投資家とはどんな仕事?目指すための方法やメリット・デメリット

「投資家」はどんな仕事をしているのか分かりにくく、どうやって目指すのかをイメージするのが難しい職業です。
これから投資家を目指す方は、あらかじめメリット・デメリットを把握しておく必要があります。
この記事では、投資家という職業の特徴やメリット・デメリットなどを解説していきます。
投資家になるための方法も合わせてご紹介するので、ぜひ記事を参考にしてみてください。
投資家とは
「投資家」とは、投資によって収入を得ている人のことを指し、配当金や売却益で生活しています。
一般的には株式投資がイメージされやすいですが、FXや暗号資産(仮想通貨)、不動産への投資も対象となります。
例えば不動産に資金を投じている投資家は、定期的な家賃収入を受け取ることができます。
物件が購入した価格よりも上昇すれば、売却することで利益を得ることも可能です。
金融資産などにお金を投じることで収入を得るのが、投資家という職業の特徴になります。
投資家の種類
個人投資家
個人投資家とは、名前の通り個人で投資をしている人のことを指します。
投資家の多くは個人投資家に分類され、自分のお金を元手に投資をしています。
趣味で投資をしている人や将来に向けた資産運用のために投資をしている人、副業として投資で収益をあげている人など、目的はそれぞれで異なります。
会社員は個人事業などの仕事をしながら投資をしている人のことを「兼業投資家」と呼ぶこともあります。
専業投資家(専業トレーダー)
個人投資家の中でも、投資による収入だけで生計を立てている人を「専業投資家」と呼びます。
日々の短期的な取引によって着実に利益を上げたり、株式の配当金や不動産の家賃収入をメインにしていたりと、投資のスタイルは投資家によって様々です。
場合によってはブログやYoutubeで情報発信したり、講演会を開いたりして収入を得ているケースもあります。
有名になることで収入を得られるチャンスが広がる点が、専業投資家の大きな特徴です。
機関投資家
個人投資家とは異なり、会社(法人)として投資をしているのが「機関投資家」です。
顧客から預かった資金をもとに投資をするため、個人と比べて圧倒的に取り扱う金額が大きいことが特徴です。
個人投資家が購入できる投資信託も、機関投資家のファンドマネージャーが運用をしています。
機関投資家の主な種類は、以下の通りです。
- 投資信託会社
- 年金基金(GPIF)
- ヘッジファンド
- 生命保険会社
- 損害保険会社
私たちが加入している年金や生命保険、損害保険も機関投資家によって運用されているのです。
海外投資家(外国人投資家)
海外投資家は、海外在住で日本の株式を取引をしている投資家のことを指し、個人も機関もまとめて「海外投資家」と呼びます。
日本の株式市場において海外投資家の影響力は非常に大きく、投資をする上では動向を見逃せない存在です。
日本取引所グループが発表したデータ「投資部門別 株式売買状況 東証1部[金額]全50社」によると、2021年東証1部の株式売買金額の約7割が海外投資家による取引でした。
国内の株式市場は、日本の投資家よりも海外の投資家の方が存在感が大きいことを知っておきましょう。
投資家になるための方法
「投資家」という言葉だけを聞くとハードルが高く感じられますが、少額でも投資をしていれば立派な投資家です。
しかし、専業の投資家として生活していくのは簡単ではありません。
ここでは、投資だけで暮らしていく「専業投資家」として成功していくための方法をご紹介します。
日々の生活に必要な生活費を明確にする
投資家として生計を立てていくのであれば、どれくらいの収益を上げる必要があるのかを把握しなければなりません。
そのため、日々の生活に必要なお金を明確にしておきましょう。
生活費を把握できれば、投資に使えるお金がどれくらいあるかも確認することができます。
無計画に投資を始めるのではなく、まずは家計の収支を理解することから始めましょう。
最初は「兼業投資家」として資金力を増やす
投資で生活していけるだけの収入を得るためには、ある程度の元手資金を用意する必要があります。
いきなり専業として始めるのではなく、仕事をしながら投資をする「兼業投資家」として資金力を増やしていくことをおすすめします。
