、すぐに利益が出るわけではないことを念頭に置いておきましょう。

元本保証がない

元本が保証されないことも投資のデメリットです。元本とは、金融商品を購入する際の資金のことです。定期預金や国債など、元本が保証されている金融商品もありますが、長期投資を目的とする株式や投資信託は価格変動により元本割れするリスクがあります。

一般的に元本が保証されている金融商品は安全性は高い代わりに収益性は低いです。反対に、長期的に利益を生み出してくれることを期待して行う投資は、収益が期待される反面、購入代金を下回る(元本割れ)リスクを伴います。

金融商品を選ぶ際は、その商品のリスクについても確認しましょう。

投機のメリット

短期間で損益が確定する

投機は短期間で取引を行う運用方法のため、損益がすぐに確定するというメリットがあります。数日から数週間、デイトレードであれば当日中に利益・損失が確定するため、すぐに次の取引に移行することが可能です。

数年単位で収益を狙っていく投資とは違い、早い段階で結果が出るという点は魅力といえるでしょう。

レバレッジをかけやすい

投機的取引は、レバレッジをかけられる点も大きなメリットです。

レバレッジとは、自分のお金を担保にその数倍の金額で取引が可能な仕組みで、一気に大きな利益を狙うことが可能になります。

例えば、FXでは自己資本を証拠金として差し出すことで、その数倍の資金で取引を行うことができるようになります。100万円の元手で利益を狙うより500万円の方が短期的に利益を狙うことができるため、投機をする際はレバレッジを使用する方が多いです。

投機のデメリット

株価を細かくチェックする必要がある

短期間での利益を狙いにいく投機では、頻繁に値動きをチェックする必要があります。

利益を得られるチャンスは一瞬であることも多いため、タイミングを逃さないようにしなければなりません。

長期投資は、短期の値動きを気にすることは少ないですが、投機では取引期間中は常に値動きに注意を払っておかなければなりません。

投資に比べて運用コストが高め

投機は、投資と比べると運用コストが高くなってしまう点に注意が必要です。

短い期間で金融商品の値上がり・値下がりを狙って売買を繰り返しす投機手法の場合、取引の度に手数料がかかるので気をつけましょう。

なるべく手数料が安い証券会社を活用することをおすすめします。

他の作業がおろそかになりがち

短期的な取引をしていると、常に値動きが気になってしまいます。そのため、仕事やプライベートに支障をきたしてしまう可能性があります。

自分の中で「この価格になったら買う/売る」というルールを決めておくと、精神的に落ち着いて取引ができるようになります。それでも気になって他の作業に影響を及ぼす場合は、投資に切り替えて長期的なリターンを狙っていく方が良いでしょう。

投資と投機のどちらに取り組むべきか

投資から始めて資産運用に慣れよう

基本的に「投資」も「投機」も、すぐに生活で必要となるお金ではなく、ある程度余裕があるお金で運用を行うべきです。

特に投機は大きな損失ですぐに資金を失ってしまうリスクも十分にあります。

そのため、まずは投資で安定したリターンを目標に運用していくことが先決です。その上で余剰資金があり、短期間で大きな利益を求めたいのであれば、投機を手段として活用するのも良いでしょう。

まとめ:「投資」と「投機」を使い分けよう

基本的にはまず投資で長期的に安定した利益を目指しながら、余剰資金がある場合に投機的取引で短期の利益を狙っていくのが良いでしょう。

両方の性質をきちんと理解して、自分に合った適切な方法で賢くお金を運用していきましょう。

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