「人生100年時代」と言われる現代では、老後の資産設計を早い段階から考える必要があります。

「生涯年収はどれくらいなのか」「ライフイベントにどう備えるべきか」を把握し、少しずつ老後に向けた資産の準備を進めていくことが大切です。

この記事では、会社員の平均的な生涯年収のデータや最新の平均年収、ライフイベントに向けた準備について解説します。

「老後資金に不安がある」「生涯年収を知りたい」という方は参考にしてください。

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生涯年収とは

生涯年収とは

「生涯年収」とは一生涯で得られる収入の総額のことです。

毎月の給与やボーナス、退職金などを含めた総収入のことを指し、「生涯賃金」という呼び方をすることもあります。

生涯年収は、正社員やパート・アルバイト、自営業などの働き方によって変動します。

同じ会社員であっても企業の規模によって差があったり、結婚や出産を機に仕事を辞めて収入に変動があったりするため、一概に生涯年収いくらと語ることはできません。

しかし、生涯年収の平均と比べて自分がどれくらい収入を得られるのかを把握しておくと、身の丈に合ったライフプランを検討しやすくなります。

会社員の平均的な生涯年収や、男女別・学歴別の生涯年収の傾向を把握し、ライフプランに役立てていきましょう。

男性会社員(サラリーマン)の生涯年収

男性会社員(サラリーマン)の生涯年収

※記事内の数値は、独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が発表した「ユースフル労働統計2021―労働統計加工指標集」を引用させていただいております。

平均的な生涯年収は2億円程度

男性会社員の生涯年収は、およそ2億円程度と言われています。

この「2億円程度」というのは額面金額であるため、実際に受け取れる手取り金額はもう少し少ない額になると考えられます。

また、平均値と中央値の違いについても考えなくてはなりません。

「平均値」とは全体の数値を平均化したもの、「中央値」とは数値を上位から並べてちょうど中間の値のことです。

生涯年収の平均値はおよそ2億円ですが、中央値ではもう少し低い金額となります。

半数以上の人が生涯年収の平均値2億円よりも少ない金額になっていると考えられます。

学歴別の生涯年収

独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が発表した「ユースフル労働統計2021―労働統計加工指標集」によると、男性の学歴別の平均生涯年収(退職金は含まない)は以下の表の通りになっています。

学歴 平均生涯年収
中学卒 2億円
高校卒 2億1,000万円
高専・短大卒 2億2,000万円
大学・大学院卒 2億7,000万円

このように平均生涯年収は学歴に比例しており、高学歴になるほど生涯年収が高くなる傾向にあります。

企業規模別の生涯年収

「ユースフル労働統計2021―労働統計加工指標集」では、学歴ごとの企業規模別平均生涯年収も発表しています。

企業規模別の平均生涯年収(退職金は含まない)は、以下の表の通りです。

学歴 1,000人以上 100〜999人 10〜99人
中学卒 2億4,150万円 2億60万円 1億8,510万円
高校卒 2億5,450万円 2億760万円 1億8,150万円
高専・短大卒 2億4,800万円 2億1,140万円 1億8,730万円
大学・大学院卒 3億620万円 2億5,170万円 2億850万円

同じ学歴であっても規模が大きい企業に勤めている人の方が、平均年収が高い傾向にあるようです。

女性会社員の生涯年収

女性会社員の生涯年収

平均的な生涯年収は2億円弱

女性の場合、会社員の平均的な生涯年収は2億円弱と言われています。

男性と比べると、生涯年収は少ない傾向が見られます。

女性は、出産や育児で職場を離れるケースが多いほか、職場復帰の際にも時短勤務から徐々に復帰する人が多くいるため、男性よりも生涯年収が低くなりやすいことが特徴です。

学歴別の生涯年収

「ユースフル労働統計2021―労働統計加工指標集」によると、女性の学歴別の平均生涯年収(退職金は含まない)は以下の表の通りになっています。

学歴 平均生涯年収
中学卒 1億5,000万円
高校卒 1億5,000万円
高専・短大卒 1億8,000万円
大学・大学院卒 2億2,000万円

男性の場合と同様に女性も生涯平均年収が学歴に比例しており、学歴が高くなるほど生涯年収も高くなる傾向にあります。

企業規模別の生涯年収

「ユースフル労働統計2021―労働統計加工指標集」によると、企業規模別に分類した女性の平均生涯年収(退職金は含まない)は以下の表のようになっています。

学歴 1,000人以上 100〜999人 10〜99人
中学卒 1億3,870万円 1億2,960万円 1億1,900万円
高校卒 1億4,820万円 1億3,690万円 1億2,550万円
高専・短大卒 1億8,180万円 1億6,440万円 1億4,800万円
大学・大学院卒 2億2,090万円 1億9,750万円 1億6,860万円

