億り人とはどんな人?なるために必要なことや生活例、税金について解説
一般的に金融資産を1億円以上持っている人のことを「富裕層」といいます。
株式会社野村総合研究所の調査では、2019年時点での日本の富裕層は133万世帯で、国内の全世帯に対して約2.38%を占めています。
最近は仮想通貨バブルやコロナバブルの影響から、投資によって短期間で億単位の資産を形成し、富裕層に仲間入りする人々が増えてきました。
こういった短期間の投資で億を超える資産を手にした人のことを「億り人」といいます。
メディアやインターネット上でも大々的に取り上げられる機会が多いため、「私も億り人になってみたい」と思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、億り人の特徴や達成するための方法、生活例などを詳しく解説します。
この記事の目次
億り人とはどんな人
「億り人(おくりびと)」とは、投資で1億円以上の資産を築き上げた人のことを指します。
メディアやインターネット上で億り人という言葉が登場したのは、2017年頃からです。
2016年には1BTC=5~10万円のレートで推移していた価格が、2017年に入ると急速に上昇し、11月には100万円を、12月には200万円を突破しました。
わずか1年の間に20~40倍の高騰を見せ、2016年以前からビットコインを保有していた方だとそれ以上に値上がり益を獲得したことになります。
また、ビットコインが上昇すると同時に、数百倍以上もの高騰を見せるアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)や草コイン(時価総額の低いアルトコイン)が続々と誕生しました。
2020年の春以降になると、今度はコロナバブルによって株式市場や仮想通貨市場が高騰。
こうした出来事が起こったことにより、億り人という言葉がより広く知れ渡るようになりました。
億り人になるには
数多くのメディアで華やかに取り上げられることの多い億り人だけに、憧れを抱く方も多いのではないでしょうか。
ここでは、億り人になるために重要な4つの考え方をご紹介します。
基本的には長期目線を心がける
億り人といえば、短期間で一気に資産1億円を超えた人をイメージしがちですが、実際に短い期間で多額の資産を得ようと思うと大きなリスクに直面します。
そのため、基本的には長期的な観点で資産運用に取り組むことが重要です。
たとえば、先ほど2017年にビットコインの価格が20~40倍に高騰したと説明しました。
その後2度目の仮想通貨バブルが起きた2021年には、過去最高となる1BTC=約730万円を記録したものの、前年度の価格からは6~7倍程度にしか伸びませんでした。
つまり、すでに高騰しているビットコインのような銘柄で、2017年と同じように億り人になるのは難しいということです。
海外の仮想通貨取引所を利用すれば、レバレッジを100倍以上に設定することもできますが、予想に反して値下がりした際は多額の含み損を抱え、あっという間にロスカットや追証が発動してしまうでしょう。
一方で、10年・20年スパンで投資を考えると、一度に多額の資金を用意する必要がなくなります。
余剰資金の範囲内でコツコツと投資額を積み立てたり、銘柄のパフォーマンスで資産配分を調整したりと、短期的な価格暴落リスクを和らげることが大切です。
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自分に合った得意な投資スタイルを見つける
ここまでお伝えしたように、基本的には長期目線で投資を行うことは重要ですが、最も大切なのは自分に合う投資スタイルを確立することです。
主な投資スタイルには、短期投資と長期投資があります。
短期投資のなかには1日に何度も取引を行うデイトレードや1週間から1ヶ月単位で取引するスイングトレード、数秒単位で売買を繰り返すスキャルピングが含まれています。
いずれかの方法が良い・悪いというわけではなく、それぞれ人によって向き・不向きがあるため、いろいろな投資スタイルを検証しながら自分に合うものを選び分けましょう。
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暴落時こそ買い向かう
一般的に売り逃れが起こりやすい暴落時にこそ、買い向かおうとする精神力が大切です。
投資で成功した方のなかには、悲観的な相場のときにあえて購入し、その後の価格上昇によって大きな利益を得たケースも少なくありません。
保有していた銘柄が暴落した際は、いかに損失を最小限に抑えるかという点に意識が集中しがちですが、投資の基本である「安い時に買って高い時に売る」を実施しやすい場面であることを忘れないようにしましょう。
ここで注意したいのが、どのような理由で暴落が起きてしまったのかということです。
たとえば、株式投資において「リーマンショック」や「コロナショック」のような世界同時不況が原因で、あらゆる銘柄が暴落したとしましょう。
この場合は、優良銘柄さえ保有していれば、たとえ一時的に暴落が起きたとしても、その後の景気回復や業績復調によって株価が上昇する可能性が高いといえます。
一方、ここ数年の間業績が低迷しており、何らかの不祥事が原因で株価が暴落したとすると、その後の価格回復は見込めないかもしれません。
このように暴落の原因によって将来の価格上昇が見込めるかどうかが大きく異なるため、暴落が起きれば必ずしも買い増せば良いわけではない点には注意しましょう。