ムダな出費を減らして余ったお金を積極的に投資に回すことで、少しずつ資金は増えていきます。
投資で得られた収益も再投資して、少しずつ元手を増やしていきましょう。
勝率の高い投資方法を見極めていく
専業投資家にとっては利益の金額だけでなく、勝率の高さも重要な指標となります。
どれだけ大きな利益を上げても、同じだけの損失が発生してしまっては意味がありません。
自分に適した投資のパターンを見極め、なるべく勝率を上げていけるように工夫しましょう。
参考程度に3つの投資パターンを解説します。
デイトレード
デイトレードとは、同じ銘柄を1日の間に売買して利益を狙いに行く投資手法です。
株やFX、暗号資産(仮想通貨)の短期的な値動きを予測する必要があるため、チャートの分析などをしながら取引をしていきます。
価格が上昇すると予想したら購入してから売却、下落すると予想したら売却してから買い戻すことで利益を積み上げます。
原則として翌日まで取引を持ち越すことはなく、超短期での取引であることが特徴です。
スイングトレード
スイングトレードは2、3日〜数週間の間で取引を完結させる投資手法です。
デイトレードより期間に余裕を持った取引ですが、基本的には短期取引の一種となります。
短期的な取引であるため、企業の業績よりもテクニカル指標やチャート分析をもとに値動きを予想します。
分析方法を勉強して実践しながら、常に価格の変動に注意しておく必要があります。
中長期投資
中長期投資は、数ヶ月〜数十年にわたって投資するスタイルのことを指します。
対象は投資信託や不動産、株式などで、時間を味方につけて資産を増やすことを目指します。
中長期スパンで投資している人は、不動産の家賃収入や株式の配当金など安定した収入を得ながら、長期的に資産価値の上昇も狙うことが多いです。
デイトレードやスイングトレードと比べると安定した利益を得やすい一方で、利益を得るまでに時間がかかるという特徴があります。
4%ルールで年間生活費を賄う
4%ルールとは、年間の支出の25倍の資産を運用すると、年間4%の運用利益で生活費を賄えるという考え方です。
アメリカのS&P500指数の平均成長率7%からインフレ率3%を差し引いた数字が4%であることから、平均的に年間4%ほどのリターンが実現できると考えられています。
「いくら稼げるようになったら専業投資家になれる」という明確な基準はありませんが、目安として4%ルールを達成することを目標にするといいでしょう。
有名な投資家
ウォーレンバフェット氏
ウォーレンバフェット氏は「投資の神様」と呼ばれる存在であり、多くの投資家が彼の手法に影響を受けています。
もともとは個人投資家として活動をしており、現在では機関投資会社「バークシャーハサウェイ(BRK B)」のCEOとして投資をしています。
バフェット氏は、割安なバリュー株を長期保有することを投資哲学にしており、長い時間をかけて大きな資産を築き上げました。
これから投資を始める方は、バフェット氏の投資哲学を参考にしてみるのも良いでしょう。

ウォーレンバフェット氏の名言集!保有株やポートフォリオも紹介
テスタ氏
テスタ氏は、専業投資家として数十億円の利益を得ている日本の投資家です。
時価総額が大きすぎない株式銘柄への短期取引で利益を積み重ね、大きな資産を築いてきました。
短期投資で利益を上げる方法や銘柄選定のポイントなどを、SNSやYoutube等で発信しています。
個人で実践・参考にできる情報を多く発信されているので、短期トレードについて学びたい方はSNSをフォローしてみるのがおすすめです。
桐谷広人氏
株主優待でおなじみの桐谷広人氏は、テレビ出演をきっかけに人気を集めた投資家です。
優待がもらえる銘柄への投資をすることで、各企業からの優待を受け取りながらお得な生活をして資産を増やしています。
配当金や株主優待を受け取ることで株価下落時の精神的ダメージを軽減しつつ、値上がりしたら利益を確定するというスタイルで投資をしています。
「長期的に配当金や株主優待を受け取りたい」という方は、桐谷氏の投資手法を参考にしてみましょう。
投資家になるメリット
投資家を目指している人にとって、メリットを把握することでモチベーションに繋がります。
主に、以下のようなメリットが挙げられます。