こちらも男性の場合と同様で規模が大きい企業に勤めている人の方が、生涯年収が多いというデータとなっています。

全体的に男性よりも生涯年収が低い傾向にあり、出産・育児での休業や時短勤務の影響が出ていると思われます。

最新の会社員(サラリーマン)平均年収

最新の平均年収

国税庁が発表した「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、令和2年の給与所得者1人当たりの平均年収は433万円でした。

男女別で見ると男性の平均年収が532万円、女性の平均年収が293万円と差が開いていることが分かります。

年収を上げるためには自分自身のスキルアップはもちろん、高収入がもらえる勢いのある業界に身を置くことも選択肢として考えられます。

例えば、近年はインターネット関連の需要が高いため、IT企業の年収が比較的高い状況にあります。

需要が高く、勢いがある業界・会社に移ることも視野に入れてみると良いでしょう。

出典:国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」

ライフイベントに備えた準備をしよう

ライフイベントに備えた準備をしよう

結婚や出産、住宅購入や子どもの教育、自分の老後など、生きていく上ではさまざまなライフイベントが存在します。

いずれの場合も大きな出費がかかりやすいため、事前に備えておくことが大切です。

ここでは、各ライフイベントに向けた準備について解説していきます。

先取り貯金で確実に貯蓄を増やす

今後控えているライフイベントに向け、「先取り貯金」を活用して着実に貯蓄していくと良いでしょう。

先取り貯金とは、毎月の給与やボーナスから貯蓄する金額を先に確保し、残った分を生活費や娯楽費などに回す貯蓄の方法です。

「先に生活費を使って残りを貯金する」という方法だと、ついつい使い過ぎてしまったり、貯蓄額にばらつきが出てしまったりする可能性があります。

先取り貯金では一定額を先に貯蓄するため、使い過ぎを防げるだけでなく、貯金期間から逆算して目標金額を確実に貯蓄していくことができます。

今後のライフプランで必要な金額を計算し、計画的に先取り貯金を進めていきましょう。

昇進や転職、副業で収入を増やす

理想のライフプラン実現に向けて資金を準備するのであれば、収入を増やす努力も重要です。

会社での昇進や新たな業界・企業への転職、副業などで収入を増やしていきましょう。

ただし、収入を増やすことに成功したからと言って生活レベルを上げてしまうと、支出も増えてしまいます。

身の丈に合った生活レベルを維持しながら収入アップを目指していくことを意識しましょう。

また、副業に関しては会社の就業規則で禁じられている可能性があるため、事前確認を忘れずに。

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投資で資産運用を始める

お金を銀行に預けているだけでは、なかなかお金は増えていきません。

余裕のある資金については積極的に投資に回し、効率的に資産運用をしていきましょう。

投資初心者の方は、年間40万円・最長20年間の投資で得た利益が非課税となる「積立NISA」がおすすめです。

長期間積立投資を継続することでリスクを軽減でき、時間を味方につけて着実にリターンを狙うことができます。

もし資金が必要になったら、途中で売却して現金化することも可能です。

最小で月100円から始められるので、投資初心者の方も安心して始められます。

まとめ:会社員の生涯年収を意識してライフプランを練ろう

会社員の生涯年収を意識してライフプランを練ろう

会社員の生涯年収はおよそ2億円程度で、学歴や企業規模に比例して高くなっていきます。

男女別では、出産や育児で職場を離れたり、時短勤務で職場復帰をしたりするケースが多い女性の方が、生涯年収がやや低い傾向にありました。

今後のライフイベントに備えるためにも先取り貯金で確実に貯蓄をしつつ、昇進や転職、副業などで収入アップを目指していきましょう。

また、余裕がある資金については「積立NISA」などを活用しながら、資産運用に着手するのもおすすめです。

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