ときにはリスクを取って集中投資する
億り人を目指すには、リスクを取って集中投資することも大切です。
なぜなら、短期投資よりも安全に運用できる長期投資では、多額の資産を形成するまでに長い時間がかかってしまうためです。
仮に長期投資で1億円の資産を貯めようと思うと、毎月15万円を年率4%の利回りで複利運用したとしても、30年という長い年月がかかります(元本5,400万円と利息5,010万円で計1億410万円の資産になる)。
老後資金や将来の備えのために長期的な資産運用をしたい方にとっては、30年という歳月はあまり気にならないかもしれませんが、投資家のなかには「なるべく短期間で億り人になりたい」という方も多いです。
そのため、短期間で億り人を目指したい場合は、成長が期待される中小型株や仮想通貨に集中投資するという選択肢が浮上するでしょう。
しかし、特定の銘柄に資産を集中投下してしまうと、ひとたび暴落したときに大きな損失が発生してしまいます。
安全資産は8割程度、リスク資産は2割程度のバランスでポートフォリオを構成することをおすすめします。
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億り人を達成した人の生活例
では、実際に億り人を達成した人はどのような生活を送っているのでしょうか。
その答えは、どのような経緯で億り人になったかで大きく異なります。
ここでは、億り人を達成した人の2つの事例をご紹介します。
長期投資で達成した場合
長期的に資産運用を続けた結果、億り人になった方は、堅実な生活スタイルのなかで着実に資産を築き上げたこともあり、派手な生活をしている方は少ないでしょう。
余裕のある資金を無理なく投資に回す生活が染み付いているため、思った以上に質素な生活をしている方も多いようです。
意外に思うかもしれませんが、実は投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏もこのタイプにあたります。
2021年3月に資産1,000億ドル(約10兆8,000億円)以上の大富豪に仲間入りしたウォーレン・バフェット氏ですが、実生活ではマクドナルドを食べコーラを飲み、散髪代の10ドルすら倹約するとも言われています。
投資をするにあたっても無理なリスクは避けようとするため、このタイプは今後もさらに資産を増やしていく方が多い傾向にあります。
短期投資で達成した場合
2017年のビットコインバブルや2020年春以降のコロナバブルなどで、短期間に億り人を達成した方は、派手なお金遣いをしやすい傾向にあります。
これは人間の本質的な行動傾向を考えると当然だといえます。
人は苦労して得たお金ほど慎重に、簡単に得たお金ほど深く考えずに消費してしまうと言われています。
たとえ一時のバブルによって多額の資産を得たとしても、これまで手の届かなかった高価な商品に散財したり、その成功体験から短期投資を繰り返して、資産を大きく目減りさせたりといった事態に陥りやすくなります。
積極的にリスクを取って短期トレードを繰り返すことは、決して悪いことではありません。
しかし、明確な投資戦略がなく、単なる運だけで一時的に億り人になった場合は、上記のような悪いループにはまる可能性があります。
いまいちど戦略を見直すか、長期投資にも資産を振り分けてリスクコントロールを行う必要があるでしょう。
億り人が注意したい税金について
億り人を目指すにあたって注意すべきなのが税金です。
株式投資やFXの場合、税率は一律20.315%なので大きな問題にはなりにくいといえます。
しかし仮想通貨の場合は、所得区分が雑所得にあたり、譲渡所得や配当所得にあたる株式投資やFXとは税金の考え方が大きく異なります。
雑所得は、所得額が増えれば増えるほど所得税率が高くなる累進課税が採用されています。
総合課税の対象となるため、給与所得といったほかの収入と合わせて合計所得が4,000万円以上になると、最大45%の所得税が発生し、10%の住民税と合わせると計55%が税金として徴収される仕組みです。
つまり、1年の間に仮想通貨投資で1億円の利益が発生したとしても、その半分以上の金額を翌年納税しなければなりません。
短期間で億り人になった場合は、資産が一気に増えたからといってすぐに散財してしまうと、その後税金が払えず大きな問題になってしまうため、資金管理には十分気を付けましょう。
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まとめ:億り人は戦略を立てながら目指そう
メディアやマスコミによって華やかに取り上げられるケースが多いこともあり、億り人という言葉には羨望のイメージが強く染み付いています。
しかし、予想に反して資産が暴落したり、税金が高くなってしまったりすることから、深く考えずに短期的に億り人を目指すのはおすすめできません。
より安全に億り人を達成するためには、短期的な目線に加えて長期的に安全資産にも投資するほか、優良な銘柄をしっかりと選別することが大切です。
投資にはリスクがあることも考慮したうえで、適切な戦略に基づいて億り人を目指しましょう。
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記事監修者
マネカツ編集部
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