- 資産が大きくなれば安定した収益が得られる
- ネット環境があればどこでも仕事ができる
- 失業や定年の心配がない
これらのメリットをひとつずつ解説していきます。
資産が大きくなれば安定した収益が得られる
投資の元手が大きくなれば、数%の利益でも大きな利益になります。
少しの値上がりでも利益になりやすいため、安定した収益を得ることができます。
例えば、元手1,000万円で100万円の利益を出すためには10%の値上がりが必要です。
しかし、元手が1億円であれば1%の値上がりで100万円の利益を得られます。
資産が多ければ多いほど投資では有利になるため、積極的に投資をして資産を増やしていきましょう。
ネット環境があればどこでも仕事ができる
現代では、スマホやパソコンから投資取引が簡単にできます。
そのためネット環境があれば、どこにいても仕事を始められることがメリットです。
毎日同じオフィスに向かう必要がなく、自宅やカフェなどの好きな場所で取引が可能です。
家賃収入や配当金による利益が中心の投資スタイルであれば、日々の情報を細かくチェックする必要もありません。
自由な働き方で収入を得られる点が、投資家の魅力のひとつです。
失業や定年の心配がない
投資家は誰かに雇われているわけではないため、失業や定年という概念がありません。
職業を失う不安を感じることなく、いつまでも続けることができます。
また兼業投資家の方も、会社を定年退職してからでも投資家として収入を得ることは可能です。
生涯にわたって収入を得られるチャンスがある点は、投資家の大きなメリットといえるでしょう。
投資家になるデメリット
働き方に自由がある投資家という職業ですが、残念ながらデメリットもいくつか存在します。
投資家になるデメリットとして、主に以下のような点が挙げられます。
- 職業欄は「無職」扱いになる
- 収入は安定しない可能性がある
- 投資元本となるまとまった資金が必要
これから投資家を目指す方は、事前にデメリットを把握しておきましょう。
職業欄は「無職」扱いになる
投資家は立派な仕事ではありますが、厳密にいうと「職業」ではありません。
そのため公的書類での職業欄では、「無職」という扱いになります。
無職の場合、住宅ローンの審査が通りにくかったり、住居の入居審査が会社員と比べて難しかったりというデメリットがあります。
投資で大きな収益を上げていれば生活には問題はありませんが、会社員と比べて不利になる場面が訪れる可能性があることは把握しておきましょう。
収入は安定しない可能性がある
投資家は、取引で得た利益や配当金が主な収入源となります。
相場が暴落したり、投資先の企業業績が悪化したりすることで、収入が減少するリスクがあることに注意が必要です。
もし、不安定な投資収益だけでは不安な方は、ブログやYouTubeなどで情報発信し、広告収入を得ることを目指すのも良いでしょう。
リスクを分散できるだけでなく、より資産を増やすことに繋がります。
投資元本となるまとまった資金が必要
専業投資家として生きていくのであれば、生活費を稼ぐために必要な投資元本は数千万円〜1億円以上といわれています。
まとまった資金を用意しなければならない点が、デメリット(大変な点)として挙げられます。
数千万円以上の資金を用意するためには、支出を抑えて投資に回していく必要があります。
時間を味方につけながら、家計を定期的に見直して余剰資金を積極的に投資していきましょう。
まとめ:特徴を理解した上で投資家という職業を目指そう
この記事では、投資家の特徴や目指す方法、メリット・デメリットを解説しました。
投資家は、自由な働き方で収入を得ることができる職業です。
必要な生活費を把握した上で積極的に投資をしていき、専業の投資家に近づけるように資産を積み上げていきましょう。
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記事監修者
マネカツ編集部
"将来への漠然としたお⾦への不安はあるけど、何から始めていいのかわからない…"
そんな方に向けて「資産運用」や「節税」など、お金に関する情報を発信しています。

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